8 / 39
第八話 ドラキュラとトマト祭り①
しおりを挟む
アルバイト (1日目)
「こ……ここが異世界か。まさかアルバイトで異世界行くなんて思っても見なかったよ」
「おーい! おめえさートマト祭りの収穫の準備してけろ!」
「あ、僕ですか?」
「この街で若いもんいうとおめえしかいねえだろ! さっさとトマトを収穫してけれ」
「あ……はい。(いきなり飛ばされて目の前の知らない人にトマト収穫をお願いされた)」
(それにしてもたくさんトマトができているな)
「今年は異例で700万個くらいトマトが作れたけん! 祭りが大いに盛り上がるたい!」
(……たしかに目の前一面がトマト畑だ。どれだけとっても回収できるまで時間がかかりそうだな。それに目の前のおじいさんはかなり訛りがつよい。どんだけ田舎の町なんだ。次の転生者がちょっとかわいそう……。とりあえず、収穫カゴにトマトを入れてっと……)
俺は右手に持っている収穫バサミで1づつ丁寧に回収を始めた。
「おら! もっとちゃっちゃと回収せい!」
「はいー!」
「潰れたトマトや虫に食われたトマトは別で集めておくんだぞー!」
「わかりました!」
二時間後
「おーい! そろそろ休憩にするべー」
「はぁはぁ……やっと休憩だ」
〇 〇 〇
「ことしは本当に最高にトマトの実りがいいっぺ、ドラキュラ伯爵様も喜びになられるっぺ!」
「そうですね。おじいさん。こんなに広いトマト畑は初めてです。あの……付かぬことをお聞きしますが、トマト祭りってどんな事をするんですか?」
「!!! おめえさはトマト祭りいつも出てるだろう! おらの孫なんだからトマト祭りはトマトの収穫が終わった三日後、トマトの神『トマガミ』様に今年もたくさんのトマトありがとう! 来年もおねげえします! っていう祭りの事ばい! 祭りは二日間とおして行われるだぁ。トマトを使った伝統的な食事、それや歌や踊りでどんちゃん騒ぎ! この街は大いに賑わうから楽しいで!」
「トマト作りが盛んなこの街だからこそできるお祭りですね」
「そう、お前も今年のできを確かめてみぃ」
「あ、はい」
食えということか?
俺は収穫した色つやがいいトマトを一つ手に取り一口。
もぐもぐ… …
「お、おいしい! このトマトまるで果物を食べてるみたいに甘い! しかも全然酸っぱさを感じない! みずみずしくて最高です!」
「そうじゃろう! そうじゃろう! この町の特産物のトマトは美味いんじゃ!」
「ですね!」
「おめえも、この町の長の息子だからな。将来はてめえが頑張って管理するんじょ!」
「はい! おじいさん!」
(この世界で俺は町長の息子っで目の前にいるおじいさんは俺の祖父らしいな。という事はトマト祭りが終わるまで間にドラキュラ伯爵が僕を誘拐する原因を解決しないと!)
