【本編完結】魔王と周りに恐れられる辺境伯ですが他人の婚約者に手を出したと噂の伯爵令息にずっと片思いしています

ひよこ麺

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05.ようこそ我が家へ

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色々問題はあったが、なんとか辺境伯領へたどり着いた時、ルカは白い顔をより白くしていた。あまりの可哀そうな様子に、思わず手を差し伸べる。

「……具体が悪いのか?」

「あ、いえ、大丈夫です」

そう健気に答えるルカの姿に涙が流れそうになる。ルカは家であまり良い待遇を、受けてこなかったこともあり自分を隠そうとする。これはルカをこっそり監視していたから知っていることだ。

「大丈夫じゃない。ここは戦場だ」

城には結界が張ってあるので攻め入られたりはしないはずだが、辺境伯領は隣国との紛争の激戦地でもあるので具合の悪いルカが変に気を遣い、病気を隠してしまうと何かあった時に物資が間に合わないなどという最悪の事態を招く可能性がある。

そんなことでルカを失ったら、その遺体に防腐処理をして永遠にその死体と暮らすくらいには自身がぶち壊れてしまう可能性があるので、なんとしてもルカに迫る危険は全て排除したい。

しかし、何故かその言葉にルカは急に無理に笑顔を作った。

「本当に大丈夫です。だから、捨てないでください、足手まといにはなりませんから頑張りますからどうか」

ルカの頬を美しい真珠のような涙が零れる。その詩的な情景にうっとりしかけたが、これはいけない。ルカがこのままだと病気や怪我を隠そうとするようになってしまう。だから、

「捨てない。兵士は全て大切だ。だが、だからこそ不調を隠すような真似はするな、次に隠したら……」

「すいません、馬車で酔いました。少し休みたいです」

びっくりするほどあっさりと不調を話してくれたルカ。よかった。これでもしも何かあった時もルカは不調をはなしてくれるはずだ。

「分かった。こっちへ来い」

「イエッサー!!」

トコトコとついてくるルカが可愛い。可愛すぎてそのまま理性を保たないとベッドに押し倒しかねない。しかし、それはだめだ、それだけはだめだ。抱くならちゃんとルカからの同意を得て……。

「あ、あのへんきょ……いえギル様」

「どうかしたか?」

目を見開いているルカの顔を見て首を傾げる。そんな俺にまたセルフバイブレーションしながらルカが言った。

「部屋をお間違えではないですか?」

間違えるはずがない。このベッドルームは俺とルカの愛の巣、もといふたりの寝室になる部屋だ。

「間違いないが?」

「いえ、あの、ここってこのお城の主寝室ですよね?つまり……」

「そう、俺の寝室だ」

その言葉にルカが何故かいきなり土下座、というか五体投地に近い体勢になる。

「すいません、僕は酔っただけで、こんなその上官のお部屋で休むわけにはいきません」

「何を言っている。ここは俺の寝室で、今日からお前もここで生活をする」

多分いきなり連れてきたら怯えているのだろうと、事実を伝えた、が……。

「ルカ?ルカどうし……気絶している?」

可哀そうに。やはりずっと具合が悪いのを隠していたのだろう。そう思った俺はルカのか細い体を抱きしめてベッドに寝かせてあげた。

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