明るいパーティー(家族)計画!勇者になれなかった僕は…

にゃも

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異世界初の酒場3(奴隷契約)

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    ティナの購入が決まるとドンはユウキに声をかけて2階の一室に行くように促す。

 ユウキは途中階段を踏み外しそうになりながらも、案内役のメイド服の女性に助けられながら2階中央の部屋へとたどり着く。

 「かなり飲まれたご様子ですね。お水を用意してありますのでどうぞこちらにお掛けになってご自由にお飲みくださいませ。それでは主が来るまで少々お待ちくださいませ。」

 そういうとメイド服の女性はお辞儀をし扉からゆっくりと出ていく。

 一人になると飲みなれないモノを飲んだせいなのか、はたまた急に立ち上がってここまで歩いてきたせいなのか眩暈と頭痛が急激に押し寄せてくる。

 どれだけ飲めるかわからないユウキはドンのペースに流されて飲んでしまっていたのだ。

 (世界が揺れてる感じがする。)

 実際は何も揺れていないのだが、右に左にとフラフラとしてしまう。頭の中に何かが入り込んでいて走り回っているのではないだろうかとさえ思えてくる。

 しばらく下を向いていると今度は睡魔が襲ってくる。机にもたれていると瞼が自然と下がってくる。あやうく寝かけた所で数人がこちらに歩いてくる足音が聞こえてくる。

 そのうちの一人はドンであるらしく、

 「じゃあな、お前ら。いい飼い主に買われてよかったな。」

 という話声が聞こえてくる。

 「はい。仕込んで頂きありがとうございます。」

 「奥様のいない方みたいですからね。玉の輿を狙います。」

 二人の女性の声が聞こえると足音が遠ざかりガチャリという隣の部屋の鍵が開く音がする。
どうやらイベントが終了し踊り子たちが控えの部屋に戻ってきたようだ。

 「おお、来たかティナ。…あん?なんでレイランまで一緒なんだ?」

 「さっきティナと貴方が話をしている時にチラッと勇者の知り合いだけど旅に出るって聞こえたから話したい事があって。同席してもいいわよね?」

 「…いや、普通ダメだろう。」

 「でも待たせているのでしょう?話は一度にパッパとした方がいいと私は思うのよ。その人がダメって言ったら出ていくわ。ね、お願い。さ、ティナ。入りましょう。」

 「ちょっ!許可してねーだろ!今日が最後だからってお前!」

 ドンを無視して扉が開けられる。

 「お、おお、すまないな。待たせたみたいで。」

 レイランに遅れて慌てて部屋に入るドン。流石にお客様の前で怒鳴り散らすわけにもいかずユウキの反応を見ることにしたらしい。ここ2階の部屋はドンが交渉するのに使用する部屋である。壁の薄さや声の通り具合も当然把握している。先ほどのやり取りはどうせユウキにも聞こえているだろうと思ったからだ。

 「構わない…ですよ。早く済ませましょう。ちょっと気分が悪く…。」

 「大丈夫か?あの程度で酔ったのか、もう少し水いるか?」

 「いえ、水分はもう大丈夫…」

 水分を胃に入れる事を考えただけで色々と危なくなりそうなのだ。

 仕方がなく、ドンはレイランを隣に座らせる。ティナはそのままドンの後ろで待機する形となる。
 交渉する二人が座っている形となり、引き渡されるティナは奴隷である為、人として扱われずモノとして置かれているのだろう。そして契約が終わり次第ユウキのほうへ行かせられるように立たせているのだろう。

 レイランもティナも踊り子の衣装のままであり特にレイランはその格好で着席している為、前かがみになったりすると強調されたその豊かな胸が寄り、元々くっきりとした谷間がそこにあるにも関わらずさらに奥深くなり底が見えないような入り込んだら息もできなくなりそうな程の脱出困難な谷間を作り上げていた。
 本来ならば非常に目の毒といった状況なのだがこの時のユウキは眠気が酷く意識が飛びかけておりそれどころではなかった。話が終わってないのに寝るのは不味いという気持ちだけが今の状態をかろうじて維持していた。

 「貴方がティナを買った…勇者の幼馴染ってまだティナと同じくらいの少年じゃない。」

 「だから言ってるだろうが。変な趣味のある貴族のようなおっさんとか俺のようなマッチョな奴じゃないぞって。」

 「そうは言っても私達踊り子の話に出てくるような勇者って屈強で誰にも負けない鋼の身体を持っている話がほとんどだから。」

 「すいません。必要な手続きとかあれば申し訳ないのですが早めに…していただけると助かるのですが。」

 ユウキ(お客様)の言葉を聞いてドンは一枚の紙をテーブルに広げペンをそっとその横に置く。

 「悪いなグダグダになっちまって。内容に目を通してくれ。」

 「…わかった。」

 瞼の閉じそうな目で難解な読めない文字を読まされる。文字に指をあて確認しているかのようにずらしながら進めていく。

 (こんなに眠いのは初めてだ…。買う事は確認し終えているのだからサインして金を渡して早く帰ってベッドで寝たい。)

 目の前を見るとユウキよりも真剣な表情で文を読みながら固まっているレイランがいる。

 けれども何も言ってこない事を見ると変な文章などやティナに対する待遇についてのおかしな点はないのだろうか?