「さあ! 食べ終わったらトマトの収穫を続けるべー。この広大なトマト畑は町のみんなで種隠しても一週間はかかるけん!」
「はい! おじいさん」
(……予想はしていたけどトマト収穫は膨大な時間がかかるんだな……)
「トマトとってはカゴに入れ……トマトとってはカゴに入れ……トマトとってはカゴに入れ……」
〇 〇 〇
アルバイト(八日目)
「明日はトマト祭りだ! みんな準備するぞー!」
「うおおおおおおおおおおおおお!」
(はあ……まさかトマトの収穫だけで七日を過ごしてしまった……本当に収穫してカゴに入れて、そのあと倉庫に入れての繰り返しだった……頭が狂いそうだ……町のみんなはよくトマト嫌いにならないなあ……)
ビービー
『将大! 聞いてる? ダリアよ』
「そ、その声は……ダリアさん? まるで頭に直接声が届くようだ」
『そうよ。そろそろ締めの時間よ。ドラキュラに殺される前に早くなんとかしなさい。今年は豊作で取れすぎて思った以上のトマトが畑に投げられたの。そこで何かが起こってしまい、ドラキュラ伯爵が怒ってしまって町長の息子をこっそり攫っていくの……そしてその後恐ろしい事が……』
「トマト投げって俺の世界でもどこかの国でやっていたなぁ。というか何かってなんですか?」
『私もよく町長の息子やドラキュラ伯爵の様子みていたんだけど。よくわからなくて……』
「なるほど、つまり僕はその謎を解き明かして。ドラキュラ伯爵に誘拐される運命から回避する必要があるんですね」
『そう、ドラキュラ伯爵の怒りを収めることができればアルバイト終了よ。自動的にこちらの世界に戻ってこれるわ』
「ちなみに、そこで死んだら俺はどうなるんですか?」
『あんたさっき言ったじゃない!』
「そんな昔のこと……忘れちゃいますよ……」
『あ……そうね、あなたの時間では八日経過しているから忘れてしまっても仕方ないわね。これは天界のアルバイトなんだから、もし失敗してもここに戻ってくるだけよ。時給もちゃんと一時間一万エリカ発生しているわ。天界の時間では6時間半くらいね。もう少しで定時よ』
「な、長かった」
『ちなみに何度も言うけれど、死んだ時の痛みは覚えてるから、死なないようにするのが最善ではあるわね』
(ミミさん……これじゃ日給実質1万エリカだよ。なんて言うアルバイトをとってきたんだ……)
『じゃ頑張るのよ!』
ブッツン
「ほら! 祭りの準備だ! おめえさはよ準備せい!」
「あ、はい」
(倉庫からせっかくの思いで収穫したトマトを取り出しては料理人の人たちへ配り、倉庫からトマトを取り出しては料理人の人たちへ配り……これだけのトマトみてたら悪いけどなんか吐きそう……ドラキュラ伯爵はトマト好きと言ってるけどんだけ好きなのだろうか。ドラキュラだから泣いて喜ぶのだろうか?)
「こ……ここが異世界か。まさかアルバイトで異世界行くなんて思っても見なかったよ」
「おーい! おめえさートマト祭りの収穫の準備してけろ!」
「あ、僕ですか?」
「この街で若いもんいうとおめえしかいねえだろ! さっさとトマトを収穫してけれ」
「あ……はい。(いきなり飛ばされて目の前の知らない人にトマト収穫をお願いされた)」
(それにしてもたくさんトマトができているな)
「今年は異例で700万個くらいトマトが作れたけん! 祭りが大いに盛り上がるたい!」
(……たしかに目の前一面がトマト畑だ。どれだけとっても回収できるまで時間がかかりそうだな。それに目の前のおじいさんはかなり訛りがつよい。どんだけ田舎の町なんだ。次の転生者がちょっとかわいそう……。とりあえず、収穫カゴにトマトを入れてっと……)
俺は右手に持っている収穫バサミで1づつ丁寧に回収を始めた。
「おら! もっとちゃっちゃと回収せい!」
「はいー!」
「潰れたトマトや虫に食われたトマトは別で集めておくんだぞー!」
「わかりました!」
二時間後
「おーい! そろそろ休憩にするべー」
「はぁはぁ……やっと休憩だ」
〇 〇 〇
「ことしは本当に最高にトマトの実りがいいっぺ、ドラキュラ伯爵様も喜びになられるっぺ!」
「そうですね。おじいさん。こんなに広いトマト畑は初めてです。あの……付かぬことをお聞きしますが、トマト祭りってどんな事をするんですか?」
「!!! おめえさはトマト祭りいつも出てるだろう! おらの孫なんだからトマト祭りはトマトの収穫が終わった三日後、トマトの神『トマガミ』様に今年もたくさんのトマトありがとう! 来年もおねげえします! っていう祭りの事ばい! 祭りは二日間とおして行われるだぁ。トマトを使った伝統的な食事、それや歌や踊りでどんちゃん騒ぎ! この街は大いに賑わうから楽しいで!」
「トマト作りが盛んなこの街だからこそできるお祭りですね」
「そう、お前も今年のできを確かめてみぃ」
「あ、はい」
食えということか?
