【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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何を…するの?

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「栄人クン、このケーキ美味しいね。栄人くんも食べる?はい、あーん…」

「颯、抜け駆け…してるんですか?見逃せませんね。栄人君、この飲み物も美味しいですよ。」

「栄人、休憩時間はいつだ?その…時間が合えば一緒に回らないか?」

はい、皆さんお馴染み先輩たち。まだいるんですね、はい。先輩たちのお陰で他の客のところ行かなくてすんでるのはありがたい。

「会長たちズルいですよ~僕たちがいないのを良いことに抜け駆けはなしですからねぇ?」

瑠季が忙しそうにしながら茶々を入れているが先輩たちは素知らぬふりをしている。みんなして目をそらして白々しい。

ずっと会長たちに捕まっていると、出入り口の方が騒がしくなってきて様子を伺う。

「おい、もしかしてもうバレたか?」

「でも、まだ数十分ぐらいしかたっていませんよ?」

「そうだよ、いくら輝樹でもさすがに早すぎるでしょ~」





「あぁ、さすが俺だろう?」

ピシッ

会長たちの身体が高まる音がした気がする。

会長たちに続いて第三者の声が聞こえて、振り向くと輝樹先輩が腕を組んで仁王立ちで佇んでいた。
それはもう随分ご立腹のようだ。


「い、いやぁ~あっはは、さっすが輝樹だよねぇ~仕事が早い!」

「そうですねぇ、ここまで早いとは…風紀の方も安心ですね。」

「あぁ、仕事が出来る友がいて俺も心強い。」

それに対してお三方は絶妙にズレた返事で返すが……頭に拳骨が落ちていた。

自業自得だ。輝樹先輩の様子じゃ仕事放り出してきたみたいだし、早急に仕事に戻ってもらおうと思い先輩たちを差し出す。
後ろ髪を引かれるように帰って良くお三方には目もくれず、輝樹先輩は俺に近づくと耳元に口をよせ……

「後夜祭のとき…風紀委員長室で待っている…」

それだけを残して三人の後を付いて行ってしまった。

…今のは、お誘いかな?俺の輝樹先輩だけしかいないのかな?何を…するんだろう…





何もされてないのに、なぜだか頬が赤くなるのをしばらく治められなかった。




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