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事件
しおりを挟む「でも、いくら今が暑い時期でも風邪ひいちゃいます。服を乾かしましょう。多分ベストだけでワイシャツは大丈夫だと思うので…」
そう言って、私の隣に来てベストのボタンに手を掛ける伊澤。酔いで回っていなかった頭が、伊澤が近くに来たことにより覚醒する。
「そう言えば、部長いつもベスト来てますね。夏でも…暑くないですか?」
べストを脱ぐ…?
「っ!だ、大丈夫だ。これぐらいで風邪は引かないから。そのうち渇くだろう。」
そう言って少し後ずさると後ろの壁に背中がつく。
ベストはダメだ。ワイシャツだけではいつも隠せていたお腹が隠れなくなる。
「そんな、俺のせいで部長が風邪を引いたら困ります。」
「ちょっと、ほんとに…だいじょう…」
そう言ってボタンに手を伸ばす伊澤。お酒が入って頭は覚醒しても力が抜けている私に抵抗できるわけもなく…
「やっぱりワイシャツは濡れてな…」
そこまで言って、固まる伊澤。
「(見られた…だらしない身体を見られてしまった…幻滅された…)」
一番危惧していたことが起きてしまい、ジワリと瞳に膜がはる。これで泣いたら、もっと残念なオジサンになる。耐えないと…
腕で、顔を隠してせめてもの抵抗を試みる。
「見るな…見ないでくれ…こんなだらしない身体…お前に見られて幻滅されたくない…」
色々とキャパオーバ―した私はそう言い終わって、やらかしたことに気づく。
「(もう終わりだ…)」
伊澤の顔を見るのが怖くて、でも反応のない伊澤が気になって…顔にある腕はどけないけど気配を探る。
すると、お腹あたりにスッと温かい手が添えられる。
「えっ、なにして…」
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