俺は収穫した色つやがいいトマトを一つ手に取り一口。
もぐもぐ… …
「お、おいしい! このトマトまるで果物を食べてるみたいに甘い! しかも全然酸っぱさを感じない! みずみずしくて最高です!」
「そうじゃろう! そうじゃろう! この町の特産物のトマトは美味いんじゃ!」
「ですね!」
「おめえも、この町の長の息子だからな。将来はてめえが頑張って管理するんじょ!」
「はい! おじいさん!」
(この世界で俺は町長の息子っで目の前にいるおじいさんは俺の祖父らしいな。という事はトマト祭りが終わるまで間にドラキュラ伯爵が僕を誘拐する原因を解決しないと!)
「さあ! 食べ終わったらトマトの収穫を続けるべー。この広大なトマト畑は町のみんなで種隠しても一週間はかかるけん!」
「はい! おじいさん」
(……予想はしていたけどトマト収穫は膨大な時間がかかるんだな……)
「トマトとってはカゴに入れ……トマトとってはカゴに入れ……トマトとってはカゴに入れ……」
〇 〇 〇
アルバイト(八日目)
「明日はトマト祭りだ! みんな準備するぞー!」
「うおおおおおおおおおおおおお!」
(はあ……まさかトマトの収穫だけで七日を過ごしてしまった……本当に収穫してカゴに入れて、そのあと倉庫に入れての繰り返しだった……頭が狂いそうだ……町のみんなはよくトマト嫌いにならないなあ……)
ビービー
『将大! 聞いてる? ダリアよ』
「そ、その声は……ダリアさん? まるで頭に直接声が届くようだ」
『そうよ。そろそろ締めの時間よ。ドラキュラに殺される前に早くなんとかしなさい。今年は豊作で取れすぎて思った以上のトマトが畑に投げられたの。そこで何かが起こってしまい、ドラキュラ伯爵が怒ってしまって町長の息子をこっそり攫っていくの……そしてその後恐ろしい事が……』
「トマト投げって俺の世界でもどこかの国でやっていたなぁ。というか何かってなんですか?」
『私もよく町長の息子やドラキュラ伯爵の様子みていたんだけど。よくわからなくて……』
「なるほど、つまり僕はその謎を解き明かして。ドラキュラ伯爵に誘拐される運命から回避する必要があるんですね」
『そう、ドラキュラ伯爵の怒りを収めることができればアルバイト終了よ。自動的にこちらの世界に戻ってこれるわ』
「ちなみに、そこで死んだら俺はどうなるんですか?」
『あんたさっき言ったじゃない!』
「そんな昔のこと……忘れちゃいますよ……」
『あ……そうね、あなたの時間では八日経過しているから忘れてしまっても仕方ないわね。これは天界のアルバイトなんだから、もし失敗してもここに戻ってくるだけよ。時給もちゃんと一時間一万エリカ発生しているわ。天界の時間では6時間半くらいね。もう少しで定時よ』
「な、長かった」
『ちなみに何度も言うけれど、死んだ時の痛みは覚えてるから、死なないようにするのが最善ではあるわね』
(ミミさん……これじゃ日給実質1万エリカだよ。なんて言うアルバイトをとってきたんだ……)
『じゃ頑張るのよ!』
ブッツン
「ほら! 祭りの準備だ! おめえさはよ準備せい!」
「あ、はい」
(倉庫からせっかくの思いで収穫したトマトを取り出しては料理人の人たちへ配り、倉庫からトマトを取り出しては料理人の人たちへ配り……これだけのトマトみてたら悪いけどなんか吐きそう……ドラキュラ伯爵はトマト好きと言ってるけどんだけ好きなのだろうか。ドラキュラだから泣いて喜ぶのだろうか?)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる