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05:ルーン不足で壊れる獅子王(レオンハルト視点)
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※レオンハルト殿下がルーンに近付けずヤンデレストーカー化しました。割と気持ち悪いところがあるので、隠し撮り、衣服の匂いを嗅ぐ、ダッチなんとかさんをなんかするなど無理ですという方はご注意ください。
「どうしてこんなことになった……」
手の中にある書類を眺めながら、俺は絶望していた。それはヴァレッド王国からの正式な抗議文であり『ルーン王子との接近を禁じる』という内容が含まれたものだった。
(もっと素直に、ルーンに想いを告げていたらせめて友人にはなれただろうか??)
あの日、アーサーという最愛の恋人がいることと、その恋人から受け取ったらしい指輪を左手の薬指、俺が先に『番の証』を施した指に着けていたことが悔しくて、嫉妬から会う度に悪態をついていたことが良くなかった。
そんな単純なことは普段なら忘れない、相手は一国の王子だ。
例え周囲から変態王子などと言われていても悪口を言っていい訳ないのだ。
照れ隠しにしてもひどすぎる。自分のあまりにも残念だった態度に絶望してずっと尻尾がダラリと垂れてとてもではないが上がる気配もない。
「申し訳ございません、しかし殿下をあの男は……」
「どうしてお前が抗議した??もしすべきと思ったとしても一度、俺に内容を確認すべきだった」
冷たい視線をアルベルトに向ける。何も変わらない、分かってはいたが、まさか最側近が大切な初恋を潰すなんて考えてもみなかった。
しかし、それでもせめてもうひと目だけでも顔がみたい、愛おしい人に会いたい。
接近禁止により愛おしいルーンの姿を遠目にも見ることもできず、日に日に俺は病んでいった。
「ルーン、俺のルーン……」
ルーン本人に会えないので、王国の影にこっそり隠し撮りさせた写真を特別に用意した隠し部屋中に貼りまくり眺めては、ひとりその名を呼び続けたり、ルーンの匂いを嗅ぎたくて良くないと分かっていながらも影にこっそりルーンが捨てた服を集めさせてその匂いを嗅ぎながら隠し撮り写真を眺めてはルーンに触れたつもりになってなんとか心を抑え込んだ。
それでも、情欲はおさまらず、最近はルーンそっくりのダッチワ〇フを国の匠に作らせてその人形にルーンのにおいのついた古着を着せては添い寝したり、本来の用途に使ったりなどしてなんとか色々抑え込んでいた。
しかし、それでもルーンのあの美しい顔が、柔らかな微笑みが忘れられず、俺に罵られて困ったようにハの字にしていた眉も顔ももう全部が全部忘れられず、涙となんかと賢者タイムを繰り返して、俺は完全にダークサイドに落ちかけていた。
「殿下、あのような変態のことはお忘れください、そうしてもっと身近に目を向けて……」
アルベルトが焦燥して奇行に走る俺にそんなことを言ったが、身近になんて何もない。
あるのはストーカールームと、ルーンを模したダッチワ〇フと、拾い集めた古着を根城にしている哀れで気持ち悪いネコ科の獣人の王族がいるだけだ。
我ながら、気色悪いとはわかっているがルーン不足でそうでもしないと自我を保てない段階にきていた。
「……俺はルーン以外どうでもいい、ルーンこそが俺の世界の全てなんだ」
むしろルーン以外なんてみんなじゃがいもだ。せいぜいメークインか男爵かキタアカリかの違いしかない。割と違いはあったが、それでもジャガイモでしかない。
「何故、幼い日に1度あっただけのヤツが良いのですか??俺はずっと殿下が!!」
虚無でやつれた俺に、アルベルトが何故か覆いかぶさろうとした時、その恰好のままアルベルトが静止した。意味が分からず目を見開いた俺だったが、俺の体も動かない。
まるで時が止まったように……。
あまりの状況に驚いていると、そこにルーンがやってきた。
(なぜ、ルーンが??)
疑問に思うが時が止まり声も出せない俺の顔を、ルーンの綺麗な顔が真正面から見ていた。
「セニョールレオン、ふふふ。とても素敵だ」
その目はあの日ひとめぼれした美しいサファイアそのものだった。そして、俺はあることを考えていた。
(こういうエロ本を読んだことがあるな)
時間を止めて、自分だけ動ける世界で意中の相手にエッチな悪戯をしたり犯したりするという本だ。もしかしてこれは、リアルにそういう事態になっているのかもしれない。
(だとしたらすごくおいしい。おいしいが……)
どうせなら止める側が良かった。俺が時間を止めて可愛い可愛いずっとずっと焦がれて来たルーンの愛らしい部分に満足いくまで肉棒を突き立てて沢山沢山腰を打ち付けて犯して……。
そこまで考えて不吉な予感がしていた。そういうエッチなことがある場合に時を止めたなら、止められた方が犯されるのがセオリーだ。
(待て、このままだと俺は可愛い可愛いルーンに犯される??)
正直自分が犯すイメージしかしていなかったのでそのことを考えて、体が震えそうになる(時間が止まっているのでもちろん微動だにできない)。
(いやいや、待て待て。ある程度結ばれて、ルーンが俺を「抱きたい」とか言って「1回だけだぞ」みたいな甘い流れならワンチャン許すかもしれないが、嫌だ、はじめてが俺が下は嫌だ!!)
愛おしいルーンが俺に顔を近づけてきた。嬉しいはずなのに俺は犯されるかもしれない恐怖でいっぱいになっていた。
「どうしてこんなことになった……」
手の中にある書類を眺めながら、俺は絶望していた。それはヴァレッド王国からの正式な抗議文であり『ルーン王子との接近を禁じる』という内容が含まれたものだった。
(もっと素直に、ルーンに想いを告げていたらせめて友人にはなれただろうか??)
あの日、アーサーという最愛の恋人がいることと、その恋人から受け取ったらしい指輪を左手の薬指、俺が先に『番の証』を施した指に着けていたことが悔しくて、嫉妬から会う度に悪態をついていたことが良くなかった。
そんな単純なことは普段なら忘れない、相手は一国の王子だ。
例え周囲から変態王子などと言われていても悪口を言っていい訳ないのだ。
照れ隠しにしてもひどすぎる。自分のあまりにも残念だった態度に絶望してずっと尻尾がダラリと垂れてとてもではないが上がる気配もない。
「申し訳ございません、しかし殿下をあの男は……」
「どうしてお前が抗議した??もしすべきと思ったとしても一度、俺に内容を確認すべきだった」
冷たい視線をアルベルトに向ける。何も変わらない、分かってはいたが、まさか最側近が大切な初恋を潰すなんて考えてもみなかった。
しかし、それでもせめてもうひと目だけでも顔がみたい、愛おしい人に会いたい。
接近禁止により愛おしいルーンの姿を遠目にも見ることもできず、日に日に俺は病んでいった。
「ルーン、俺のルーン……」
ルーン本人に会えないので、王国の影にこっそり隠し撮りさせた写真を特別に用意した隠し部屋中に貼りまくり眺めては、ひとりその名を呼び続けたり、ルーンの匂いを嗅ぎたくて良くないと分かっていながらも影にこっそりルーンが捨てた服を集めさせてその匂いを嗅ぎながら隠し撮り写真を眺めてはルーンに触れたつもりになってなんとか心を抑え込んだ。
それでも、情欲はおさまらず、最近はルーンそっくりのダッチワ〇フを国の匠に作らせてその人形にルーンのにおいのついた古着を着せては添い寝したり、本来の用途に使ったりなどしてなんとか色々抑え込んでいた。
しかし、それでもルーンのあの美しい顔が、柔らかな微笑みが忘れられず、俺に罵られて困ったようにハの字にしていた眉も顔ももう全部が全部忘れられず、涙となんかと賢者タイムを繰り返して、俺は完全にダークサイドに落ちかけていた。
「殿下、あのような変態のことはお忘れください、そうしてもっと身近に目を向けて……」
アルベルトが焦燥して奇行に走る俺にそんなことを言ったが、身近になんて何もない。
あるのはストーカールームと、ルーンを模したダッチワ〇フと、拾い集めた古着を根城にしている哀れで気持ち悪いネコ科の獣人の王族がいるだけだ。
我ながら、気色悪いとはわかっているがルーン不足でそうでもしないと自我を保てない段階にきていた。
「……俺はルーン以外どうでもいい、ルーンこそが俺の世界の全てなんだ」
むしろルーン以外なんてみんなじゃがいもだ。せいぜいメークインか男爵かキタアカリかの違いしかない。割と違いはあったが、それでもジャガイモでしかない。
「何故、幼い日に1度あっただけのヤツが良いのですか??俺はずっと殿下が!!」
虚無でやつれた俺に、アルベルトが何故か覆いかぶさろうとした時、その恰好のままアルベルトが静止した。意味が分からず目を見開いた俺だったが、俺の体も動かない。
まるで時が止まったように……。
あまりの状況に驚いていると、そこにルーンがやってきた。
(なぜ、ルーンが??)
疑問に思うが時が止まり声も出せない俺の顔を、ルーンの綺麗な顔が真正面から見ていた。
「セニョールレオン、ふふふ。とても素敵だ」
その目はあの日ひとめぼれした美しいサファイアそのものだった。そして、俺はあることを考えていた。
(こういうエロ本を読んだことがあるな)
時間を止めて、自分だけ動ける世界で意中の相手にエッチな悪戯をしたり犯したりするという本だ。もしかしてこれは、リアルにそういう事態になっているのかもしれない。
(だとしたらすごくおいしい。おいしいが……)
どうせなら止める側が良かった。俺が時間を止めて可愛い可愛いずっとずっと焦がれて来たルーンの愛らしい部分に満足いくまで肉棒を突き立てて沢山沢山腰を打ち付けて犯して……。
そこまで考えて不吉な予感がしていた。そういうエッチなことがある場合に時を止めたなら、止められた方が犯されるのがセオリーだ。
(待て、このままだと俺は可愛い可愛いルーンに犯される??)
正直自分が犯すイメージしかしていなかったのでそのことを考えて、体が震えそうになる(時間が止まっているのでもちろん微動だにできない)。
(いやいや、待て待て。ある程度結ばれて、ルーンが俺を「抱きたい」とか言って「1回だけだぞ」みたいな甘い流れならワンチャン許すかもしれないが、嫌だ、はじめてが俺が下は嫌だ!!)
愛おしいルーンが俺に顔を近づけてきた。嬉しいはずなのに俺は犯されるかもしれない恐怖でいっぱいになっていた。
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