異世界に再召喚されたら人族よりも魔族の方がマトモでした

月夜桜

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第3話 獣耳っ娘は至高なんだよぉ!

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 次の日、俺らは訓練という名の戦闘能力計測をこっそりと抜け出して人気のない場所に来ていた。

「さて、じゃあやるぞ」
「ん」
「《顕現せよ・我が望むは高潔なる黄金狐・我が呼び掛けに答えよ》」

 すると、魔術式が浮かび上がり、一人の女性が現れる。
 その女性の頭には狐らしい耳が。おしりからは狐のような尻尾が生えており、ふさふさゆらゆらしている。
 召喚が終わり、魔術式が消えると女性が俺に向かって駆け出した。

「ご主人!」

 ぼふっという音とともに俺の胸に飛び込む。

「会いたかった。会いたかったわぁ……」

 そのまま頭を胸にぐりぐりと擦り付ける彼女。
 彼女の頭を優しく撫でて「ごめんな」と言う。

「月乃は本当に、祐希君が好き」
「そりゃそうやわぁ。なんせ、ウチが初めて負けた相手やさかい、惚れるのも当たり前やわ」
「ん。わかる。けど、祐希君は私のモノ。例え月乃でも渡さない」

 そう言って、俺の愛しい彼女は左腕に抱きつく。
 柔らかい感触が左腕を包み込む。

「……あの、楓さん? その、貴女の柔らかくて大きいモノが当たってるんですけど」
「当ててんのよ」

 何故、楓がそのネタを知っている?

「ていうか、今まで何度も見てるのに当てられたぐらいどうってことないでしょ?」
「いや、確かにそうだけどさ……」
「ほんと、お二人は仲がええなぁ。羨ましいわぁ」
「はいはい。雑談はそこまで。月乃、やって欲しいことがあるんだが、大丈夫か?」
「大丈夫や。例え、大丈夫やなかっても、ご主人の頼みなら大丈夫になるようにすんのが、ウチの役目やさかい」

 その言葉に「変わってないな」と零す。

「なら、今の王都の状況を偵察してきて欲しい。最悪の場合、強行突破で王都を脱出する」
「了解や。……春乃も喚んでもらわれへんやろか? ウチだけやと範囲が広すぎるさかい、【分身】を使える春乃も欲しいわ。ウチと春乃の分身、計八体もおったらなんとかなるはずや」
「了解」

 先程と同じ呪文を唱え、春乃を召喚する。

「──っ!!」

 ぽふん
 春乃が俺に抱きつく。

「くんくん。くんくん。ご主人様の匂いなのじゃ……」
「こら、勝手に人の匂いを嗅ぐな」
「ご主人様、我より先に月乃を喚ぶなぞ、どんな了見じゃ?」
「喚び出す順番なんか関係ないだろ?」
「大アリなのじゃ!」

 ぽかぽかぽかと胸を叩く獣人少女。
 月乃とは反対に、その外装はまな板であり、背も比較的小さい。
 何故か知らないが、春乃に対しては楓も張り合ったりしない。……何故だろうか?
 ……楓の視線が月乃の双丘で釘付けになっている気が……ああ、そういう事か。ったく、心配しすぎだっての。

「ほ~ら、月乃の胸に対抗意識を燃やさないの」

 楓の頭をチョップして意識をこっちに向けさせる。

「うぅ……痛い。酷い。断固抗議する」
「却下する。第一、お前のも、うちのクラスの平均から考えたら十分大きいじゃねぇか」
「ふーん。祐希君は、私の他にもクラスの女子の胸を見てたんだ?」

 楓さん、その笑顔だけで人が殺せそうな程に怖いんですが。

「うおっほん。春乃、詳細は月乃から聞いてくれるか?」
「分かったのじゃ」

 春乃はそこで一息を吐き、俺の方を見てこう言った。

「我ら【妖狐の姫】は、今一度、汝と契約を結ばん。《コントラクト》」
「それ、必要か? 前の契約は永久契約だったはずだが……」
「気分の問題じゃ。端から魔術なぞ起動しとらんし」
「それは分かってる。こう見えても元勇者だぞ?」
「そうじゃな」

 ひとしきり、俺に抱きついて満足したのか、春乃は尻尾を振りながら俺から離れ、鼻歌を歌いだす。

「よし、それじゃあ、行け」

 俺の掛け声とともに、二人は元からそこにいなかったかのように掻き消えた。
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