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第六章:集う運命
123.月の王子と側近と不幸令嬢02
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様子を見ることが出来なくなった。確実に何かが起きている。けれど、そこに安易に行くことができないため3人は黙って画面を見つめていた。
「……どうにかしなければ。クレメント殿下にコンタクトをとれないか……」
ルーファスは焦ったように、目を瞑り集中していた。ヨミも同じように何とかコンタクトをとれないか試しているようだ。
レミリアは、画面を見つめながらいまだに断末魔のような叫びが聞こえている映像を食い入るように見つめながら、悲痛な面持ちになる。
(自分のために沢山の人が傷ついている。何か出来ることはないの??)
全ては、自身の体を取り戻すために起きていることだ。それを考えると何かできないかとレミリアは考えていた。けれど、ルーファスやヨミのような魔法は使えない。
そう考えた時、突然それは聞こえた。
『レミリア……』
それは女性の声だった。思わず周囲を見るが、そこには誰もいないので気のせいだと思いかけたが……。
『レミリア、貴方に力を貸します』
そう今度ははっきりとした声が聞こえた。声だけだが確かにレミリアにははっきりと聞こえた。
(貴方は誰??)
心の中で呼びかけると、その声は答える。
『レミリア、可愛い娘。私はルイーズ、貴方の母親です』
(……お母様……)
幼い日に亡くなったその人の記憶をレミリアはあまり覚えていない。ただ、れんごくの国のおとぎ話を聞かせてくれたのは彼女だった。
『ごめんなさい、貴方を救うことが出来ず、何も気づかぬままに殺されてしまった。私が生きていて貴方を守れればこんなことにはならなかったのに……』
レミリアは、母から告げられた『殺されてしまった』という言葉に震えた。それはレミリアには狂った父が母を殺したような言葉に思えたからだ。しかし、それを察したらしい母は首を横に振る。
『レミントンはそんなことしないわ。あの人は本当に私を大切にしてくれたの。だからあの女は、私が許せなかった。貴方の義母になったメリッサが私を毒殺したのよ』
(そんな……あの女が)
怒りに体が震えた。今は自身のために戦う従兄弟のために一刻も早く、何かすべきなのに、そうわかっていても母を殺された事実を知り取り乱しかける自分を必死にレミリアは律した。
(その件は後で片づけなければ。お母様、私はとても無力です。私のために尽くしてくれる人を救いたいのです)
『ええ、分かっています。『太陽の娘』にはひとつ特別な力があります。それを貴方に授けましょう』
「……どうにかしなければ。クレメント殿下にコンタクトをとれないか……」
ルーファスは焦ったように、目を瞑り集中していた。ヨミも同じように何とかコンタクトをとれないか試しているようだ。
レミリアは、画面を見つめながらいまだに断末魔のような叫びが聞こえている映像を食い入るように見つめながら、悲痛な面持ちになる。
(自分のために沢山の人が傷ついている。何か出来ることはないの??)
全ては、自身の体を取り戻すために起きていることだ。それを考えると何かできないかとレミリアは考えていた。けれど、ルーファスやヨミのような魔法は使えない。
そう考えた時、突然それは聞こえた。
『レミリア……』
それは女性の声だった。思わず周囲を見るが、そこには誰もいないので気のせいだと思いかけたが……。
『レミリア、貴方に力を貸します』
そう今度ははっきりとした声が聞こえた。声だけだが確かにレミリアにははっきりと聞こえた。
(貴方は誰??)
心の中で呼びかけると、その声は答える。
『レミリア、可愛い娘。私はルイーズ、貴方の母親です』
(……お母様……)
幼い日に亡くなったその人の記憶をレミリアはあまり覚えていない。ただ、れんごくの国のおとぎ話を聞かせてくれたのは彼女だった。
『ごめんなさい、貴方を救うことが出来ず、何も気づかぬままに殺されてしまった。私が生きていて貴方を守れればこんなことにはならなかったのに……』
レミリアは、母から告げられた『殺されてしまった』という言葉に震えた。それはレミリアには狂った父が母を殺したような言葉に思えたからだ。しかし、それを察したらしい母は首を横に振る。
『レミントンはそんなことしないわ。あの人は本当に私を大切にしてくれたの。だからあの女は、私が許せなかった。貴方の義母になったメリッサが私を毒殺したのよ』
(そんな……あの女が)
怒りに体が震えた。今は自身のために戦う従兄弟のために一刻も早く、何かすべきなのに、そうわかっていても母を殺された事実を知り取り乱しかける自分を必死にレミリアは律した。
(その件は後で片づけなければ。お母様、私はとても無力です。私のために尽くしてくれる人を救いたいのです)
『ええ、分かっています。『太陽の娘』にはひとつ特別な力があります。それを貴方に授けましょう』
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