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第一章 忍び寄る影
12話 オリエンテーション。但し、説明会。
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「はいっと、ご紹介にあずかりました、風紀委員長の早川虹海です。……なんです、みなちゃん?」
「い、いえいえ、なんでもありませんよ? ただ、早川さんの口から丁寧語が出てくるのが珍しいなんて、全然これっぽっちも思っていませんからね?」
「いや、思ってるよね? 完全に口に出しちゃってるよね!?」
くすくすとオリエンテーション会場に笑いが起こった。
「むぅ。まぁ、いいわ。ここからは、風紀委員の番ね。各担任から聞いてるとは思うけど、風紀委員は学内の秩序及び環境を維持する、唯一生徒会から独立している委員会よ。部門としては、主に三つ。風紀部、罰則強制執行部、情報部ね。風紀部は……まぁ、これはどの部門でもやってるのだけど、校則を違反していないかの確認。校内の美化活動が主な活動内容ね。罰則強制執行部は、学内での秩序の維持、学内緊急通報の111番通報の対応とかがメインね。情報部は、関係各所との連絡、他部門の支援が主ね。っと、忘れてた。この学校の学内の定義なんだけど、正門駅から先は全てこの学校の敷地内なのよ。だから、警察権はよっぽどのことがない限り、干渉できない。と言うか、私たちの要請が無いと警察は一切、敷居を跨ぐことが出来ない。つまり、110番通報があっても対処できないのよ。ゆえに、それを補うために風紀委員が作られて、この学校の為に法律が作られ、風紀委員に限定的な逮捕権が与えられているの。皆も何かあったら電話で♯111に電話するのよ? 風紀委員のオペレーターに繋がるから。あとは……風紀委員は二十四時間体制で、夜間に就いた子は次の日は公欠扱いになるわ。その分、勉強を頑張らないといけないけど、私たちが手伝って教えるから大丈夫。あっ、そうそう。一つ忘れてた。今年から、自警団を募集することにしたわ。業務内容は風紀委員の罰則強制執行部とほぼ同じ。詳細は学校に帰ってからね♪ 会長、これでいい?」
麗那嬢がぐっと親指を立てて微笑む。あの人は結構おちゃめなところがあるからな。俺がお世話しに行った時も──っと。話に集中しないと。
「ん。そうね。基本的に、風紀委員は各クラスに一人。そして任期は卒業するまで。だけど、やめることは可能。興味が出たら、ぜひ参加してね♪」
最後にウィンクを華麗に決めてマイクを水口先輩に返した。
「次も早川先輩の番なんですから、返さなくてもいいのですが。まぁ、いいです。先生方、資料の配布をお願いします」
引率の教師がプリントの束を最前列の生徒に渡し、後ろへと届くのを待つ。
その間、姉弟子は水分を補給し、スマホを弄り始める。
「えーっと、あったあった」
彼女はそう言うと、スピーカーを耳に近付け、話し始めた。
「あ、梓紗ちゃん? 私私~」
『新手のオレオレ詐欺ですか? で、どうしたんですか、委員長?』
「えっとね、前々から計画してたやつあったでしょ?」
『自警団ですか。公募用ポスターの原本ならもう出来てますが』
「それ、もう公表してくれて構わないよ。募集人数は百二十人。募集期間は四月中。選考は五月からで、結成は六月から。空いてた分はこれだけかな」
『はい、ありがとうごz──ちょっと待ってください。至急至急、風紀委員本部からPS3。どうぞ──』
漏れ聞こえる内容から察するに、姉弟子がオレオレ詐欺を皇先輩に敢行したのか?
