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第三章 巧みな人
【11】
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すみれ、すみれったら。誰かに呼びかけられている。
「もう、すみれ、聞いてるの」
「え、ああ。ごめん、ごめん、美咲」
「文嘉大の子から聞いたんだけど、部長になった木之下さん、純平くんのこと狙ってるって噂だよ」
(木之下さん……誰だっけ)
すみれは上の空だった。
「なにボーっとしてんのよ。純平くんとなんかあった?」
「え?」
脳裏に昨日の事がフラッシュバックした。
「ううん、なんにも。それより、急がないとね」
午前中は美咲と二人で春休みの部室当番の日だった。勧誘のチラシ作りは、まだ半分も出来ていない。
「ホントになんか変だよ、すみれ。何聞いても上の空だし」
「平気、平気。ちょっと疲れてるだけだから」
すみれの頬がいつもより桃色に染まっているのに、美咲は気付いていない。
「えー、そんなに激しかったの。昨日、デートだったんでしょ」
「そんなんじゃないってば」
(んんぁ……)
美咲の下ネタをかわしながら、すみれは下半身のジンという感覚に悩まされていた。
前夜、解放されたのは夜九時を回っていた。
純平との電話の後も一回貫かれ、大量のザーメンを注ぎ込まれた。ふらふらになった身体は一人ではシャワーを浴びることも出来ず、不本意ながら長門の手で清められたのだった。
「すみれ、もう一度だけ、手錠かけさせてもらうぞ」
もう抵抗する気力もなかった。
裸のまま後ろ手に固定されると、ベッドに投げ出された。
長門が段ボールから今度は黒いものを取り出す。
「アクアパッツァみたいに、気に入ってくれるといいんだがな」
すみれの下半身に黒いベルトをセットすると、膣内にローターを埋め込んだ。レザー製のそれは、Tバックのような形状をしている。長門は2か所に付けられた南京錠の鍵をかけた。
「貞操帯って知ってるか、すみれ」
(テイソウタイ?)
「浮気防止のために着けて置くんだ。自分では外せないから、これを履いてると、純平と浮気は出来ないぞ」
長門はすみれを抱き起し、ベッド横の姿見の前に立たせた。
裸のままより、ひどくいやらしく見える。
「あぁ、いやぁぁ」
惨めな自分の姿から目をそらすと、秘肉の中のローターが疼き出した。長門がリモコンのスイッチを入れたのだ。
「あッ、あッ、はあぁぁぁぁ……と、止めて。お願いします、止めてください」
鎮まりかけていた性感をまた刺激され、すみれはしゃがみ込んだ。
長門は満足げに見下ろすと、ローターをオフにする。
「明日バイトに来たら外してやるよ」
「そんな……」
「さぁ、今日は家まで車で送ろうか。あんまり遅くなると、西巻先生が心配するからな。それからこれ、飲むんだ」
黄色い錠剤とミネラルウォーターを渡された。
不安げなすみれに、長門は笑いながら声をかける。
「安心しろ。変な薬じゃない。アフターピルだ。妊娠したくないだろ、まだ」
ハンドルを握る長門は饒舌だった。自分がどれほどすみれのことを思ってきたか、延々喋り続ける。練習中に骨折した時も中庭で見ていたのだという。
「あの時はホントに心配したんだぞ」
ゾッとする思いで聞いていたすみれが、意を決したように口を開いた。
「あの……純平のこと、お父さんから聞いたんですか」
「え? ああ」
盗聴のことはまだ黙っておくか。長門は素知らぬ顔で答えた。
「なんでお父さんが純平のこと、知ってたんですか」
「さあ、それは俺も知らんよ。西巻先生がうちの店でこぼしてたのを聞いただけだから。『彼氏が出来てから帰りが遅くなった』って」
「ホントですか」
「ホントだよ」
(じゃぁ、お父さんはどこから……)
いくら考えても答えは出てこなかった。
「もうそろそろじゃなかったか」
いつの間にか自宅のそばまで来ていた。
「あ、ここでいいです」
