1 / 5
01.前世を思い出した僕はエルフの叔父どのに変なお面を被せられる寸前だった。
しおりを挟む
「これは可愛いルナークたんを守るためだ」
そう言ったのは、プラチナブロンドの絹のような美しい髪に深い海のような碧い瞳をした、それはもう眼球が潰れてしまうのではないかというほどの、この世のものでは絶対ないタイプの気配のする美しい男だった。
しかし、その言葉とは裏腹にその手にはバチクソグロいウサギのお面を持っていて意味がわからない。
彼が僕の叔父でありエルフの王レグルスであるということが脳内に浮かび理解はできたけどバチクソリアルなウサギ顔のお面を無理やり被せようとしている理由はまだ分からない。
(なんであんなにうさぎ面グロいの?叔父どのの趣味なの??絶対斧とかで人殺すタイプのうさぎ面だよ、うん、被ったら某ゲームの爆音鼻歌系キラーになるな……ん??)
そのシュールな場面のせいか突然僕の脳内に前世の日本での記憶が蘇る。
そして、気づいてしまった。ここが、僕が前世、愛読していた追放系ざまぁ小説『勇者パーティーを追放された僕こそが本当の勇者でした』こと『追放勇者』の世界であり、僕がその主人公、小人族とエルフ族のハーフのルナークであることと、今が過保護で最強にして最恐の叔父の『可愛いルナークたんの顔を人間風情に見せたくない』とかいう意味わからん理由で奇抜で呪われてるウサギのお面を被せられる場面だという事実を、完全に正気度チェックが必要な場面だということも。
(そもそも、このお面のせいでこれからがハードモードになるんだよな……)
実際、このお面のせいで僕が予言された勇者と同じ髪色と目の色をしているということがわからなくなり、結果的に本来は勇者ではない人間の国の王子が勇者ということになったあげく、その勇者が驕ったせいで、その仲間たちによって割と長い間面倒くさいいじめを受けることになってしまうのだ。
「いやだ!!こんなお面被ったらきっといじめられてしまうよ!!」
小人系の血のせいで小学生程度の背丈しかない僕がスラリとした長身の叔父に抗うように暴れたところで意味はないけどとりあえず野々村元県議くらい意味わからない奇声をあげて暴れ回ってみた。
「この仮面をォンフンフンッハ、コノ、コノヨァアアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!! アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン! コノニホォァゥァゥ……ア゛ー! コノヨノナカヲ… ウッ…ガエダイ!」
最後に足をぶらぶらさせて玉座を蹴ってバンバンした。
「ははは、可愛いルナークたん、泣かないで。安心して。このお面には監視用魔法が掛かっているからもしルナークたんをいじめる不届きなヤツがいたら全て私がエルフの王の名にかけてないないしてあげるよ」
野々村元県議くらい奇声をあげても、暗黒微笑を浮かべる美エルフには効かない。
勇者相手にレベル上げ要因のクソ雑魚モンスターが泣き叫ぶ以外できない状況っぽくって泣きたい。いや、もう泣いてるけど。
「ッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!!嘘だ!!叔父どのは僕を助けてくれない!!」
こんなに過保護なのに、何故かウサギのお面が原因でひどい目に遇うルナークをこの叔父が助けた描写はない。いや、確かに追放後、崖から突き落とされた時は高速で救われたがそれまでの辛い部分でなぜか手を差し伸べられていないのだ。
(正直ここまで僕を溺愛していることを考えるとすごい不自然ではあるけど……)
「ルナークたん……私はルナークたんに嘘なんかつかない。よし、そこまで心配なら叔父どのが可愛いルナークたんについて行って……」
「何をおっしゃるのですか陛下、陛下には執務がございます」
国を放り出す発言に焦ったように黙って横に構えていた宰相が口を出した。
プラチナブロンドの髪にグレーみがかった鋭い青の瞳をした長身のやはり美しいエルフの男。
その顔を見た瞬間、脳内にある言葉が蘇る。
『高貴なエルフの血を汚した薄汚い小人の血を引いた穢らわしいハーフエルフ風情が!!』
(あ、この人のせいで叔父どのは僕がいじめられている情報を知ることが遅れたんだったな……)
そう言ったのは、プラチナブロンドの絹のような美しい髪に深い海のような碧い瞳をした、それはもう眼球が潰れてしまうのではないかというほどの、この世のものでは絶対ないタイプの気配のする美しい男だった。
しかし、その言葉とは裏腹にその手にはバチクソグロいウサギのお面を持っていて意味がわからない。
彼が僕の叔父でありエルフの王レグルスであるということが脳内に浮かび理解はできたけどバチクソリアルなウサギ顔のお面を無理やり被せようとしている理由はまだ分からない。
(なんであんなにうさぎ面グロいの?叔父どのの趣味なの??絶対斧とかで人殺すタイプのうさぎ面だよ、うん、被ったら某ゲームの爆音鼻歌系キラーになるな……ん??)