 「これでいい。」

 そういいサインをする。ドンは素早くレイランの前から用紙を回収する。

 「ティナ、今からお前はこのユウキの奴隷だいいな?」

 「…アンタ…あ、いやもうご主人様か本当にアタシなんかでいいのかよ。」

 「よろしくね。ティナ…さん…よろしくね。」

 初めてティナの声を聞いたがこれはまんまツンキャラ…zzz。

 「…わかった。それじゃ、宜しくお願いします。ご主人様。」

 (…あれ?いつの間にか真後ろからティナさんの声がする…いつの間に?ってダメだ。頭をもうあげられない。明日、目を覚ましてからちゃんと彼女と話をしよう。本当に限界…)

 「この契約って!」

 「いい。ありがとレイランさん。」

 何やらティナさんがレイランさんと話をしているようだが、声が段々と遠く聞こえて内容が入ってこない…zzz

 「…お願いよ!」

 バンッ!!

 ビクリっとユウキは目を開けると机の上にもう一枚紙がある。

    (あれ?まだ書いてなかっけ?)

 最後に何か確認される言葉がレイランより聞こえてきたのでこう答えた。

 「わかった。大丈夫です。問題ない!名前書きました!終わったらティナさん、目の前の宿屋まで申し訳ないですが俺を運んでくらさい!お願いします!あ~支払いすんでないや。(食事の)必要なお金はここから取ってくらさい。」

 「え!?その契約書…あ、わかった。いや、かしこまり……ましたか?っておい!ご主人様!」

 (ああテーブルが冷たいて気持ちいい…zzzz)



****************************

 アタシは目の前で酔いつぶれてしまった少年…新しいご主人様であるユウキを不思議そうに見ていた。

 (変わった人だ。アタシみたいな傷の多くて肌も荒れてるのなんか性奴隷兼パーティーの仲間として欲しがるなんて。)

 盗賊団が壊滅し奴隷商に流れた時は盗賊という身の上であった事もあり、何をされる側になってもしかたがないと覚悟を決めていた。国の騎士団に捕まれば絞首刑や牢に一生繋がれる事だってあるのだから、命があるだけでも儲けものである。

 酒場で踊り子をやりながら娼婦となる事が決まった時は運がいいと思った。当時敵対していた盗賊やあの憎い獣人たちに捕れば女は凌辱され、飽きられれば即座に売られるか処分されていただろう。そのことを考えれば天国である。

 踊り子としての初舞台が終わった時は、ああして拍手を貰ったりすることが私でもできるのだと思うと楽しいと感じ実はやりがいを感じていた。人に恨まれる事ばかりやっていた身の上としては、自分が何かをした事で喜んでもらえた事が単純に嬉しかったのだ。こういう人達が相手なら見世物となるのも悪くないかもしれないし、身体を預けるのもいいかもなと開き直りつつあった。

 それが突然、別の買手が決まったと踊り場から降りてすぐに言われた時は、拍手をされたのは自分以外の踊り子だけで自分は踊りが出来ておらず踊り子として使えないからいらない人間として即座にやっかい払いとして売られるのだろうと勘違いした。望んで踊り子として踊ったわけではなかったが少し気分が良かっただけに心が締め付けられる思いがした。しかし、真実を聞くと別の意味で心が締め付けられる思いをした。

 あんな美女揃いの中で自分を欲しがる変わった奴がいるのだと聞き正直驚いた。

 とうの昔に娼婦として色々な男と経験をしていくのだろうと思っていたので詳細を聞いた後に感じたのは単純な興味と好奇心だった。

 (綺麗な皆ではなく、私なんかを一夜ではなく買い取った人とははどんな人なのだろうか?)

