【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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体育祭⑵

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「棒引きへ出場する生徒は控え場所へ集まってください。」

アナウンスが流れ、徹と変態と一緒に移動する。

「棒引き、結局練習できなかったよなぁ。でもやるからには勝ちたいな。」

お前、その爽やかさ…出てくる作品間違えただろ絶対。どっかの青春か恋愛漫画に出て来そうな笑顔で、行ってる内容も爽やか。いつも変態って言って、なんかごめん。

「ねぇ、俺今なんか知らない間に貶された気がするんだけど…」

「気のせいだ。」

「栄人は俺が守る!」

そんなやり取りをする俺たちをスルーして、違う方向に意気込んでる徹は可愛い。

「プログラム5番は1年生による棒引きです。」

始まりのアナウンスが流れ、出場する曲が流れ始める。
学年競技はクラス別対抗だけど棒引きの場合、白と赤に分かれて戦う。組み分けはS∼Dまでを交互に分ける。俺たち赤はSBD組、白はACE組。





それぞれが位置について―――――

「それでは一回戦、はじめ!」

戦いの火蓋は切って落とされた。

「っしゃあ、行け!うらぁ!」
「来いや、ごるぁぁ!」

滅茶苦茶舌回ってるんですけどー、え、ガラ悪くない?俺やってけるかな…

「うっわ、マジかよ。上玉いんじゃん♪」
「マジ?サイコー、やる気出てきた。」

俺と戦うであろう目の前のチームはやる気満々で、なんかキモイ。
棒引きは一定のラインまで棒を引いて来た方が勝ちなんだけど、なかなか引けない。一回戦は勝負が決まったチームが助けに入れないから、自分たちの力で引くしかない。

「そこまで!」

その掛け声で引いていた棒を下ろす。残念ながら、タイムアップだ。

「それでは二回戦、初め!」

二回戦は助けに行けるけどタイムアップありで、三回戦は決着がつくまで。
俺のチームにはいっぱいの助けが来てくれているけど人が多すぎて、敵か味方か分からなくなる。どさくさに紛れて身体を触られている感覚がするけど、気のせいだと思いたい。

「そこまで!」

その後、すぐに聞こえた静止の声に心底助かったと思った。
三回戦はタイムアップがない。本当に痴漢?されてたら、ヤバいよな…


「最終戦、初め!」





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