令嬢は鞭を振るが逃げられない

ロキ

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13話

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お父様とお母様に紹介も終わったし夕食まで何をしてようかしら?特にオススメな場所って無いのよね。

「あ、リリーお帰り。相変わらず目立つ帰り方をするね?訓練場が殺気だってたから何事かと思ったよ」

廊下を歩いていたら向こうからお兄様が来た。

「お兄様、ただいま戻りましたわ。好きで目立つ帰り方をした訳ではありませんわ!ディアス様が目立つ演出を入れたのがいけないのよ?」

「気分が乗ってしまったからしょうがないだろ?おかげでお義母上が来て手間が省けた」

ディアス様、ドヤ顔も可愛いわ。

「そちらの方は噂の婚約者さんかな?初めまして、リリーの兄でジャスパー・キャンベルです」

「初めまして、オルレウス国国王のディアス・オルレウスだ。そうだ、リリーの兄上も何か特殊な性癖があるのか?お義父上は紐で吊るされて悦んでいたのだが・・・」

「え、ディアス様もしかして地下のお仕置き部屋の中見えてました?」

「ああ、チラリとだが見えた。お義母上も楽しそうに鞭で叩いていたな!そうか、リリーはお義母上に似たのだな!」

なんて事・・・一応お父様の威厳を保つ為に見せないようにしていたアレを見られていたなんて。まぁ、いずれ分かる事だし別に良いわね!

「あー、リリー?龍王様はもしかしなくてもアレを見たのかい?」

「あ、はい。地下のお仕置き部屋でお父様がお仕置き中だった所をお母様が案内してしまいましたの」

「そうだったのか、父上と母上はもう少し自重して欲しい・・・せめて客人の前では普通に!いや、あの人達の普通は普通じゃ無いな。うん、世間一般的な常識で普通に行動して欲しい!あぁ、僕が早く家督を継げればさっさと二人仲良くダンジョンとかに追いやれるのに!!」

お兄様がご乱心だわ!ちょっとレアね!いつもはスルースキル全開でいるのに・・・日頃のスルーしきれないものが溜まってたのかしら?

「お兄様落ち着いて、大丈夫よ!あと何年かしたらこの家を継げるのでしょう?そうしたら高難易度のダンジョンに、もしくは前線に配置して領地拡大して貰いましょう!!」

「それは俺も行きたいな!ダンジョンやモンスターとの戦いは楽しそうだ!」

ディアス様は目を輝かせて言ってきた。

「それだと私と一緒にいられませんわよ?」

「一緒に行ってくれないのか?!俺はリリーと一緒にダンジョンに行きたいのだが駄目か?」

そんな捨て犬みたいな顔してこっち見ないで!絆されてしまうわ!

「私は嫌ですわ。だったら綺麗な庭園とかでのんびり過ごしたいですわ」

私は上目遣いでディアス様に言った。ちょっと恥ずかしいけど我慢よ!

「リリー!!今すぐ結婚しよう!ごめんよ、そんなに一緒にいたかったなんて・・・愛してるよ運命の番いよ!」

蕩けるような顔でディアス様が言った。

あ、カッコいいわ・・・。まぁ、そこまで言っていないけど話しがそれた今がチャンス!

「今すぐ結婚は出来ませんが、我が家のお庭でお茶は出来ますわ!夕食まで時間がありますからどうでしょうか?」

「そうだな、二人っきりでお茶をしよう。ルイスは離れた所で護衛をしてろ」

「了解しました。遠くから護衛してますよ」

「お兄様、そういう事ですので失礼しますわ。また夕食の時にお会いしましょう」

「さぁ、行きましょうかディアス様!」

なんだかんだで家族と顔合わせが済んでしまいましたわ。あとは夕食までのんびりしましょう。私はディアス様と手を繋いで庭に向かうことにした。
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