【本編完結】魔王と周りに恐れられる辺境伯ですが他人の婚約者に手を出したと噂の伯爵令息にずっと片思いしています

ひよこ麺

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29.ルカを救出するために……

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俺はルカを取り戻すために、国境にある指定された城を訪れる。見た目はとても可愛らしい白い壁に青い三角の屋根の城だが、この城の中がろくでもないことを知っている。

この城は大公家の持ち物だが、あの一族は代々とち狂った性癖を持っている。簡単にいうとSM趣味があるのだ。あの見た目だけ天使のような顔で目を付けたものを監禁して調教する悪趣味な連中。この世界のために抹消するのが良いとずっと思っている。

ちなみに、今は亡き先代の大公は俺の父親と物凄く敵対していた。何度もその大公を血祭にあげている父親を見ながら育った俺にとって、あの大公一族はルカ絡みでなくってもいつか滅ぼすつもりだった。

そして、元大公と現大公であるシオンはそっくりだ。見た目は天使、中身は破滅的に壊れている。ルカのように見た目も中身も美しいなら問題なかったし、少しくらい仲良くしてもよかったが、性根が腐っている人間は好かない。

そんな天敵の男に意中のルカエルが、監禁されているという事実は俺の中で恐ろしい。万が一にも美しいルカエルにその汚れた獣欲を向けることがあれば……絶対に許すまじ。具体的には生きていたことを後悔するタイプの拷問でもしよう。生きている方が死ぬより辛いことったくさんあるからな。

一応、約束さえ守れば、俺は心優しいので今回は引くつもりではいるが、それ以外の場合はを使う。

イライラしながらも感情をなるべく殺して、城に迎え入れられた。しかし、俺を見ただけで城の連中がヒッと叫んでいるようだったがそれは気にせず、約束の場所までくると、そこには執事らしい男が立っていた。

「お待ちしておりました。こちらへ」

正直、敵陣なのでいつ何がおきてもおかしくはない。何かあればでまずボコボコにしてから拷問にかける予定だが……。そう、拷問は確定事項だ。ちなみに俺としては凌遅刑は確実だが……あ、意味が分からなくても検索はしてはいけない。これはギルベルト様との約束だ。絶対するな。振りじゃなく気分を限りなく害するからな。検索してはいけないタイプの言葉だぞ。

良い子への注意喚起も終わった頃、シオン大公がやってくる。恐ろしく嬉しそうに笑うその顔、殴り飛ばしたい。

「ようこそ、私の城へ、辺境伯殿いや、ギルベルト君は実に良いね」

「……それより、約束だ、ルカを返せ」

よくレイモンドが、地獄の獄卒も穴掘って土下座するレベルと称する表情で睨む。しかし、シオン大公はなんだろう気持ち悪い笑顔になる。例えるなら恍惚としていて、この場に似つかわしくない表情を浮かべていた。

「ああ、その前に、私から君にお願いがあるんだよ」
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