【本編完結】魔王と周りに恐れられる辺境伯ですが他人の婚約者に手を出したと噂の伯爵令息にずっと片思いしています

ひよこ麺

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30.中二病罹患者と思っていたのにいきなりのみさく〇語に面食らう(ルカ視点)

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「ベルっちは凄いよね、僕と違ってちゃんと偉い人の側近しているし、同じ伯爵家の三男でも全然違うや」

「……ルカっちだって、辺境伯に重用されているんじゃないの??」

「まさか……僕はクソ雑魚だからそれはないよ」

ベルっちとはあの後、意気投合した。最初はちょっと気難しい患っているタイプ、具体的には「俺の左目が疼く」とか「くそっ、静まれ俺の腕よっ」とか言うタイプの子かなとも思ったけど、ちゃんと話の出来る良い子だった。

「ルカっちは例えクソ雑魚でも問題ないのでは??だって、辺境伯は君にメロメロだし、それに……」

「それに??」

少し頬を赤らめているベルっち。

(どうしたんだろう、具合でも悪いのかな)

そう思って顔を覗き込んだら、なぜか両手で顔を覆ってしまう。前言撤回、やっぱりあれか、これは「俺の左目とか右目が疼く」系のタイプだったかもしれない。

「どうしたの、大丈夫??右目と左目どっちが痛い??」

「……なんで目限定なの??別に痛くないし」

そう顔を隠したままベルっちが答えた。だとしたら新種の患いかもしれない。そうなるといくらサブカルチャーとかに詳しいルカ君でも全く分からない。

「ごめん、全く助けになれないかもしれないけど、具合悪いならどうにかしないと……」

「ルカっちは、どうしてそんなに優しいの??」

片方の手の指の隙間から、目だけだしたベルっちが少し赤くなりながら言った。

「いや、普通に困っている人が居たら助けるよ、あっ、何もできないかもだけど……」

「こんないい子のルカっちを辱めるつもりなんて、やっぱりあのクソ上司なんかに従うのやめよ」

今すごく聞き捨てならない言葉が聞こえた気がした。だから、ベルっちにしっかりはっきり聞き返す。

「僕を辱めるって、シオン大公様がいったの??」

「正確には、あのキモイ人は、辺境伯が好きなんだ。好きというかストーカーというか……」

初耳です。個人の好みにとやかく言う気はないけど、すごく綺麗な大天使みたいなシオン大公様が、大魔王様へんきょうはくさまが好みなのか。ある意味天使と魔王って鉄板ネタだからいいのでは、見た目だけならお似合いなのではなどと考える。

「でも、シオン大公様が、大魔王様へんきょうはくさまを好きで、それでなんで僕が辱められるの??」

「それは、ルカっち、君のこと辺境伯は好きだろう??だから君を堕天、もとい快楽堕ちさせて、ルカっちの価値を下げて「所詮こんな淫売は君には向いてない」って言ってがっかりさせて自分と結ばれるようにしたいらしい」

「なんで、ぼくが淫売にされないといけないの!?思考が斜め上どころかもう消える魔球レベルで原理が分からないのだけど、それに快楽堕ちって、あ……もしやこれは綺麗な女の人にワンチャン骨抜きにされるフラグも……」

だとしたら淫売万歳!!むしろこちらから淫売になろうキャンペーンくらいはします。そしてそれで死んでもかまわない。なんなら腹上死も可だ。しかし、ベルっちの言葉に凍り付く。

「まさか。この城に集めてる複数人の男に嬲られる予定だったんだ。それでルカっちの処女を奪って、その後ひたすら男の肉棒でルカっちを汚して、調教し尽くして、なんなら奥の奧まで犯し尽くして「ルカのチ○ポもケツマン〇も男の人専用になっぢゃうよおぉっ★ けんきょうはくさぁまぁあ★ 助けてえぇえっ★ 男の人じゃなきゃイゲなくなるうぅうっ★★★」とか言わせてアへ顔ダブルピースを……」

「待って!!絶対に嫌だし、アへ顔ダブルピースとか、ベルっちが明らかにみさく〇語を知っているの含めて、割とショックだよ!!」

いきなりとんでもない爆弾を投げ込まれた気持ちになる。いきなりみさく〇語でてくるとかびっくりだよ。そんな僕をベルっちがなぜか決意に満ちた眼差しで見つめ返す。

「ルカっちのこと守る。だからここから出してあげる」
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