うーん、相変わらずな人だな。
「あー、あとでメールしておくから、見といてね。じゃっ!」
そう言って一方的に電話を切った。
彼女が振り返ると、水口先輩が頷き、始めてもいいことを伝えている。
これから説明することは、確か校則のことだったか。んで、その後が単位取得方法か。
ま、あまり聞いてなくても大丈夫か。
そう考え、C4SCの通信内容に意識を向けたのだった。
「い、いえいえ、なんでもありませんよ? ただ、早川さんの口から丁寧語が出てくるのが珍しいなんて、全然これっぽっちも思っていませんからね?」
「いや、思ってるよね? 完全に口に出しちゃってるよね!?」
くすくすとオリエンテーション会場に笑いが起こった。
「むぅ。まぁ、いいわ。ここからは、風紀委員の番ね。各担任から聞いてるとは思うけど、風紀委員は学内の秩序及び環境を維持する、唯一生徒会から独立している委員会よ。部門としては、主に三つ。風紀部、罰則強制執行部、情報部ね。風紀部は……まぁ、これはどの部門でもやってるのだけど、校則を違反していないかの確認。校内の美化活動が主な活動内容ね。罰則強制執行部は、学内での秩序の維持、学内緊急通報の111番通報の対応とかがメインね。情報部は、関係各所との連絡、他部門の支援が主ね。っと、忘れてた。この学校の学内の定義なんだけど、正門駅から先は全てこの学校の敷地内なのよ。だから、警察権はよっぽどのことがない限り、干渉できない。と言うか、私たちの要請が無いと警察は一切、敷居を跨ぐことが出来ない。つまり、110番通報があっても対処できないのよ。ゆえに、それを補うために風紀委員が作られて、この学校の為に法律が作られ、風紀委員に限定的な逮捕権が与えられているの。皆も何かあったら電話で♯111に電話するのよ? 風紀委員のオペレーターに繋がるから。あとは……風紀委員は二十四時間体制で、夜間に就いた子は次の日は公欠扱いになるわ。その分、勉強を頑張らないといけないけど、私たちが手伝って教えるから大丈夫。あっ、そうそう。一つ忘れてた。今年から、自警団を募集することにしたわ。業務内容は風紀委員の罰則強制執行部とほぼ同じ。詳細は学校に帰ってからね♪ 会長、これでいい?」
麗那嬢がぐっと親指を立てて微笑む。あの人は結構おちゃめなところがあるからな。俺がお世話しに行った時も──っと。話に集中しないと。
「ん。そうね。基本的に、風紀委員は各クラスに一人。そして任期は卒業するまで。だけど、やめることは可能。興味が出たら、ぜひ参加してね♪」
最後にウィンクを華麗に決めてマイクを水口先輩に返した。
「次も早川先輩の番なんですから、返さなくてもいいのですが。まぁ、いいです。先生方、資料の配布をお願いします」
引率の教師がプリントの束を最前列の生徒に渡し、後ろへと届くのを待つ。
その間、姉弟子は水分を補給し、スマホを弄り始める。
「えーっと、あったあった」
彼女はそう言うと、スピーカーを耳に近付け、話し始めた。
「あ、梓紗ちゃん? 私私~」
『新手のオレオレ詐欺ですか? で、どうしたんですか、委員長?』
「えっとね、前々から計画してたやつあったでしょ?」
『自警団ですか。公募用ポスターの原本ならもう出来てますが』
「それ、もう公表してくれて構わないよ。募集人数は百二十人。募集期間は四月中。選考は五月からで、結成は六月から。空いてた分はこれだけかな」
『はい、ありがとうごz──ちょっと待ってください。至急至急、風紀委員本部からPS3。どうぞ──』
漏れ聞こえる内容から察するに、姉弟子がオレオレ詐欺を皇先輩に敢行したのか?
うーん、相変わらずな人だな。
「あー、あとでメールしておくから、見といてね。じゃっ!」
そう言って一方的に電話を切った。
彼女が振り返ると、水口先輩が頷き、始めてもいいことを伝えている。
これから説明することは、確か校則のことだったか。んで、その後が単位取得方法か。
ま、あまり聞いてなくても大丈夫か。
そう考え、C4SCの通信内容に意識を向けたのだった。
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