8 / 38
08.精神消耗
ぐったりしながら会議室を出る。
会議のあとのほうが、精神的にどっと疲れた。
誰が羞恥責めに遭うと予想できただろうか。
まだ頬が熱い。
ゴシゴシと手の甲で擦りながら歩いていると、急に横から腕が伸びてきた。
驚いている間に、空室へ引き摺り込まれる。
そのまま床へ倒れ込むと、背中から抱かれ、両手両足でがっちりホールドされた。
「何、何、何!?」
パニックになりがら藻掻くも、ビクともしない。
見えた褐色の肌に、誰かを察し、振り向いた。
「ネオさん!?」
「これは堪んねぇ……」
ぐりぐりと頭を押し付けられる。
「あのー」
「にゃあ」
ぐりぐりぐり。
鳴き声で返事があり、脱力する。
横で細長い尻尾がパタパタと音を立てていた。
「もう酔ってるんですか?」
「なぁー」
「早くない!? いくら何でも早くない!?」
ホテルで会ったときも、会議室でも、距離を取る余裕はあったはずだ。
腕を引かれた時点で、既に特性の効果が出ていたんだろうか。
うなうな言いながら、ネオは頭を擦り続ける。
そこで王城のパーティーで獣人の使者に睨まれたのを思いだした。
使者からすれば外交の場で、酔っ払うわけにはいかなかったのだろう。さっさと退場して正解だっと、今更ながら答え合わせをする。
(母さんにもあるのかな?)
ユージンは、外見から気質まで母親譲りだ。特性も受け継いでいる可能性は高い。
サーフェスやリヒュテは首を傾げていたものの、父親には僅かに効果があったのかもしれなかった。
特性を知って嫁に貰ったというのなら、あの母親でも納得できる気がする。
ことあるごとに、生きているだけで偉い、と口にするのも。
しかし獣人への効き目には天井を仰ぐしかなかった。
(酔いが覚めるまで待つ?)
いかんせん、力で対抗できないので、されるがままである。
諦めかけていると、耳の裏を湿った感触が通っていった。
ベロリと舐められる。
「ネオさん!? 気を確かに!? これ絶対あとで後悔するやつですよ!」
酔っ払ったときの記憶が残っていれば、まず頭を抱えるだろう。
何が悲しくて男の耳を舐めないといけないのか。
辛うじて動く手でネオの腕を叩くものの、ザリザリと襟足まで舌が伸びる。
「あ、もしかして毛づくろいされてます?」
獣人と動物を一緒したら失礼だが、やってることに覚えがあった。
猫に懐かれると、大体肌を舐められる。もしくはふみふみされた。
「何にしても汚いですよ」
せめてもの抵抗に、説得を試みる。
ザリザリザリ。
「ダメだ、これ」
酔っ払いに通じるはずもなく、ユージンはボーっとすることにした。
もし部屋の前を通りかかる人がいたら、そのときは助けを呼ぼう。
体から力を抜けば、疲れも相まって、自ずと瞼が下りていった。
◆◆◆◆◆◆
気付いた――起きたときには、ネオの姿はなかった。
正気に戻った彼の苦悩を思うと、自分から様子を見に行くのは憚られた。忘れてあげるのが一番だろう。
極力近付かないようにしようと決める。
これに関してはネオも同じ考えのようで、視界に入ると、次の瞬間にはいなくなっていた。
朝一で森へ出発するため、冒険者たちが砦前に並んでいる今も、ユージンの視界には映らない。
会話がままならないのだけは残念だった。
会議後、他の冒険者からは声をかけられることが増えたから余計に。
「おい、坊主! 帰ったとき用に酒を用意しとけよ!」
スキンヘッドの男こと、赤眼のドウキに頼まれる。
「残念ながら支援物資には含まれてません」
「そこにいる商人から買えばいいだろうが! 頭固ぇな!」
すっかり気さくになった相手に苦笑が浮かんだ。
果たして接待交際費として認められるか否か。視線で上司にお伺いを立てる。
まずは町の酒屋に相談してみましょう、と返答があった。金額によっては経費と認めてくれるようだ。
砦前の出店は、運搬の手間賃が加算されるため割高だった。
町で安酒を買うほうが量を用意できる。
町を守った冒険者のためなら、店の人も値引き交渉に応じてくれるかもしれない。
「お楽しみは町まで取っておいてください!」
「しゃーねぇなぁ! 下級クラスの魔物なんざ一日で片してやらぁ!」
離れゆく背中に、お気を付けて! と言葉を送る。
最後尾の補給部隊を見送り、砦へ戻った。
賑やかだった空間が静まり返っている光景は、何度見ても胸に来るものがある。
ユージンは基本的に見送る側だ。
無事を祈り、仲間が元気に帰ってくるのを待つ。
それはギルド職員も同じようで、互いに肩を叩いて励まし合う。
「俺たちは、俺たちにしかできないことをしよう」
酒屋への交渉は任せとけ! と請け負ってくれた。
砦から森までは移動だけで半日かかる。
討伐が一日で終わっても、余裕をみて帰りは三日後になるだろう。
町へも同じだけかかるので、ギルド職員は予算を聞くなり出発を決めた。
「よろしくお願いします」
「馴染みの酒屋があるからな、期待してくれてていいぞ」
依頼完了後の酒盛りは一般的だという。
地元のことは、地元の人間に任せれば間違いがなかった。
砦前の出店にとっては機会を逃したものの、量を用意できるわけではない。また高くてもいいから砦へ帰るなりすぐに飲みたい人もいる。
冒険者が無事に帰ってくる限り、商人たちの稼ぎ時はまだまだあった。
◆◆◆◆◆◆
人が減り、静かになった砦が様相を変えたのは、翌日の夕方だった。
ずっと姿を見せていなかった騎士団の一向が到着したのである。
砦へ着くなり、彼らは横暴に振る舞った。
「メシだ、メシ! 女と酒はどこだ!?」
「バーカ、砦に女と酒があるかよ!」
「ならとっとと出店へ行こうぜ!」
「先にメシだ。タダで食えるんだからな」
食堂で出される食事は、支援物資から賄われているので無料だ。
騎士団にも食べる権利はあるが、態度がどうしても鼻についた。
戦地から来たのなら羽目を外すのもわかるし、労いもする。
けれど彼らは町から来たのだ。
(良い雰囲気じゃないなぁ)
柄の悪さは、冒険者に引けを取らない。
気にしても仕方ないかと、上司の部屋へ退散する。
入室すると、上司は窓から外を眺めていた。
「一応これで彼らも面目が立ったんでしょうかね」
「騎士団への分配は言われてませんが、大丈夫なんでしょうか?」
「伯爵は騎士団を前線へ出す気がないようなので、砦で無事に過ごせれば問題ないでしょう」
来訪は予期していたので、食材の備蓄はあった。
消費量によっては追加が必要だが、騎士団の人数は冒険者とそう変わらないので、算段がつく。
心配なのは。
「帰ってきた冒険者たちと顔を合わせたら衝突しそうですよね」
冒険者からしたら、ただ飯食らいである。
少しは手伝えと言いたくなるだろう。
上司はやれやれと首を振る。
「それまでに砦を出立してくれるよう願うほかありません。このまま大きな問題もなく、帰路に就きたいものです」
砦の仕事が終われば、上司とユージンは王都へ帰る。
後処理だけなら地元の文官だけでなんとかなった。できるなら残ってほしそうだが、辞令に後処理は含まれていない。
折角できた友人と別れるのは寂しいけれど。
「ユージンくんにとっては良い経験になったでしょう。特級クラスの冒険者とも知り合えましたし。友好を築いておいて損はないですよ」
「はい、得られた縁を大事にします」
平民にとっての貴族のように、特級クラスの冒険者は、貴族でも会うのが難しい。
招待状は出せるが、応えられるとは限らないからだ。他の貴族からの牽制もあった。
「そういえば『青き閃光』は、伯爵と懇意なんですか?」
「私の聞いた話だと、伯爵は熱烈にアプローチしているようだね。今のところ、まだ決まった後ろ盾はないようだ」
貴族と繋がりを持てば後ろ盾を得られるが、同時に自由も制限されがちだ。
他国への移動を拒まれるのが最たる例だった。
有事の際、戦力として傍にいてもらわなければ、後援する意味がない。
そのため社交界に興味がない限り、特定の貴族と繋がりを持つ冒険者パーティーは限られた。
会議のあとのほうが、精神的にどっと疲れた。
誰が羞恥責めに遭うと予想できただろうか。
