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第4話 押してダメなら押してみよ! By南月
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「ごめんね無理聞いてもらって」
「いいよ気にしないで」
放課後、一緒に帰ることになった良也と南月は校門をくぐり、同じ方向へと足を進める。
ちなみに偶然にも良也と南月は同じ方向、かつまあまあの近所に住んでいるので歩いてまた戻るという事態にはならない。
「で、話なんだけど」
「うん」
学校からある程度距離を取り、周りの学生もまばらになったところで南月はゆっくりと口を開き始めた。
「前、心結は仲上くんのこと別に嫌ってないって言ったよね?」
「うん、そう聞いたけど」
「それ言ったときに仲上くん、結構戸惑ってたよね」
「え、まあ戸惑ったっちゃ戸惑ったかな……」
その良也の返答を聞いた南月は一瞬迷うような仕草をしながらも、何か決意したような表情で、
「じゃあ、もうちょっとヒントあげる」
「え? だから別にい……」
「心結は、仲上くんと仲良くしたがってる」
「…………」
良也の言葉を遮って放たれた言葉は良也が抱えている謎の解明につながる大きな情報なのだが、それと同時に良也の頭の中に新たな謎が浮かんだ。
『なぜ辻原は俺と仲良くなりたいのか』
辻原といつも仲良くしている中原からの情報だから信用はできる。でも、俺と仲良くなりたいという理由がわからない。
相手は顔立ちもよく、性格もよく、成績もよく、どこにも非の打ち所がない人だ。それに比べてこの俺は顔立ちは中立的で、性格も普通、成績は悪く、辻原とは正反対の世界に生きる人間。
俺と仲良くしても何も得ないのになと思いながら良也は南月の言葉に耳を傾ける。
「心結は自分の気持ちに素直になれてないだけなんだ。だから、もし仲上くんが良かったらなんだけど……」
「心結のことを【押して】くれないかな?」
今までの南月の話で良也の頭の中にはたくさんの ? が浮かんでいるのだが、良也は必死に整理して今さっき言われた言葉を反芻する。
「お、押して……?」
「そう、後2週間後くらいに文化祭があるでしょ? その時に仲上くんが心結を誘って一緒に回ってほしいんだよね」
「誘う……?」
自分には難しい。そう、前までの良也なら判断しただろう。でも、今の良也には少なくとも心結と仲良くしてみたいという気持ちが芽生え始めていた。
ここでそうやって逃げても良いのか。いつまでも逃げ続けるのか。中原、辻原の気持ちを蔑ろにして良いのか。
バックには中原がついてる。そう思い切り、良也は答えを出した。
「わかった」
その答えを聞いた瞬間、南月はほんとに!? と目を丸くして、でもとても嬉しそうな表情を浮かべた。
「じゃあ、これからも色々サポートしたいから、ライン交換しよ!」
「ん、……ほい」
「ありがとー」
ぴろんという電子音の後、画面には友だち追加完了という文字が表示されている。
「……と、こんだけ話してたらもう家着いちゃった」
学校からこの住宅街まで結構な距離があるのだが、話し込んでいたこともありあっという間に着いてしまった。
良也の家はまだもうちょっと先にあるので「じゃあまた明日」とその方向に歩き出した。その時、背後から南月の声が聞こえた。が、その内容に良也は思わず立ち止まることになる。
「あ、ちなみに私の隣の家、心結の家だから」
「は?」
……今日の帰宅時間だけで授業1日分の情報を詰め込まれた良也。そのまま頭の中でぐるぐると情報が渦巻きながら残りの家路についた。
「いいよ気にしないで」
放課後、一緒に帰ることになった良也と南月は校門をくぐり、同じ方向へと足を進める。
ちなみに偶然にも良也と南月は同じ方向、かつまあまあの近所に住んでいるので歩いてまた戻るという事態にはならない。
「で、話なんだけど」
「うん」
学校からある程度距離を取り、周りの学生もまばらになったところで南月はゆっくりと口を開き始めた。
「前、心結は仲上くんのこと別に嫌ってないって言ったよね?」
「うん、そう聞いたけど」
「それ言ったときに仲上くん、結構戸惑ってたよね」
「え、まあ戸惑ったっちゃ戸惑ったかな……」
その良也の返答を聞いた南月は一瞬迷うような仕草をしながらも、何か決意したような表情で、
「じゃあ、もうちょっとヒントあげる」
「え? だから別にい……」
「心結は、仲上くんと仲良くしたがってる」
「…………」
良也の言葉を遮って放たれた言葉は良也が抱えている謎の解明につながる大きな情報なのだが、それと同時に良也の頭の中に新たな謎が浮かんだ。
『なぜ辻原は俺と仲良くなりたいのか』
辻原といつも仲良くしている中原からの情報だから信用はできる。でも、俺と仲良くなりたいという理由がわからない。
相手は顔立ちもよく、性格もよく、成績もよく、どこにも非の打ち所がない人だ。それに比べてこの俺は顔立ちは中立的で、性格も普通、成績は悪く、辻原とは正反対の世界に生きる人間。
俺と仲良くしても何も得ないのになと思いながら良也は南月の言葉に耳を傾ける。
「心結は自分の気持ちに素直になれてないだけなんだ。だから、もし仲上くんが良かったらなんだけど……」
「心結のことを【押して】くれないかな?」
今までの南月の話で良也の頭の中にはたくさんの ? が浮かんでいるのだが、良也は必死に整理して今さっき言われた言葉を反芻する。
「お、押して……?」
「そう、後2週間後くらいに文化祭があるでしょ? その時に仲上くんが心結を誘って一緒に回ってほしいんだよね」
「誘う……?」
自分には難しい。そう、前までの良也なら判断しただろう。でも、今の良也には少なくとも心結と仲良くしてみたいという気持ちが芽生え始めていた。
ここでそうやって逃げても良いのか。いつまでも逃げ続けるのか。中原、辻原の気持ちを蔑ろにして良いのか。
バックには中原がついてる。そう思い切り、良也は答えを出した。
「わかった」
その答えを聞いた瞬間、南月はほんとに!? と目を丸くして、でもとても嬉しそうな表情を浮かべた。
「じゃあ、これからも色々サポートしたいから、ライン交換しよ!」
「ん、……ほい」
「ありがとー」
ぴろんという電子音の後、画面には友だち追加完了という文字が表示されている。
「……と、こんだけ話してたらもう家着いちゃった」
学校からこの住宅街まで結構な距離があるのだが、話し込んでいたこともありあっという間に着いてしまった。
良也の家はまだもうちょっと先にあるので「じゃあまた明日」とその方向に歩き出した。その時、背後から南月の声が聞こえた。が、その内容に良也は思わず立ち止まることになる。
「あ、ちなみに私の隣の家、心結の家だから」
「は?」
……今日の帰宅時間だけで授業1日分の情報を詰め込まれた良也。そのまま頭の中でぐるぐると情報が渦巻きながら残りの家路についた。
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