最恐変態ヤンデレ竜王様は番の生贄ひよこ王子が可愛くって仕方ないので世界を滅ぼす約束をした

ひよこ麺

文字の大きさ
27 / 46

23:ナイトドレスの良さがいまいちわからないピヨちゃん※

しおりを挟む
「僕の愛する奧さん。大好きだから僕の秘密の……」

「それは話が終わってからでお願いします。転生者じゃないと本が読めないということですが、ナイアさんの番の方以外をどう探せばよいのですか??見つけないと読めない本とか意味がないので……」

そう話すと、ご機嫌だったヨグ様がちょっと不機嫌になったのが分かった。けれどここで引いたら意味がない。

「それについては予言で、ある場所に行けば会えるらしいけど……」

「ならそこに行けば……」

「いやだ」

何故か急につむじを曲げてしまった。ちょっと膨れているヨグ様をジトりと見つめながらどうしたものかと考える。

(普通に考えれば、契約不履行の話をすべきだが……)

「ヨグ様、転生者に聞けばあの本が読める。結果、僕の復讐が完遂して、ヨグ様の望む巣籠生活もできるようになるのに、何が不満です??」

『巣籠』の部分に明らかにちょっとビクっと反応したヨグ様が躊躇しているような顔をしているが、割と揺さぶられている気がする。もう一押しだろう。

「それとも僕との契約を解除した……」

「そんな訳ないでしょう。ずっとこの世界の始まりから出会うのを楽しみにしていた最愛の番。その番を手放したいなんて絶対にないし、何よりピヨちゃんは本当に魅力的なんだよ。無自覚だと思うけどみんなピヨちゃんを見るだけで欲情するレベルのフェロモン出てるからね。だから心配でしかたないんだ。特にその転生者について僕は詳細はしらないけど、絶対ピヨちゃんにメロメロになるはずだ。それが嫌なんだ、僕の奧さんが……」

「僕が浮気するような汚らわしい人間に見えますか??後、大切なことですが僕は性的な興奮はいまのところ貴方以外に感じません、悔しい話ですが」

「えっ、ピヨちゃんが欲情するのが僕だけ??えっ、本当に??」

コクリと頷くと、その瞬間再びヨグ様の胸の中に僕は抱き込まれた。力が強くて割と苦しい。

「あの……」

「嬉しい。ピヨちゃんが僕を旦那さんだと思ってくれてて嬉しい。分かった、ピヨちゃんにそいつの居場所教えてあげる。でもその前に……」

ヨグ様が熱の籠った目で僕を見つめている。

「まぁ、お預けしてましたし良いですよ。ただ……キッチンは嫌です。ちゃんとベッドルームにいきますよ??」

「なんで、此処でも僕は全然かまわないけど……」

「おじい様とナイアさんの前で僕を犯した場合、2度と貴方を夫として扱わないです」

「速攻ベッドルームに行こう、愛し合おう」

そのまま、ものすごく複雑そうな顔をするおじい様と、笑いをかみ殺しているような顔のナイアさんを置き去りに、お姫様抱っこされた僕はベッドルームに連れていかれた。

「はぁはぁ、ピヨちゃん、ううん。愛するルキオに触れられなくて辛かった。今日はちょっと手加減できないかもしれない」

いつもの部屋に入るなり、そう息を荒くしたヨグ様に服をとりあえず脱がされた。恐ろしく早い仕草に少しびっくりした。

なお、自身で服を脱いだヨグ様の体に亀甲縛りの縄が見える気がするが、それは敢えてずっとスルー予定でいる。

「別に、死なない範囲なら構いませんよ」

「本当に、今日のピヨちゃんは男前!!なんてハンサムなピヨちゃんなの!?」

さっき名前で呼んだはずなのにまたあだ名に戻り少し不服な気持ちだがその部分は置いといて、ヨグ様を見つめた。その吸い込まれそうな瞳も美しい顔も、逞しい体躯も全てが僕のものでもある。

(これで残念な精神が宿っていなければ完璧だけれど、一応僕を助けてくれているし、大切にしてもくれているので帰ってきたら少し望みを叶えてあげるつもりでいたから、まぁ多少は目をつむる)

「僕は元から割とカッコイイ方です」

「可愛いしカッコいいとか、やっぱり僕の奧さんは世界一だよ。よし、じゃあ、遠慮せずひとつ僕の要望としてこれを着てほしいんだけど……」

そう言って、果たして着る意味があるのかという限りなく全裸に近いナイトドレスを見せられた。

「別に着るのは構いませんが、着る意味あります??」

「あるよ。このナイトドレスはね、僕のこだわりで出来ているんだ。まずね。この表のデザイン。この薔薇の花のレースのところに丁度、可愛い乳首が来るんだ。それにより本物の薔薇のように色づくし、あとね、この後ろ、Tバックになっているんだけどここに真珠があしらわれていて、よい感じに擦れるはずなんだ。それで悶える姿を見たいんだよね」

そう恍惚の表情でいやらしいナイトドレスの自身のこだわりについて語り始める変態に、首を振る。

「そういう意味ではなくて、僕は今、小さい状態です。それでこれ着て欲情しますか??」

「するよ。むしろダボダボからティラノたんへ変化してぴったりになるまでが、僕の興奮ポイントなので安心して着てほしい」

発言はド変態だが、びっくりするほど汚れない眼で言い切るヨグ様。

(まっ、いっか)

「分かりました。とりあえず着替えます」
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます

クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。 『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。 何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。 BLでヤンデレものです。 第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします! 週一 更新予定  ときどきプラスで更新します!

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

処理中です...