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沸点
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その宣言を受けて周りはざわつく。そうだろう。今まではほとんどの者が噂という形でしか聞いていなかったこの国の第一王子と公爵令嬢の婚約破棄、それが目の前で起こっているのだから。
早くなんとかしなければ話がどんどん広がっていってしまいますね。とりあえずこれは誰の決定かということだけでも確認しておかなければ。
「それは、誰の判断ですか?」
そう尋ねると、自信満々に答えを返す。
「この第一王子である俺が今決めた!」
…………アホですか。ええそうでしたね。
「なにを仰っているのですか?そんなこと私達の一存でできませんわよ。これは国王と私のお父様であるクレニアス公爵が決められたことですもの。一体なぜそのようなことを言い出したのですか?」
それにしても……なんだか頭がまわりませんわ。流石に最近睡眠不足が続き過ぎたようですね。早くこの騒動に区切りをつけて一旦寝るとしましょうか。
「はっ、俺は第一王子だぞ?勝手にしていいに決まっているではないか。それと、なぜこのようなことを言ったかだと?それはなぁ、よく聞くといい。」
彼はそこでひと呼吸おき、横にいるリンを愛おしそうに見つめた。そしてまたこちらに視線を戻して続ける。
「俺はなぁ、ここにいるリンと結婚する。そして王になって二人で幸せに生きるんだ!お前みたいなつまらないやつと結婚だなんてお断りなんだよ!だからお前との婚約は解消だ!」
彼はだんだんとその瞳に熱を宿し、高揚した様子で語る。
「リンはお前とは違って俺が何をしようと咎めることはなく優しいしこんなにも愛らしい見た目をしている。ほら、見てみろ、この大きな瞳に白く滑らかで美しい肌、ふわふわとしたピンク色の髪、小柄な体。それに性格も良くアレン様、アレン様と俺のことを慕ってくれる。きっと、いや間違いなく俺の、この国の王の妻となるにふさわしいのはお前ではなくリンだ!」
そんなことを自慢気に言い彼はドヤ顔でこっちを見る。横にいるリンは特に口を挟むこともなくニコニコと笑っている。
本当になにを言っているのでしょうね。今彼が並べ立てたものなんて、王妃になるには関係のないことばかり。
「そんなものは王妃になるには関係ありません。王妃になるには最低限としてまず身分、品や社交能力、そして学力や執務能力などがあげられます。彼女は果たしてそれらを十全に満たしていますか?」
そう反論するが、彼は意にも介さない様子で流す。むしろそんなこともわからないのか、とでも言いたげな目でこちらを見る。これはなにも考えず理解もしていないからこその反応なのでしょうね。
「そんなもの無くてもなんとかなるだろう。なんなら今からでも身につければいいのだ。」
そう言ってこれみよがしに大きなため息を一つ吐く。
「それにしても……見苦しいぞ。お前はそこまでして王妃の座に縋りつきたいのか。俺の役にも立たないくせに。それだったらまずはもっと自分を磨き直してくるんだな、そんな厚化粧で誤魔化そうとしている時点で俺にとっては論外だ。そんなもの自分が欠陥を抱えていることの表れでしかないではないか!まあお前がいくら磨き直したところで俺が振り向くわけは無いんだがな!ハッ、諦めろ!」
は?今この王子なんて言いました?
私の中のなにかがキレる音がした
早くなんとかしなければ話がどんどん広がっていってしまいますね。とりあえずこれは誰の決定かということだけでも確認しておかなければ。
「それは、誰の判断ですか?」
そう尋ねると、自信満々に答えを返す。
「この第一王子である俺が今決めた!」
…………アホですか。ええそうでしたね。
「なにを仰っているのですか?そんなこと私達の一存でできませんわよ。これは国王と私のお父様であるクレニアス公爵が決められたことですもの。一体なぜそのようなことを言い出したのですか?」
それにしても……なんだか頭がまわりませんわ。流石に最近睡眠不足が続き過ぎたようですね。早くこの騒動に区切りをつけて一旦寝るとしましょうか。
「はっ、俺は第一王子だぞ?勝手にしていいに決まっているではないか。それと、なぜこのようなことを言ったかだと?それはなぁ、よく聞くといい。」
彼はそこでひと呼吸おき、横にいるリンを愛おしそうに見つめた。そしてまたこちらに視線を戻して続ける。
「俺はなぁ、ここにいるリンと結婚する。そして王になって二人で幸せに生きるんだ!お前みたいなつまらないやつと結婚だなんてお断りなんだよ!だからお前との婚約は解消だ!」
彼はだんだんとその瞳に熱を宿し、高揚した様子で語る。
「リンはお前とは違って俺が何をしようと咎めることはなく優しいしこんなにも愛らしい見た目をしている。ほら、見てみろ、この大きな瞳に白く滑らかで美しい肌、ふわふわとしたピンク色の髪、小柄な体。それに性格も良くアレン様、アレン様と俺のことを慕ってくれる。きっと、いや間違いなく俺の、この国の王の妻となるにふさわしいのはお前ではなくリンだ!」
そんなことを自慢気に言い彼はドヤ顔でこっちを見る。横にいるリンは特に口を挟むこともなくニコニコと笑っている。
本当になにを言っているのでしょうね。今彼が並べ立てたものなんて、王妃になるには関係のないことばかり。
「そんなものは王妃になるには関係ありません。王妃になるには最低限としてまず身分、品や社交能力、そして学力や執務能力などがあげられます。彼女は果たしてそれらを十全に満たしていますか?」
そう反論するが、彼は意にも介さない様子で流す。むしろそんなこともわからないのか、とでも言いたげな目でこちらを見る。これはなにも考えず理解もしていないからこその反応なのでしょうね。
「そんなもの無くてもなんとかなるだろう。なんなら今からでも身につければいいのだ。」
そう言ってこれみよがしに大きなため息を一つ吐く。
「それにしても……見苦しいぞ。お前はそこまでして王妃の座に縋りつきたいのか。俺の役にも立たないくせに。それだったらまずはもっと自分を磨き直してくるんだな、そんな厚化粧で誤魔化そうとしている時点で俺にとっては論外だ。そんなもの自分が欠陥を抱えていることの表れでしかないではないか!まあお前がいくら磨き直したところで俺が振り向くわけは無いんだがな!ハッ、諦めろ!」
は?今この王子なんて言いました?
私の中のなにかがキレる音がした
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