家族のかたち

yoyo

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兄弟だから…⑴

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 今朝、勇が失敗したようで、部屋を覗くとグズグズの勇と父さんがいた。

「父さん、ここはオレが片付けておくから。お風呂……今朝冷えてたから一応、お湯も張ってるから」

「おぉ。悪いなこう、助かるよ」

「さあ、勇。行こう」

 勇を抱っこして、父さんは部屋を出て行く。



 一時期、勇のおねしょが続いた時から、おねしょシーツを敷いているので、布団にまでは漏れていなかった。このおねしょシーツは、オレが使っていたものだ。


「まだ、取っておいていたのかよ……」

 ボソッと呟き、シーツを丸めて抱える。









 一緒にお風呂に入って、上がってきても勇の機嫌は直らず、ソファーの隅っこで丸くなっている。

 今日はホットミルクも手付かずだ。

「勇、一緒に朝ごはん食べよう」

 フルフルフル……勇が首を振る。

「じゃあ、飲み物だけでも飲もう」

 フルフルフル……


「父さん、じゃあオレそろそろ行くわ」

「あぁ。バイトだっけ?気をつけてな。あと、さっきはありがとな」

「ん…。別に…」

「じゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい」




 相変わらずの勇の隣に座り、抱き寄せて膝にのせると、若干バタバタと抵抗したが、すぐに観念して身を委ねてくる。

「僕はさ、勇がわざとしちゃった訳じゃないって、ちゃんとわかってるよ。昨日寝る前にしっかり、トイレに行ってたのも知ってる。それでも、寒かったりしたら、漏れちゃうこともあるんだよ」

「でも……おねしょもしちゃって……そのあとも……やっぱりボクはいい子じゃない」


 久しぶりに勇の口から いい子 の文言が出てくる。しばらく聞いてなかったから、落ち着いたかと思っていたけど、いい子の呪縛は強烈なようだ。それだけ、連続2回の失敗はショックだったのだろう。


「どんな勇でも大好きなんだよ。これからもずーっと大好きなままだよ。僕も幸もずっとずっと一緒にいるから、不安になることはなにもないよ」

「うっうっ…」

 勇の嗚咽がおさまるまで、優しく抱きしめ続けた。




「いっぱい泣いたし、お風呂にも入ったから、何か飲もうね。じゃないと干からびちゃうよ」

「それは、冷えちゃったから、また温めてくるよ」


 勇がカップに伸ばしかけた手を見て声をかける。

「ごめんなさい」

「すぐに温められるからね。大丈夫」

 勇の頭をポンポンと軽く撫でて、カップを持ってキッチンへ行く。



 一緒にホットミルクを飲み、やっと勇も落ち着いてくる。

「おいしい」

「ははっ……よかった。勇はさ、漏らしちゃうこと、すごく気にしてるけど、実はね、幸も勇くらいの時は、おねしょも、おもらしもいっぱいあったんだよ」

「えっ?」

「今は何でも出来る、頼もしいお兄ちゃんで、かっこいいよな」

「うん!幸兄ちゃんはすごくかっこいい」

「そうだよね。だから勇もなーんにも心配しなくていいんだよ。幸みたいなかっこいい男になれるから」

 やっと少し笑顔が見られた勇の頭を軽く撫でた。
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