【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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昔話⑴

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いつもと様子が違う宗也を追いかけて入ったお店はビルの上階にあるとても高校生が行ける様な所ではない高級レストラン。初めて入る所にドギマギしながら入ると個室へ通された。

こういうところって学生だけで入ったら追い出されるとかないの?大丈夫なの?俺お金足りないと思うんだけど…
色んな不安を抱きながら席について宗也が話始めるのを待つ。だって…ねぇ?なんて話しかけたらいいか分かんねぇもん。

「…さっきの奴ら知り合いか?」

体感時間が長く感じた沈黙の時間を切ったのは宗也。
知り合いじゃなかったら名前も知らないだろうし、あんな変な絡み方しないよな…

「あぁ、知り合いっつうかなんというか…同級生?」

「同じ学校だったのか?」

「そうだけど…」

「高校か?」

「うん…」

そこから始まった質問攻めに一つ一つ答えていく。でも、本当に聞きたいであろうところは聞いてこない。
肝心な部分は聞こうとしないのは宗也なりの優しさなのだろう。…気にしなくていいのに…

「宗也、気にしなくていい。俺とあいつ等の関係はよく言えば元友達ってとこかな。」

「言いたくないことは言わなくていい…」

「いや、あそこまで見られたら隠そうとは思わないわ。まぁ元から隠そうとも思ってなかったし。聞かれたら答えようと思ってたのに、宗也ってば聞いてこないんだもん。焦らされた気分だよ。」

ちょっと茶目っ気をいれつつ話始める。そんなに気にする事ではないことだけど……





***********

高校で俺は所謂カースト上位のグループにいた。別に興味なかったからその時はグループとか考えたこともなかったけど…

俺は今も昔も性別とか、性っていうのかな、それに対して疎かったんだ。誰が好きとか、誰と付き合いたいだとか思ったことも考えたこともなかった。だからか、時折一緒にいた奴らと意見が食い違うことがあったけど気にしてなかったんだ。


でも、そんなある日、いつも一緒にいるメンバー同士で付き合っているカップルがいたんだけど、その彼女の方が俺に好意があったようで迫られたんだ。

「ねぇ、栄人。私ずっと栄人のことが好きだったの。別に付き合いたいとか思ってないから、気持ちいことしよ?」

そう言われて、俺はもちろん断った。

「お前、あいつと付き合ってるんだろ?なら、そういうことはあいつとするもんだろ。俺はお前とどうこうする気はない。」

それで終わったと思ってたんだ。





そんなはずないのにな。女はプライドが高い、俺に振られた腹いせに何をするか分からないと今なら分かるがその時の俺は平和ボケしてたんだろう。なんの不自由なく生きてきたから。





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