明るいパーティー(家族)計画!勇者になれなかった僕は…

にゃも

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フレミアとレイランの休日 午前中

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   フレミアはその乗り心地の悪さにウンザリとしていた。

 レイランの胸に急遽取り付けた胸ポケットはユウキに比べて乗り心地が最悪なのである。

 胸の上に寝そべる事ができたならばその柔らかい胸の温もりを感じられていい夢が見れるような気もするが、同じ女性としてそれをやったら負けだという気がする。

 「ユウキのポケットに比べてちょっと狭いですかね?」

 「そうね…ユウキのポケットには勝てないわね。」

 「そうですか。」

 少し残念そうに言うレイランには申し訳ないが正直な感想をごまかす。

 ユウキの服を参考にフレミアはレイランの服にポケットを縫いつけたはずなのだがレイランの胸の大きさにより胸ポケットの位置はやや左寄りになっており進行方向に向かって正面を向いていない。フレミアはなるべく進行方向を向くためにつなぎ目のギリギリの角から顔を出す形になっている。

 そして、その隠された服の下の豊満な物体の曲線により定位置がくの字に反り返っているため、微かにのけ反りながら入っていないといけないのだ。そして狭く遊びがない。レイランが飛んだり走ったりしようものなら押しつぶされ圧死するかポケットからロケットのごとく発射させられそうな弾力を背後に感じるのも恐怖である。

 (ジャンプされたらボヨンッとしてポーンッてな感じで飛ばされそうよね。)

 フレミアがユウキにその話をしたならきっとユウキはレイランの胸ポケットにエア遊具を想像していただろう。

 (とにかく、人目のない落ち着ける場所に着いたらここからでましょう。)

 フレミアはげっそりしながら今後レイランと同行する際は、手荷物の中に入っておこうと思うのだった。

 (奴隷…じゃなかった。ティナのポケットなら乗り心地はいいかもしれないわね。命令も聞いてくれそうだし。命令した後のユウキの反応が少し怖いけど。とにかく胸はないからユウキのように落ち着けそうだし今度暇な時はティナと出かけてみようかしら。帰りに布を買って居場所を作らないと。)

 そんなことをフレミアが考えているうちにレイランは五件目にして先輩であり友人である女性の情報を得ていた。

 まだ酒場は一軒も開店していない時間帯であり店主や従業員がどこもおらず留守の店が多い中、たまたま昼と夜とで別の店を経営している店の店主が昼の仕込みに来ていたのを捕まえられただけなのだがレイランは情報を得られたことにほっとした。

 レイランは元々酒場で働いていたのだ。朝の時間には当然酒場が経営していないのを知っていたのだがフレミアのユウキとティナを二人にさせようとするバレバレの話に仕方がなく頷いたためにこうして朝から話を聞きまわる羽目になっていた。フレミアが密偵の仕事みたいで楽しそうだからやりましょうと張り切っていたので断れなかったのである。

 いずれにせよそんな状況の中で早々に情報を得る事が出来たのはレイランに取ってもフレミアにとっても喜ぶべき事であった。

 「ただしな…まあ、見た方が早いか。」

 という情報をくれた店主の言葉が気にはなったが、渡されたメモの通りにレイランは軽快に歩いていく。

 途中、懐かしい顔を頭の中で思い出し気分が上がったのだろうかスキップをしだした時には流石にフレミアは自身が飛び出すか、こみ上げて来るものが飛び出すのか先かという事態となり猛抗議した。

 店の主人に紹介された場所についた、フレミアが喜びそうな程にレイランは安定した状態になってしまった。呆然と立ち尽くし動くことを止めてしまったのはその光景があまりにも残酷であったからだろう。

 辺りに人が居ない事を確認しフレミアがレイランを他所にポケットから抜け出ると微かに空かれた扉の中に飛んでいく。

 「前の時みたいに魔族が暴れたというよりは、何もかもを持っていったという感じね。」

 レイランはフレミアの言葉に我に返り続いて少しドアを開くと中を見渡す。

 「酷い…店内がこんなにも荒らされているなんて。壁に穴が空いてるのは何かが飾ってあった物を無理矢理取ってったからね。カウンター内の食器類もほぼ空。椅子や机は脚が壊れた物だけが残されてるだけね。」