 ここに来てまだ一ヵ月。周りの話では一年から三年は新しい主人や買手は普通つかない(ドンが元を取る為、高値に育つまで売らない。)と聞いていた。

 (まさか一夜の娼婦も経験せず、アタシの人生を買うような男が出てくるなんて…。)

 ドンの話だと感じのいい歳の近い少年だという。ますます興味が沸いた。

 そうして会った少年は予想以上にいい人そうだし、男に言うのは悪いかもしれないが少し可愛いかなとも思った。歳が近いので安心もできた。すでに出来上がっていて酒に弱いのは元盗賊としては情けないとは思ったのだが、この人になら契約書の通りに一生をパーティーのメンバーとして身を捧げ時には盾となり犠牲になる事も、性奴隷として旅の最中の処理役をさせられても構わないと思った。奉仕する事に関しては盗賊の時から男たちのすることを見ていたし、仲間の女達も自ら望んでしていたのもいたのでやり方は知識としては知っていた。身体ももう出来る歳にはなっているだろうから突然求められても問題ないはずだ。

 それにしても少年は見た目よりもそういう行為が好きなのだろう。

 普通、旅や冒険者のパーティー内ではそういう事をしない暗黙の了解がある。一人を贔屓すると嫉妬や妬みが入りパーティーの連携が悪くなったり仲間内で揉めてパーティー自体が崩壊するような事があるからだ。

 それなのに今の踊り子兼性奴隷の内容をそのまま引き継ぎ盛り込まれた契約書には、旅の最中パーティーが増えてもいつでも性欲処理を本人が希望すればそれが優先され行われる事が含まれていた。きっと踊り子でも性奴隷としてと言う項目と冒険者パーティーでも性奴隷としてと言う形で書き換えられたのだろうが、
これでいいと言って眠そうながらも笑顔でサインしていた少年だ。買った初日にそういう気も起こさずに目の前で寝てしまっていた事にやはり少し変な奴だと思った。それに、どんだけ平和なとこから来れば仲間のいない酒場でこれだけ油断して寝ていられるのだろうか。聞けば金銭感覚もゼロのようである。

 他の酒場であれば普通はぼったくられたり、寝ている間に身ぐるみを剥がされているだろう。

 少年は運が良かっただけである。ここを紹介してくれた宿屋の店主とはここの国に来る前からのギルド仲間であり、お互い協力して紹介し合い客を増やしている協力関係のある相手である。信頼関係が商売の一番大事な肝である。ましてギルドという大きな組織に所属している以上、下手な事は出来ないし目をつけられる事をする気もドンにはない。ドンはここで酒場のマスターと奴隷商以外にも仕事をしているらしい。その仕事になんかしらの影響があるのだろう。

 (せっかく買ってくれたご主人様だ、アタシがこれからしっかり面倒をみてやらないとな。)

 けれどティナは思う。アタシを選んでくれた人だったからこそ、契約書通りにこの後なることを少し望んでいた。興味がまったくなかったわけではなかったし。なのに、今の状況には奴隷の立場上文句は言えないのだが少し腹も立っていた。

 目の前にいる歌姫よりも豊満はボディーを持つ二人よりもアタシを取ってくれたはずのご主人様が酔っていたとはいえ、レイランさんの契約書にサインをした。

  アタシはこの後どうすればいいか困惑していた。

 正面ではドンとレイランさんがご主人様が寝たのをきっかけにいい争いを始めていた。

 止らない言い争いをアタシは取りあえず収めることにする。ご主人様がどうであれ決めた事だ。既に奴隷の身であり命令を受けている以上実行するだけである。

 ご主人様の財布から命じられた通りに全ての支払いを…すごっ!多いなこれ。これ盗んだら一生幸せに暮らせそう…。そんな考えが沸いたが即座に頭から捨て去る。

 「…たしかに受け取った。ティナ、レイランの事はユウキに任せるわ。覚えてなくてその内容に不満があるなら俺が無効にするからと言っておいてくれ。」

 ドンはそういうとさっさと荷物を持って行きなと言うと部屋を出ていく。アタシはレイランさんと一緒にご主人様を泊まっている宿屋の部屋へと二人で連れて行くのだった。

 そして宿屋につき、人数が増える事への事情を話した時の宿屋の店主の顔は生涯忘れる事ができないだろう。

 「確かに契約書にはコイツの名前が書いてあるな…ドンの字だしな。明日の朝、お客様が起きたら値段の3倍頂くからな!遠慮なく。と伝えておいてくれ。それにしても一人ならずまさか俺達の歌姫を…そのうち馬車にでも引かれてしまえ!」 

 そう言うと、あとは勝手にしろと部屋へ行くことを許可される。明日は朝から少し騒がしくなりそうだ。

 部屋につくと三人でベッドに横になる。

 (少し腹いせにご主人様を縛っておこう。夜中に起きても手を出せないように。)

 明日どんな罰でも受けるので今日だけは身勝手な行為を許してもらおう。アタシの乙女心をもて遊んだ代償に…。

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