ワンブロック前で車を降りようとすると、強引に引き寄せられる。
(ンン、ンン……)
一分ほどで満足したように長門が唇を離すと、すみれは無言でドアを閉めた。車内から「明日、待ってるぞ」という声がした。
帰宅すると、すみれは文彦への返事もそこそこに、階段を上がって自室のベッドに倒れこんだ。
(きょうのことは現実なの……)
何度も首を振る。夢だったんだ、そう思いたかった。
寝返りを打つと肉壁にローターを感じた。
「あッ」
その感触が嫌でも現実を思い知らされる。
Tシャツとジーンズを脱いで、恐る恐る全身を鏡に映してみた。鍵は前と後ろに1つずつ付いている。両手に力を込めても、ビクともしない。
格闘するのを諦めて、今度はベルトをハサミで切ろうとしたが、刃は全く入らなかった。身体を動かしていると、股間に埋め込まれたローターが不気味に存在感をアピールしてくる。
(も、もうイヤッ なんでこんなの……)
下半身の違和感にさいなまされ、どんよりした気分でスマホを取り出すと、メッセージが二件届いていた。
「きょうは大丈夫だった?早く元気になって」
最初は純平からのものだった。
(私、もう、純平に合わす顔ないよ。こんな汚されちゃって……)
もう一件は長門からだった。
よだれを垂らして気を失っている裸の写真が表示されている。
「明日来なかったら、この写真アップするぞ」とメッセージが付いていた。
「ううぅぅ……」
すみれはベッドにスマホを投げつけ、突っ伏した。
「すみれ、すみれってば」
「え? ああ、何?」
「もー、今日はホントにどうかしてるよ。絶対なんかあったんでしょ」
「何にもないってば。あ、そろそろバイトの時間だから、私行くね」
美咲が真剣な表情ですみれの目を見つめる。
「話したくないなら無理には聞かない。でも話したくなったら、いつでも言って」
「……うん、分かった。でも……ホントに何でもないから」
立ち上がると、またローターの存在を感じた。一人だったら声が漏れてしまったに違いない。すみれは唇をかみしめて堪えた。
「美咲、ありがとね。美咲もなんかあったら、私に話してよ。いつでも聞くから」
「分かった」
「じゃあね」
心配そうに手を振る親友を残し、重い足取りでクミンに向かった。
「もう、すみれ、聞いてるの」
「え、ああ。ごめん、ごめん、美咲」
「文嘉大の子から聞いたんだけど、部長になった木之下さん、純平くんのこと狙ってるって噂だよ」
(木之下さん……誰だっけ)
すみれは上の空だった。
「なにボーっとしてんのよ。純平くんとなんかあった?」
「え?」
脳裏に昨日の事がフラッシュバックした。
「ううん、なんにも。それより、急がないとね」
午前中は美咲と二人で春休みの部室当番の日だった。勧誘のチラシ作りは、まだ半分も出来ていない。
「ホントになんか変だよ、すみれ。何聞いても上の空だし」
「平気、平気。ちょっと疲れてるだけだから」
すみれの頬がいつもより桃色に染まっているのに、美咲は気付いていない。
「えー、そんなに激しかったの。昨日、デートだったんでしょ」
「そんなんじゃないってば」
(んんぁ……)
美咲の下ネタをかわしながら、すみれは下半身のジンという感覚に悩まされていた。
前夜、解放されたのは夜九時を回っていた。
純平との電話の後も一回貫かれ、大量のザーメンを注ぎ込まれた。ふらふらになった身体は一人ではシャワーを浴びることも出来ず、不本意ながら長門の手で清められたのだった。
「すみれ、もう一度だけ、手錠かけさせてもらうぞ」
もう抵抗する気力もなかった。
裸のまま後ろ手に固定されると、ベッドに投げ出された。
長門が段ボールから今度は黒いものを取り出す。
「アクアパッツァみたいに、気に入ってくれるといいんだがな」
すみれの下半身に黒いベルトをセットすると、膣内にローターを埋め込んだ。レザー製のそれは、Tバックのような形状をしている。長門は2か所に付けられた南京錠の鍵をかけた。
「貞操帯って知ってるか、すみれ」
(テイソウタイ?)