そのシュールな場面のせいか突然僕の脳内に前世の日本での記憶が蘇る。
そして、気づいてしまった。ここが、僕が前世、愛読していた追放系ざまぁ小説『勇者パーティーを追放された僕こそが本当の勇者でした』こと『追放勇者』の世界であり、僕がその主人公、小人族とエルフ族のハーフのルナークであることと、今が過保護で最強にして最恐の叔父の『可愛いルナークたんの顔を人間風情に見せたくない』とかいう意味わからん理由で奇抜で呪われてるウサギのお面を被せられる場面だという事実を、完全に正気度チェックが必要な場面だということも。
(そもそも、このお面のせいでこれからがハードモードになるんだよな……)
実際、このお面のせいで僕が予言された勇者と同じ髪色と目の色をしているということがわからなくなり、結果的に本来は勇者ではない人間の国の王子が勇者ということになったあげく、その勇者が驕ったせいで、その仲間たちによって割と長い間面倒くさいいじめを受けることになってしまうのだ。
「いやだ!!こんなお面被ったらきっといじめられてしまうよ!!」
小人系の血のせいで小学生程度の背丈しかない僕がスラリとした長身の叔父に抗うように暴れたところで意味はないけどとりあえず野々村元県議くらい意味わからない奇声をあげて暴れ回ってみた。
「この仮面をォンフンフンッハ、コノ、コノヨァアアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!! アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン! コノニホォァゥァゥ……ア゛ー! コノヨノナカヲ… ウッ…ガエダイ!」
最後に足をぶらぶらさせて玉座を蹴ってバンバンした。
「ははは、可愛いルナークたん、泣かないで。安心して。このお面には監視用魔法が掛かっているからもしルナークたんをいじめる不届きなヤツがいたら全て私がエルフの王の名にかけてないないしてあげるよ」
野々村元県議くらい奇声をあげても、暗黒微笑を浮かべる美エルフには効かない。
勇者相手にレベル上げ要因のクソ雑魚モンスターが泣き叫ぶ以外できない状況っぽくって泣きたい。いや、もう泣いてるけど。
「ッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!!嘘だ!!叔父どのは僕を助けてくれない!!」
こんなに過保護なのに、何故かウサギのお面が原因でひどい目に遇うルナークをこの叔父が助けた描写はない。いや、確かに追放後、崖から突き落とされた時は高速で救われたがそれまでの辛い部分でなぜか手を差し伸べられていないのだ。
(正直ここまで僕を溺愛していることを考えるとすごい不自然ではあるけど……)
「ルナークたん……私はルナークたんに嘘なんかつかない。よし、そこまで心配なら叔父どのが可愛いルナークたんについて行って……」
「何をおっしゃるのですか陛下、陛下には執務がございます」
国を放り出す発言に焦ったように黙って横に構えていた宰相が口を出した。
プラチナブロンドの髪にグレーみがかった鋭い青の瞳をした長身のやはり美しいエルフの男。
その顔を見た瞬間、脳内にある言葉が蘇る。
『高貴なエルフの血を汚した薄汚い小人の血を引いた穢らわしいハーフエルフ風情が!!』
(あ、この人のせいで叔父どのは僕がいじめられている情報を知ることが遅れたんだったな……)
24
あなたにおすすめの小説
弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。
あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。
だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。
よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。
弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。
そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。
どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。
俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。
そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。
◎1話完結型になります
幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。
叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。
幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。
大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。
幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました
多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。
ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。
ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。
攻め
ユキ(23)
会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。
受け
ケイ(18)
高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。
pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
従者は知らない間に外堀を埋められていた
SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL
転生先は悪役令息の従者でした
でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません
だから知らんけど精神で人生歩みます
第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している 【完結】
日下奈緒
恋愛
王家に仕える騎士の妹・リリアーナは、冷徹と噂される第3皇子アシュレイに密かに想いを寄せていた。戦の前夜、命を懸けた一戦を前に、彼のもとを訪ね純潔を捧げる。勝利の凱旋後も、皇子は毎夜彼女を呼び続け、やがてリリアーナは身籠る。正妃に拒まれていた皇子は離縁を決意し、すべてを捨ててリリアーナを正式な妃として迎える——これは、禁じられた愛が真実の絆へと変わる、激甘ロマンス。
元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる