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02.宰相の秘密と頭の中にある言葉を無意識に言って困る話
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僕の脳内に前世の小説の記憶が蘇る。
この宰相エルロンは、気高いエルフの血に穢れた小人族の血が混じったハーフエルフの僕を毛嫌いしていることに表向きはなっているが、実はそれは大きな誤解があることを前世この世界の物語を愛読していた僕は知っている。
(宰相のエルロンは実はエルフ純血主義者に見せかけて、僕の母親が初恋の相手なんだよね……)
実は母と幼なじみのエルロンは、誰よりも母を愛していたが、ある事件が原因で仲違いしたきり別れてしまっている。
そして、今の段階で僕の両親は他界しているのだけど、仲直りできないままで母が亡くなったことを悔いている。
初恋と童帝を拗らせていて素直になれずに、小人族を憎んでるように見えるが、実際は僕に歪んだ愛着があるのがこのエルロンだ。
(うさぎのお面でいじめられた僕が勇者パーティーから逃げようと弱った時に囲い込むつもりなんだよね)
冷たく見える瞳の奥に闇を宿していて、今も叔父どのと真面目な話をしながら昏い瞳が僕を捉え続けていた。
『ルーナ、もう誰にも渡さない』
物語のセリフが蘇る。
拗らせヤンデレのエルロンは、パーティーから逃げて行き場を僕が無くした時にそのまま主人公をお持ち帰り保護監禁してそのまま2度と傷付いたり死んだりしないようにする。
そして、ストーリー上で逃げ出せるまでの間、壊れ物を扱うように大切に大切にされるが完全に狂気に侵されている。
叔父どのによるうさぎ面によって偽勇者パーティーからのいじめを報告せず自分だけが助けようとしたと勘違いさせるべく、超難易度が高い監視魔法を他の映像に切り替えたりしていたり、偽勇者パーティーに少しでも傷つけられたら痛みを感じるより前に綺麗に治療したり、陰で偽勇者らに厄災を起こしたりと中々にチートな優秀さを間違った形で使用した男。
本編ファンからは主人公への歪んだ執着が露呈後は気持ち悪がられて、体を重ねずに舐め回すように主人公の体を洗って興奮したりしていたむっつりさもあり、名前を揶揄されてエロルンとか呼ばれていたけれど、僕は彼を嫌いではなかった。
いや、恋も何もせずに魔法使いとして生涯を終えた前世を持つ僕には、500年もただひとり、しかも故人を思い続けて拗らせた一途な童帝がむっつりでも羨ましかった。
素直になれなくて愛するひとを傷つけて謝ることもできないうちに永遠に謝る機会をなくして、それでもひとりを愛して500歳になるのに結婚もせず、魔法使い通り越してエルフになった、もとい元からエルフだけど完全に拗らせたかの人、このままいくと一応保護はしたけど、全てが露呈した時にざまぁされてしまう哀れなエロルンを僕は助けたいと思う。
だから、僕はいじめの根本であるうさぎ面は絶対に被らないし、勇者パーティーからもいじめられたくないので用心棒として強いエルフに同行を願いたい。
なんなら問題あるヤンデレだけど、エロルンは優秀だし、僕が甘えたらエルフの王である叔父どのは無理でも連れて行ける気がする。
「宰相どの、僕は叔父どのがついてこなくても良いですがこの悪趣味なうさぎ面被らず誰かに同行して欲しいのですがだめですか??」
少し上目遣いでエルロンを見つめて言った。僕の空色に澄んだ瞳は母譲りでありエルロンからしたらこの目で見られると弱いだろうし、好きなこの上目遣いに萌えないはずがない。
先ほどまで睨んでいた瞳が伏せられる。耳も少し赤い。
(もう一息…….)
しかし、そこで僕を膝に乗せて強固な力で離さない過保護な叔父どのが口を挟んだ。
「ルナークたん、そんなにうさぎが嫌ならイノシシのお面もあるよ」
と言いながら某人気作品に出てくるあのイノシシのお面みたいなのを出してきて僕は動揺した。この世界にはない作品だがあの名作を僕が汚すのは避けたい。
「イノシシは絶対だめです。ノーお面でも守れる人がいれば良いですよね??宰相どの、いえエロどの、僕はひとりで変なお面を被って怖いところに行きたくないのです、どうか手を貸してください」
野々村元県議ではなく、普通に嘘泣きしながらエルロンを儚げな顔で見た。
ちなみにエルってのは僕の母が呼んでいた愛称だからね、刺さるはずだ。
「……ルナーク様」
名前で呼ぶなんて間違いなく僕に心を開いた合図だろうと内心にドヤ顔を隠しながらエルロンを見た、が……。
「私の名前はエルロンです、エロなどと略されるのは大変不快です」
「はっ!?エルって呼んだよね??」
あまりの事態に思わず本音がでた。脳内にエロルンがいたせいで感動的なシーンを台無しにした予感がする。
しかし、ここでエロルンとか思ってることがバレたらヤバいのに……、
「ルナークたん、すまない。ルナークたんは確かにエロとエルロンを呼んでいた。エルフの力であるサイコメトリーで見直したけど絶対に間違いないし、読者も言い間違いに気づいてるからね」
何故か読者とか出てきたがちょっと何言ってルカはわからない。
しかし、なんとかうやむやにするつもりが、叔父どののいらぬ加勢で大変なことになる。
すごい冷たい目でエロルンが見てる。
(仕方ない、カオスにはカオス、とにかくエロ発言は忘れさせないと!!)
