明るいパーティー(家族)計画!勇者になれなかった僕は…

にゃも

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レイの過去編 歪な心(中学生)

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  中学に入るとレイをイジメていた男達の何人かは学校が離れいなくなる。そして、新たな知り合いが増える頃には痩せてきていた腹筋の割れ始めたレイを見た目で馬鹿にする人間はいなくなっていた。

 それどころか少しづつだか、勉強の成績や体育の成績に努力の結果が見え始めるようになる。

 中学2年になると身長が急に伸び始めいつの間にか同じくらいだった身長のユウキと差がひらき、朝礼では前の方で並んでいるユウキとは逆の位置に常にいる存在となった。

 背が伸びると顔も引き締まり、鍛えていた体と相まって、学校内でカッコイイ奴がいると噂される立場になった。

  そしてレイにまさかの後輩たちから告白を受ける日々がやって来るのだった。

 クラスメイトからモテる事を羨ましがられるようになるレイだが、レイはそれら告白の全部を断っていた。

 全てはユウキとの約束の為にやった結果である。

   まだまだ自分を鍛えないとユウキを守れる存在にはなれない。他に気を散らしている場合ではないのだ。

   けれども養ってもらっている以上親のいう事は聞かなければならず、中学三年生になると親の知りありの勧めによりモデルや雑誌の仕事を受け始めるようになる。するとレイの人気は他校の生徒にまで及ぶようになり、レイに会いに来る女子中学生が校門に待ち構えるようになってくる。

  そうなると小学生の頃、イジメに加わっていた女子もあの頃がなかったかのようにカッコイイ彼氏というブランドが欲しいが為に告白をしてきた。

  どういう神経をしているんだとレイは怒りが蘇ってきた。

  「お前達が小学生の頃した事忘れねーし、何かの取材で言われたらその事言うつもりだから。昔言われた事、覚えてる?そのまま返してやるよ。オレ、ブサイク嫌いだから。」

  クラスの全員がいる昼休みに告白の返事をしてやった時はイジメの事を知らない女子からその女はざまー見ろと笑われていた。その後、数日学校に来なくなったのには気分が晴れたが、元々イジメをしてたのに告白してくるような図太い奴だ、普通に学校に来たと思ったら不良連中の中で彼氏をすぐに作ると男を使って復讐しようとしてきた。

  全て返り討ちにしたのは言うまでもない。

 そして、昔からその手の先輩達に何故か好かれるユウキがその事を知り、その不良達の先輩達を抑えてくれたのでそれ以降はおとなしくなった。

 夏休みに街で声をかけられ芸能界へのスカウト話があったが、ユウキが少し難しい高校に行く事を決めていた為、そのレベルにギリギリ足りていない自分では今のままでは来年から隣に立てないかもしれないと芸能界への話を断り勉学に集中する。稀に親の知り合いのどうしてもという依頼によりモデル仕事は受けたがそれも二月に一度くらいと制限した。

 ユウキがいち早く推薦での入学を決めるとユウキはもう一人の幼馴染の勉強をみるようになる。

 「俺は大丈夫だからナツミを見てあげなよ。ユウキ」

 「僕はどっちも心配なんだけどな……」

 「ははっ、大丈夫だよ。僕たちは対等な勇者!だろ?」

 「うわっ!出たよ、勘弁してくれよ小学校の時の事を持ち出すのは!」

 「あははっ。でも、俺達三人守りあうんだろ?なら今でもユウキはオレにとって勇者だよ!」

   「なになに?何の話を二人でしているの?私にも教えて!」  

  「ナツミには関係ない男同志の約束の話だよ。」

 「だっ、だよな!これはレイと僕の二人の秘密なんだよ。」

 「いいじゃん!幼馴染み枠って事で教えてよ!」

 毎日が充実していた。最高だった。あんなに嫌われていた俺が、ユウキのアドバイスで今では女子からモテるようになり、男連中からは注目される存在となり、親友のユウキ以外にも友達と呼べる連中も出来ていた。

(きっとユウキと並べるくらいには強くなったはずだ!勉強も追いついて高校に一緒に入れるようになれば……俺もようやくユウキにとっての勇者になれるのだろうか?)

  レイにとって中学三年間は人生の絶頂と呼べる時期になるのだった。

 そして、夏を勉強の日々に費やし成績をグンと伸ばしたレイは学力テストでユウキを越えるようになり始める。

  試験当日はユウキに見送られてナツミと二人で試験会場へ。お互いに手応えを感じていた。

 結果発表当日の日は授業があったにも関わらずユウキは学校を休み三人で合格発表をその目で確かめに行った。

 『来年もよろしく!』

 三人はハイタッチを交わし喜びあったう。無事三人とも同じ高校に入れる事となったのである。

 しかし、この時既に歯車は軋み始めていた事を三人は知らずにいた。
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