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02:地獄への切符(ルカ視点)
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「ルカ・ウィリアム・アクアマリン伯爵令息。君は私の婚約者であるミリアに手を出した。これは違反行為だ。よって君に慰謝料を請求する」
ルビー侯爵家の息子でミリアの婚約者から僕は訴えられてしまった。ただ、信じてほしい。僕とミリアにやましいところはなかった。
確かに婚約者のいる女性と仲良くしたのはよくなかったかもしれないが不貞の事実はない。だから、慰謝料といっても大した金額ではないはずだと渡された紙を見て愕然とした。
それは実家の伯爵家の十年分の収益に相当した。そんな金額おかしい。
「責任は取らないといけないと考えていますが、僕は爵位も継がないような男でその金額を払えるかどうか……」
なんとか減額してほしかった。けれど、ルビー侯爵家令息は嫌な笑みを浮かべる。それはまるで悪意を持って人を地獄に叩き落とすようなそんな表情で背筋が震えた。
「心配するな。その賠償ができるように働く場所は確保した。お前はこれから辺境伯領で兵役についてもらう」
その言葉は、僕にとって死を意味した。辺境伯領は隣国との諍いでずっと戦争が続いている場所だ。それだけじゃない、現在の辺境伯であるギルベルト・レグルス・ターコイズは僕の学生時代の先輩だが、正直彼から自分は何故か嫌われていた。
しかも執拗に追いかけられて、いつもその鋭い瞳で睨まれていた。直接手は下されたことはないが、剣術が苦手な僕が酷い目にあったのも首謀者は彼だといわれている。
「辺境伯領、あそこは隣国との境界線で、今も戦争が続いている場所じゃないですか。そんなところに僕が行けば死んでしまう」
本音を口にした。なるべくみじめったらしくして慈悲を乞おう。それくらいしか今の僕にできることはない。しかし、無情な答えを突きつけられる。
「死んでもかまわないという風に君の家からも言質はとったし、兵士として死ねば国家補償の支払いがされる。最悪それで支払いは賄える」
やはり、家は厄介者の僕を救ってはくれないようだ。そして、自身の行いは自身で尻ぬぐいさせるために僕は……けれど、そう覚悟してもあまりの悲しさに慟哭した。
「いやだ、死にたくないです」
しかし、冷酷な声が告げた。
「もう全て手遅れだ。君をほら、迎えにきているよギルベルト・ターコイズ辺境伯が」
そこには僕を憎んでいる男が、いつもの冷たい瞳で見つめていた。
おしまいだ……きっと僕は辺境伯領で惨たらしい死を迎えるだろう。それは予想的観測ではなく完全なる運命のように思えた。
ルビー侯爵家の息子でミリアの婚約者から僕は訴えられてしまった。ただ、信じてほしい。僕とミリアにやましいところはなかった。
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それは実家の伯爵家の十年分の収益に相当した。そんな金額おかしい。
「責任は取らないといけないと考えていますが、僕は爵位も継がないような男でその金額を払えるかどうか……」
なんとか減額してほしかった。けれど、ルビー侯爵家令息は嫌な笑みを浮かべる。それはまるで悪意を持って人を地獄に叩き落とすようなそんな表情で背筋が震えた。
「心配するな。その賠償ができるように働く場所は確保した。お前はこれから辺境伯領で兵役についてもらう」
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「いやだ、死にたくないです」
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