再び僕は唯一の必殺技として、野々村元県議みたいに狂ったように泣き喚いた。
「命がけでぇへえええヒャアゃあぁぁ ...…エロルンとぅ……ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! 」
この宰相エルロンは、気高いエルフの血に穢れた小人族の血が混じったハーフエルフの僕を毛嫌いしていることに表向きはなっているが、実はそれは大きな誤解があることを前世この世界の物語を愛読していた僕は知っている。
(宰相のエルロンは実はエルフ純血主義者に見せかけて、僕の母親が初恋の相手なんだよね……)
実は母と幼なじみのエルロンは、誰よりも母を愛していたが、ある事件が原因で仲違いしたきり別れてしまっている。
そして、今の段階で僕の両親は他界しているのだけど、仲直りできないままで母が亡くなったことを悔いている。
初恋と童帝を拗らせていて素直になれずに、小人族を憎んでるように見えるが、実際は僕に歪んだ愛着があるのがこのエルロンだ。
(うさぎのお面でいじめられた僕が勇者パーティーから逃げようと弱った時に囲い込むつもりなんだよね)
冷たく見える瞳の奥に闇を宿していて、今も叔父どのと真面目な話をしながら昏い瞳が僕を捉え続けていた。
『ルーナ、もう誰にも渡さない』
物語のセリフが蘇る。
拗らせヤンデレのエルロンは、パーティーから逃げて行き場を僕が無くした時にそのまま主人公をお持ち帰り保護監禁してそのまま2度と傷付いたり死んだりしないようにする。
そして、ストーリー上で逃げ出せるまでの間、壊れ物を扱うように大切に大切にされるが完全に狂気に侵されている。
叔父どのによるうさぎ面によって偽勇者パーティーからのいじめを報告せず自分だけが助けようとしたと勘違いさせるべく、超難易度が高い監視魔法を他の映像に切り替えたりしていたり、偽勇者パーティーに少しでも傷つけられたら痛みを感じるより前に綺麗に治療したり、陰で偽勇者らに厄災を起こしたりと中々にチートな優秀さを間違った形で使用した男。
本編ファンからは主人公への歪んだ執着が露呈後は気持ち悪がられて、体を重ねずに舐め回すように主人公の体を洗って興奮したりしていたむっつりさもあり、名前を揶揄されてエロルンとか呼ばれていたけれど、僕は彼を嫌いではなかった。
いや、恋も何もせずに魔法使いとして生涯を終えた前世を持つ僕には、500年もただひとり、しかも故人を思い続けて拗らせた一途な童帝がむっつりでも羨ましかった。
素直になれなくて愛するひとを傷つけて謝ることもできないうちに永遠に謝る機会をなくして、それでもひとりを愛して500歳になるのに結婚もせず、魔法使い通り越してエルフになった、もとい元からエルフだけど完全に拗らせたかの人、このままいくと一応保護はしたけど、全てが露呈した時にざまぁされてしまう哀れなエロルンを僕は助けたいと思う。
だから、僕はいじめの根本であるうさぎ面は絶対に被らないし、勇者パーティーからもいじめられたくないので用心棒として強いエルフに同行を願いたい。
なんなら問題あるヤンデレだけど、エロルンは優秀だし、僕が甘えたらエルフの王である叔父どのは無理でも連れて行ける気がする。
「宰相どの、僕は叔父どのがついてこなくても良いですがこの悪趣味なうさぎ面被らず誰かに同行して欲しいのですがだめですか??」
少し上目遣いでエルロンを見つめて言った。僕の空色に澄んだ瞳は母譲りでありエルロンからしたらこの目で見られると弱いだろうし、好きなこの上目遣いに萌えないはずがない。
先ほどまで睨んでいた瞳が伏せられる。耳も少し赤い。
(もう一息…….)
しかし、そこで僕を膝に乗せて強固な力で離さない過保護な叔父どのが口を挟んだ。
「ルナークたん、そんなにうさぎが嫌ならイノシシのお面もあるよ」
と言いながら某人気作品に出てくるあのイノシシのお面みたいなのを出してきて僕は動揺した。この世界にはない作品だがあの名作を僕が汚すのは避けたい。
「イノシシは絶対だめです。ノーお面でも守れる人がいれば良いですよね??宰相どの、いえエロどの、僕はひとりで変なお面を被って怖いところに行きたくないのです、どうか手を貸してください」
野々村元県議ではなく、普通に嘘泣きしながらエルロンを儚げな顔で見た。
ちなみにエルってのは僕の母が呼んでいた愛称だからね、刺さるはずだ。
「……ルナーク様」
名前で呼ぶなんて間違いなく僕に心を開いた合図だろうと内心にドヤ顔を隠しながらエルロンを見た、が……。
「私の名前はエルロンです、エロなどと略されるのは大変不快です」
「はっ!?エルって呼んだよね??」
あまりの事態に思わず本音がでた。脳内にエロルンがいたせいで感動的なシーンを台無しにした予感がする。
しかし、ここでエロルンとか思ってることがバレたらヤバいのに……、
「ルナークたん、すまない。ルナークたんは確かにエロとエルロンを呼んでいた。エルフの力であるサイコメトリーで見直したけど絶対に間違いないし、読者も言い間違いに気づいてるからね」
何故か読者とか出てきたがちょっと何言ってルカはわからない。
しかし、なんとかうやむやにするつもりが、叔父どののいらぬ加勢で大変なことになる。
すごい冷たい目でエロルンが見てる。
(仕方ない、カオスにはカオス、とにかくエロ発言は忘れさせないと!!)
再び僕は唯一の必殺技として、野々村元県議みたいに狂ったように泣き喚いた。
「命がけでぇへえええヒャアゃあぁぁ ...…エロルンとぅ……ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! 」
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