奴隷から始まる転生物語

フルーゲル

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出会いと始まり

3. 授けられた力

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  悲しみに打ちひしがれていた隼人はこの展開を飲み込めず呆然としていた。
そんな隼人をピニーの声がハッとさせる。

「やぁ!久しぶりだね隼人!」

久方ぶりに見たその妖精の姿に隼人のなかには恨みの感情しかなかった。
だが、この妖精ならあることができるかもしれないという一縷の希望が頭の中に浮かんでいた。

ニックを生き返らせることができるかもしれない…

「ひとつだけ頼みがあるんだ。ニックを生き返らせてほしい。あんたならできるだろ?なぁ、頼むよ…!」

「残念ながら、私たちにできるのは人を違う世界へ誘うことであり、生死を司るものではないんだよ。
てゆーか普通はこの生活から抜け出したいとかお願いするでしょ!」

言われてみればそうだなと頭の中で納得した。
ピニーは続けてこう言う。

「まぁそれこそが君の転生においての試験なんだけどね。
おめでとう!合格さ!」

「ご、ごうかく?」

「君には次のステージに進んでもらうよ。準備はいいかい?」

「何が準備だ!ちゃんと説明してくれ!俺はなぜこんな世界でこんな生活をしなくちゃいけないんだ…。」

「これを望んだのは君だよ。文句を言われる筋合いはない。
まぁ、そんなことは置いといて。あっ、これこれ」

ズドン!と隼人の足元に一つの剣が突き刺さり気がつくとピニーは消え、牢屋の鍵が開いていた。

「これを使ってここから逃げろってことか…?」

隼人は地面に刺さった剣を手に取った。すると頭の中に思念のようなものが流れてきた。

そうそう、伝え忘れていたけど君には魔人から姿を見えなくする魔法をかけておいた。
その魔法が解けるの1時間後。魔人に触れても解けるから気をつけるんだよ。
ばいばーい



すぐさま隼人は牢屋を飛び出し、走り出した。

何人もの魔人をくぐり抜け、捕まえられている人間も素通りにし必至に走り続けた。
見て見ぬ振りをして走り続ける自分の行動に心が痛くなったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。

無我夢中に走り続け、魔人たちの出入りする門までたどり着いた。

まだ牢屋を出て40分くらいしか経っていないし、門は開いていた。

隼人の中にホッとした気持ちがよぎろうとしたとき、門の両側の魔人が舵輪のようなものを回し始めた。

このままでは間に合わない。
隼人はもつれる足に鞭を入れ、空気を取り込めないほどに上がった息も気にせずに走った。

目の前に迫った門は腰の高さまで低く降りていたがまだ間に合う。

隼人は倒れこむように頭から滑り込みなんとか門をくぐり抜けた。


そこから数秒たち、なんとか力を振り絞り膝を立てた瞬間…

肩に何かが触れた感触がした。



隼人の背筋が凍った。
途端に足はガクガク震え始めた。






「よぉ、なんでこんなところに人間がいるんだ」








   











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