まだ頬が熱い。
ゴシゴシと手の甲で擦りながら歩いていると、急に横から腕が伸びてきた。
驚いている間に、空室へ引き摺り込まれる。
そのまま床へ倒れ込むと、背中から抱かれ、両手両足でがっちりホールドされた。
「何、何、何!?」
パニックになりがら藻掻くも、ビクともしない。
見えた褐色の肌に、誰かを察し、振り向いた。
「ネオさん!?」
「これは堪んねぇ……」
ぐりぐりと頭を押し付けられる。
「あのー」
「にゃあ」
ぐりぐりぐり。
鳴き声で返事があり、脱力する。
横で細長い尻尾がパタパタと音を立てていた。
「もう酔ってるんですか?」
「なぁー」
「早くない!? いくら何でも早くない!?」
ホテルで会ったときも、会議室でも、距離を取る余裕はあったはずだ。
腕を引かれた時点で、既に特性の効果が出ていたんだろうか。
うなうな言いながら、ネオは頭を擦り続ける。
そこで王城のパーティーで獣人の使者に睨まれたのを思いだした。
使者からすれば外交の場で、酔っ払うわけにはいかなかったのだろう。さっさと退場して正解だっと、今更ながら答え合わせをする。
(母さんにもあるのかな?)
ユージンは、外見から気質まで母親譲りだ。特性も受け継いでいる可能性は高い。
サーフェスやリヒュテは首を傾げていたものの、父親には僅かに効果があったのかもしれなかった。
特性を知って嫁に貰ったというのなら、あの母親でも納得できる気がする。
ことあるごとに、生きているだけで偉い、と口にするのも。
しかし獣人への効き目には天井を仰ぐしかなかった。
(酔いが覚めるまで待つ?)
いかんせん、力で対抗できないので、されるがままである。
諦めかけていると、耳の裏を湿った感触が通っていった。
ベロリと舐められる。
「ネオさん!? 気を確かに!? これ絶対あとで後悔するやつですよ!」
酔っ払ったときの記憶が残っていれば、まず頭を抱えるだろう。
何が悲しくて男の耳を舐めないといけないのか。
辛うじて動く手でネオの腕を叩くものの、ザリザリと襟足まで舌が伸びる。
「あ、もしかして毛づくろいされてます?」
獣人と動物を一緒したら失礼だが、やってることに覚えがあった。
猫に懐かれると、大体肌を舐められる。もしくはふみふみされた。
「何にしても汚いですよ」
せめてもの抵抗に、説得を試みる。
ザリザリザリ。
「ダメだ、これ」
酔っ払いに通じるはずもなく、ユージンはボーっとすることにした。
もし部屋の前を通りかかる人がいたら、そのときは助けを呼ぼう。
体から力を抜けば、疲れも相まって、自ずと瞼が下りていった。
◆◆◆◆◆◆
気付いた――起きたときには、ネオの姿はなかった。
正気に戻った彼の苦悩を思うと、自分から様子を見に行くのは憚られた。忘れてあげるのが一番だろう。
極力近付かないようにしようと決める。
これに関してはネオも同じ考えのようで、視界に入ると、次の瞬間にはいなくなっていた。
朝一で森へ出発するため、冒険者たちが砦前に並んでいる今も、ユージンの視界には映らない。
会話がままならないのだけは残念だった。
会議後、他の冒険者からは声をかけられることが増えたから余計に。
「おい、坊主! 帰ったとき用に酒を用意しとけよ!」
スキンヘッドの男こと、赤眼のドウキに頼まれる。
「残念ながら支援物資には含まれてません」
「そこにいる商人から買えばいいだろうが! 頭固ぇな!」
すっかり気さくになった相手に苦笑が浮かんだ。
果たして接待交際費として認められるか否か。視線で上司にお伺いを立てる。
まずは町の酒屋に相談してみましょう、と返答があった。金額によっては経費と認めてくれるようだ。
砦前の出店は、運搬の手間賃が加算されるため割高だった。
町で安酒を買うほうが量を用意できる。
町を守った冒険者のためなら、店の人も値引き交渉に応じてくれるかもしれない。
「お楽しみは町まで取っておいてください!」
「しゃーねぇなぁ! 下級クラスの魔物なんざ一日で片してやらぁ!」
離れゆく背中に、お気を付けて! と言葉を送る。
最後尾の補給部隊を見送り、砦へ戻った。
賑やかだった空間が静まり返っている光景は、何度見ても胸に来るものがある。
ユージンは基本的に見送る側だ。
無事を祈り、仲間が元気に帰ってくるのを待つ。
それはギルド職員も同じようで、互いに肩を叩いて励まし合う。
「俺たちは、俺たちにしかできないことをしよう」
酒屋への交渉は任せとけ! と請け負ってくれた。
砦から森までは移動だけで半日かかる。
討伐が一日で終わっても、余裕をみて帰りは三日後になるだろう。
町へも同じだけかかるので、ギルド職員は予算を聞くなり出発を決めた。
「よろしくお願いします」
「馴染みの酒屋があるからな、期待してくれてていいぞ」
依頼完了後の酒盛りは一般的だという。
地元のことは、地元の人間に任せれば間違いがなかった。
砦前の出店にとっては機会を逃したものの、量を用意できるわけではない。また高くてもいいから砦へ帰るなりすぐに飲みたい人もいる。
冒険者が無事に帰ってくる限り、商人たちの稼ぎ時はまだまだあった。
◆◆◆◆◆◆
人が減り、静かになった砦が様相を変えたのは、翌日の夕方だった。
ずっと姿を見せていなかった騎士団の一向が到着したのである。
砦へ着くなり、彼らは横暴に振る舞った。
「メシだ、メシ! 女と酒はどこだ!?」
「バーカ、砦に女と酒があるかよ!」
「ならとっとと出店へ行こうぜ!」
「先にメシだ。タダで食えるんだからな」
食堂で出される食事は、支援物資から賄われているので無料だ。
騎士団にも食べる権利はあるが、態度がどうしても鼻についた。
戦地から来たのなら羽目を外すのもわかるし、労いもする。
けれど彼らは町から来たのだ。
(良い雰囲気じゃないなぁ)
柄の悪さは、冒険者に引けを取らない。
気にしても仕方ないかと、上司の部屋へ退散する。
入室すると、上司は窓から外を眺めていた。
「一応これで彼らも面目が立ったんでしょうかね」
「騎士団への分配は言われてませんが、大丈夫なんでしょうか?」
「伯爵は騎士団を前線へ出す気がないようなので、砦で無事に過ごせれば問題ないでしょう」
来訪は予期していたので、食材の備蓄はあった。
消費量によっては追加が必要だが、騎士団の人数は冒険者とそう変わらないので、算段がつく。
心配なのは。
「帰ってきた冒険者たちと顔を合わせたら衝突しそうですよね」
冒険者からしたら、ただ飯食らいである。
少しは手伝えと言いたくなるだろう。
上司はやれやれと首を振る。
「それまでに砦を出立してくれるよう願うほかありません。このまま大きな問題もなく、帰路に就きたいものです」
砦の仕事が終われば、上司とユージンは王都へ帰る。
後処理だけなら地元の文官だけでなんとかなった。できるなら残ってほしそうだが、辞令に後処理は含まれていない。
折角できた友人と別れるのは寂しいけれど。
「ユージンくんにとっては良い経験になったでしょう。特級クラスの冒険者とも知り合えましたし。友好を築いておいて損はないですよ」
「はい、得られた縁を大事にします」
平民にとっての貴族のように、特級クラスの冒険者は、貴族でも会うのが難しい。
招待状は出せるが、応えられるとは限らないからだ。他の貴族からの牽制もあった。
「そういえば『青き閃光』は、伯爵と懇意なんですか?」
「私の聞いた話だと、伯爵は熱烈にアプローチしているようだね。今のところ、まだ決まった後ろ盾はないようだ」
貴族と繋がりを持てば後ろ盾を得られるが、同時に自由も制限されがちだ。
他国への移動を拒まれるのが最たる例だった。
有事の際、戦力として傍にいてもらわなければ、後援する意味がない。
そのため社交界に興味がない限り、特定の貴族と繋がりを持つ冒険者パーティーは限られた。
あなたにおすすめの小説
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る
黒木 鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。