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変心
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今コイツ、ナンテイイマシタカ?
役に立たない?化粧が欠陥の表れ?
どの口がそんなこと言っているのですか?
役に立たない?貴方がするはずの仕事をすべてしているのは誰だと思っています?そのせいで私ろくに寝れていないのですけれども。そもそも自分の仕事を認識していますの?何度か言いましたけどお前が全部やれ、の一点張りでしたよね?それを許しているのは貴方がその仕事の一欠片でもやる能力すら持ち合わせていないから仕方なく私がしているだけですからね?それに、化粧。これは身だしなみとして必要なことですけれどもその原因となっているのは貴方の押し付けた仕事を処理するためにできたクマや肌荒れってご存知?
ちょっと待ってください。
私、こんな奴と婚約してる意味、本当にあります?だってそのせいで私だけ小さい頃から自由を奪われ続けて今ではまだ学生だというのに睡眠もまともに取れずに眠たいまま働かされおそらく将来はそれらは無駄になりきっと今回のような騒動に巻き込まれ続けて苦労することに……これまでに婚約していて良いことなんてのも一つもありませんですし。そもそも婚約は一応王家と公爵家の繋がりを強める、というものですけどこの方が王になれないのでしたら影響力も弱い。もし婚約破棄したところでデメリットはお父様に迷惑がかかることと私の経歴に傷がつくというところでしょう。まあ今回の事態は完全に向こうの勝手な都合で行われているのですから向こうが悪いことは明白。証人も周りに大量に居ますしきっとそこまでこちらに不利はないはずですからお父様には……初めてのわがままくらい許してもらいましょう!
よし、婚約破棄認めましょう!もう私は休ませていただきます!
普段なら家に迷惑をかけないということが第一で過ごしていたレイリアだったが、今は睡眠が全く足りていない。なんなら深夜テンションであったと言っても過言ではないだろう。その結果として彼女は王子とは婚約破棄を認める方向へと考えを簡単に改めた。
そうですね…どうせだったら向こうが酷い奴らだと皆に思わせたいですね。自然に私が被害者ということが強調されるような言動を、そしてついでに私の今までの苦労が周りに少しでも伝わるように…
「アレン王子、そんなことを言うだなんてあんまりですわ。私は今まであなたがしなければならない仕事を貴方がサボる、もといできないので代わりにずっとこなしていたというのに……淑女に必須の寝る間も削ってまでも……それに、この化粧も王子の婚約者として恥をかかないようにしていたもの。」
少しうつむき、震えた声で話す。目を大きく開き、少し乾燥させる。
「それに、私はあなたの側にいるため、王家に嫁ぐ身として血の滲むような努力を幼少の頃からしていましたのに、貴方は私を捨てようというのですね。」
躊躇いを感じるように存分に間を取り、それでもゆっくりと顔をあげ、潤んだ目を合わせる。
周りの人々が同情するような目をこちらに、そして軽蔑の目を彼へと向けていたのを目の端に捉えつつ、私はきっぱりと言った。
「アレン王子、わかりました。その婚約破棄、承ります。」
役に立たない?化粧が欠陥の表れ?
どの口がそんなこと言っているのですか?
役に立たない?貴方がするはずの仕事をすべてしているのは誰だと思っています?そのせいで私ろくに寝れていないのですけれども。そもそも自分の仕事を認識していますの?何度か言いましたけどお前が全部やれ、の一点張りでしたよね?それを許しているのは貴方がその仕事の一欠片でもやる能力すら持ち合わせていないから仕方なく私がしているだけですからね?それに、化粧。これは身だしなみとして必要なことですけれどもその原因となっているのは貴方の押し付けた仕事を処理するためにできたクマや肌荒れってご存知?
ちょっと待ってください。
私、こんな奴と婚約してる意味、本当にあります?だってそのせいで私だけ小さい頃から自由を奪われ続けて今ではまだ学生だというのに睡眠もまともに取れずに眠たいまま働かされおそらく将来はそれらは無駄になりきっと今回のような騒動に巻き込まれ続けて苦労することに……これまでに婚約していて良いことなんてのも一つもありませんですし。そもそも婚約は一応王家と公爵家の繋がりを強める、というものですけどこの方が王になれないのでしたら影響力も弱い。もし婚約破棄したところでデメリットはお父様に迷惑がかかることと私の経歴に傷がつくというところでしょう。まあ今回の事態は完全に向こうの勝手な都合で行われているのですから向こうが悪いことは明白。証人も周りに大量に居ますしきっとそこまでこちらに不利はないはずですからお父様には……初めてのわがままくらい許してもらいましょう!
よし、婚約破棄認めましょう!もう私は休ませていただきます!
普段なら家に迷惑をかけないということが第一で過ごしていたレイリアだったが、今は睡眠が全く足りていない。なんなら深夜テンションであったと言っても過言ではないだろう。その結果として彼女は王子とは婚約破棄を認める方向へと考えを簡単に改めた。
そうですね…どうせだったら向こうが酷い奴らだと皆に思わせたいですね。自然に私が被害者ということが強調されるような言動を、そしてついでに私の今までの苦労が周りに少しでも伝わるように…
「アレン王子、そんなことを言うだなんてあんまりですわ。私は今まであなたがしなければならない仕事を貴方がサボる、もといできないので代わりにずっとこなしていたというのに……淑女に必須の寝る間も削ってまでも……それに、この化粧も王子の婚約者として恥をかかないようにしていたもの。」
少しうつむき、震えた声で話す。目を大きく開き、少し乾燥させる。
「それに、私はあなたの側にいるため、王家に嫁ぐ身として血の滲むような努力を幼少の頃からしていましたのに、貴方は私を捨てようというのですね。」
躊躇いを感じるように存分に間を取り、それでもゆっくりと顔をあげ、潤んだ目を合わせる。
周りの人々が同情するような目をこちらに、そして軽蔑の目を彼へと向けていたのを目の端に捉えつつ、私はきっぱりと言った。
「アレン王子、わかりました。その婚約破棄、承ります。」
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