 「これは借金が払えなくて無理矢理に取り立てられたのかもしれないわね。儲かっていなかったのかしら?レイランの話じゃ、踊り子としても結構優秀だったって事じゃなかった?」

 部屋を出る時に少し過去の話をフレミアはレイランから聞いていた。だからきっと立派な酒場で未だに踊り子をしているに違いないと思っていたのだが、その予想は大きく外された。

 「あ、見て!こうして扉を開けて光を取り込むとあの階段に向かって伸びる直線だけは地面にホコリがついていないわ!」

 「もしかしたら上に…いる?」

 レイランの声にフレミアが頷く。

 レイランが階段を登り始めた時、二階の部屋より扉が弱々しく開かれる。

 「誰か…いるのですか?もう借金は払い終えているはずです。身体が目当てですか?まだ生活費はあるのでそういう事は…」

 レイランは絶句する。

 この弱々しい女性は誰であろうか。いや、誰であろうかというのは本来ならばおかしな話であり面影があるのだから探していたその人に間違いないのだろう。けれど、こんなにもやせ細り病気にかかっているかのような女性があの太陽のように明るい性格と情熱的な踊りが魅力的だった先輩が目の前のこの人だとレイランは思いたくなかった。

 踊り子にしてはやや身体が太かったが人気者だった先輩。明るく元気で皆を笑わせる事が大好きだった太陽のような人。ティナくらいの歳で買われた少女たちにはレイランと三年しか変わらないのにお母さんと呼ばれていた女性はそこにはいなかった。

 「レイラン?もしかしてレイランなのかい?」

 弱々しい声が少しづつ近づいて来る。レイランは泣きそうになり、逃げ出したくなるのをグッと堪えてその場に留まり続ける。

 「お久しぶりです。カルメンさん。」

 「本当にね、ごめんなさいね。こんな状態だから急な来客に用意できる物がなくて…」

 「いえ、けど大変そうですね。」

 「大変…そうね、大変だったわ。二つの病気でこうも人生が変わってしまうなんて。」

 「二つの病気?」

 カルメンは現在もやはり病を患っているようだ。

 「あ、大丈夫よ。うつるとかそういう事はないそうよ。せっかくだから少し中に入らない?」

 (どうすんのよ。これ巻き込まれるパターンじゃないの?ユウキが言ってたわよ!こういう時に中に入ったらきっとフラグとかいうのが立つわよ?)

 「…聞くわ。だって私はカルメンさんに会うために来たのだから。」

 レイランはフレミアに言うとカルメンにじゃあ、お邪魔させて頂きますと返事を返す。

 「そう、なら入って頂戴。」

 「お邪魔します。」

 レイランは室内に入り顔をしかめる。

 「これは?」

 乱雑に物が散らかっている部屋の中で机のそこだけが綺麗にされていた。そこには二つの瓶が置かれており小さな緑の玉が入っている小瓶と湿らせた布が入っている大瓶の二つがあった。

 「それはクスリよ。私の右足はね…もう歩く事すら怪しくなってきている腐りかけの足なのよ。」

 恐る恐る視線を背後に立つカルメンの足に向けフレミアはげっと声を漏らしてしまう。レイランも作り笑いすら出来ないくらいに顔が引きつっていただろう。

 「そういう反応が普通よね。足がね、こっちだけ二倍くらい腫れてしまってね。配膳の子も同じ病気になってしまってね。休業しなければならなくなりそうだと知ると料理人の人は辞めちゃてね…もしかしたら病気が移ると思って辞めたのかもしれないけれど。なんにせよ彼にも生活があるから引きとめるわけにもいかないしね。もう酒場としては無理かもしれないと思ってね、せめて同じ病気になってしまった従業員の配膳の子だけでも治してあげたいと思って店の物を全部売って街の教会で治してもらったのだけれども私の分のお金まではなくてね。」

 「教会じゃなくても薬師なら!!」

 「居ないのよ。この街はね、助産師以外は教会が全て管理しているのよ。薬草を使った考えの古い薬師よりも魔術ですぐに治る教会の方が薬の間違えもなくリスクが低いしその場で治るから速いしね。初めは治療費も安かったの。でも、今の司教が来てからは値段が倍以上にあがったの。古い薬師などは需要がなくなって生活が厳しいから他の村や町に移ってしまったわ。」