「浮気防止のために着けて置くんだ。自分では外せないから、これを履いてると、純平と浮気は出来ないぞ」
長門はすみれを抱き起し、ベッド横の姿見の前に立たせた。
裸のままより、ひどくいやらしく見える。
「あぁ、いやぁぁ」
惨めな自分の姿から目をそらすと、秘肉の中のローターが疼き出した。長門がリモコンのスイッチを入れたのだ。
「あッ、あッ、はあぁぁぁぁ……と、止めて。お願いします、止めてください」
鎮まりかけていた性感をまた刺激され、すみれはしゃがみ込んだ。
長門は満足げに見下ろすと、ローターをオフにする。
「明日バイトに来たら外してやるよ」
「そんな……」
「さぁ、今日は家まで車で送ろうか。あんまり遅くなると、西巻先生が心配するからな。それからこれ、飲むんだ」
黄色い錠剤とミネラルウォーターを渡された。
不安げなすみれに、長門は笑いながら声をかける。
「安心しろ。変な薬じゃない。アフターピルだ。妊娠したくないだろ、まだ」
ハンドルを握る長門は饒舌だった。自分がどれほどすみれのことを思ってきたか、延々喋り続ける。練習中に骨折した時も中庭で見ていたのだという。
「あの時はホントに心配したんだぞ」
ゾッとする思いで聞いていたすみれが、意を決したように口を開いた。
「あの……純平のこと、お父さんから聞いたんですか」
「え? ああ」
盗聴のことはまだ黙っておくか。長門は素知らぬ顔で答えた。
「なんでお父さんが純平のこと、知ってたんですか」
「さあ、それは俺も知らんよ。西巻先生がうちの店でこぼしてたのを聞いただけだから。『彼氏が出来てから帰りが遅くなった』って」
「ホントですか」
「ホントだよ」
(じゃぁ、お父さんはどこから……)
いくら考えても答えは出てこなかった。
「もうそろそろじゃなかったか」
いつの間にか自宅のそばまで来ていた。
「あ、ここでいいです」
ワンブロック前で車を降りようとすると、強引に引き寄せられる。
(ンン、ンン……)
一分ほどで満足したように長門が唇を離すと、すみれは無言でドアを閉めた。車内から「明日、待ってるぞ」という声がした。
帰宅すると、すみれは文彦への返事もそこそこに、階段を上がって自室のベッドに倒れこんだ。
(きょうのことは現実なの……)
何度も首を振る。夢だったんだ、そう思いたかった。
寝返りを打つと肉壁にローターを感じた。
「あッ」
その感触が嫌でも現実を思い知らされる。
Tシャツとジーンズを脱いで、恐る恐る全身を鏡に映してみた。鍵は前と後ろに1つずつ付いている。両手に力を込めても、ビクともしない。
格闘するのを諦めて、今度はベルトをハサミで切ろうとしたが、刃は全く入らなかった。身体を動かしていると、股間に埋め込まれたローターが不気味に存在感をアピールしてくる。
(も、もうイヤッ なんでこんなの……)
下半身の違和感にさいなまされ、どんよりした気分でスマホを取り出すと、メッセージが二件届いていた。
「きょうは大丈夫だった?早く元気になって」
最初は純平からのものだった。
(私、もう、純平に合わす顔ないよ。こんな汚されちゃって……)
もう一件は長門からだった。
よだれを垂らして気を失っている裸の写真が表示されている。
「明日来なかったら、この写真アップするぞ」とメッセージが付いていた。
「ううぅぅ……」
すみれはベッドにスマホを投げつけ、突っ伏した。
「すみれ、すみれってば」
「え? ああ、何?」
「もー、今日はホントにどうかしてるよ。絶対なんかあったんでしょ」
「何にもないってば。あ、そろそろバイトの時間だから、私行くね」
美咲が真剣な表情ですみれの目を見つめる。
「話したくないなら無理には聞かない。でも話したくなったら、いつでも言って」
「……うん、分かった。でも……ホントに何でもないから」
立ち上がると、またローターの存在を感じた。一人だったら声が漏れてしまったに違いない。すみれは唇をかみしめて堪えた。
「美咲、ありがとね。美咲もなんかあったら、私に話してよ。いつでも聞くから」
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