 「そんな…でも誰か…」

 「居ないのよ。だってそうでしょう?魔術によって簡単に治る方が高いお金を払ってでも受けたいと思わない?」

 ごめんなさいね。立っているのも辛いのとカルメンはベッドに座ると一錠クスリを飲む。

 「それは?」

 「これは、旅の方から頂いた薬よ。しょっぱいのだけれども身体にいいからって。」

 「そうなんですね。でもどうするの…このままじゃ。」

 「これでもこの街じゃ人気があったのよ?…こんな身体になってもまだ買いたいっていう人がいるくらい。だからまだ大丈夫よ。」

 「そんな!それじゃ、また身体を!?」

 「他に生きる方法がないからね…。こんな身体でも売れるうちは…。」

 (レイラン…あの玉、城で見た記憶があるのだけれども。一個貰っておいてくれない?)

 フレミアが小声でレイランに伝える。レイランはわかったと頷く。

 「それにしてもドンの所にいた頃が懐かしい。聞いてるわよ?貴女の噂。この大陸で最高の踊り子だって噂が広がっているわよ?」

 「解放されてから今日まであまり練習してないですから最高からは落ちているかもしれません。一週間サボれば二週間の遅れになる。踊り子は見られ続けるから美しくあり続けられる。だからステージには立ち続けなさい。カルメンさんの言葉ですよ?」

 「そんなこと言ったかしら?今の貴女を見ていると以前よりも断然綺麗になっている気がするのだけれども。踊ってないのに誰かに見られているのかしら?まさか男嫌いな貴女が恋でもしてるとか?」

 「ま、まさか!そんなわけないじゃないですか!ええ、ないですよ。」

 カルメンは珍しい物を見たといった表情をし相手の事をあれこれと聞こうとしてくる。

 そんな変わったわねといいたげな目をレイランはしないで欲しいと思うのだがユウキの事についても何を言っても無駄のような気がするので沈黙することにする。

 沈黙に耐えながら部屋を見渡していたレイランは枕の下に隠したかのようにはみ出ている紙を見つける。

 「ねえ、カルメンさんそれは?」

 「えっ?」

 カルメンはレイランの視線の先を見て枕の下に隠された紙を引っ張り出し隠そうとする。

 「あっ…」

 一枚の紙が手の間からスルリと落ちる。

 「隣国カルマン フェン王子主催 舞踊際 城下町にて開催 」

 「…見られちゃったか。」

 「このチラシ…まさかこれにその足で出ようとしてたの?」

 「私の両足での生活の最後の思い出にね。これに出る前にお金が貯まる見込みがないから。それにね、ダメもとだけれどもここ見て。」

 カルメンが指さす所に舞姫選考会と書かれた項目があり、そこには賞金金貨五枚と書かれていた。

 「踊るだけでも満足だけれど、優勝できれば足の治療もできるのよ。それだけでなくしばらくは遊んでくらせるわ。」

 「……。」

 踊った後は足がダメになって切断する事になる。いや、下手をすれば踊っている時に…今でさえこの状態なのに舞踏祭まであと一ヵ月もある。優勝してからの治療なんて間に合うはずがない。

 「もしよかったら!痛っ」 

 「もしよかったら?」

 もしよかったら?レイランはその先に何を言おうとしたのか気づく。背中の方で隠れているフレミアが無言で怒っているのがわかる。きっと爪楊枝でつついたのだろう。背中に痛みを感じながら、痛みを感じた表情をしながら抱いていたユウキの顔が浮かびあがる。

 ユウキに聞かないであんな思いをユウキにさせるのか?

 (レイラン、これは命令よ。この人に今アレの存在を教えてはダメ。彼女に使うなんていうのはもってのほかよ。)

 「けど…。」

 (信頼のおけるパーティーメンバー以外ではダメ。あの力がどれだけ規格外か本当にわかってる?そろそろ昼ね、一度食事を買いに行くとでも言って席を外しなさい。)

 「カルメンさん、少しお腹が空いてきたんじゃありませんか?昼食でも買ってきますよ。」

 レイランはカルメンに祭典のチラシを渡す。

 カルメンはそうね、わかったわと言うとお金をレイランに渡そうとするがレイランは昔の借りを少しだけ返させてくださいと言って受け取らずにフレミアを連れて部屋から出るのだった。
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