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第4話 クズをぶっ飛ばして逃げます( ・´ー・`)
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二日後
何やら騒ぎが起こっている様なので、俺は様子を見に行くことにした。
「いや、やめてッ、離してッ!!」
「佐田先輩! 初瀬先輩が嫌がっているじゃないですか!! 離してあげてください!!」
──ッ! あのクソ野郎ッ!!
昨日の夜、久しぶりに取り出したペアリングネックレスの力を使って楓の直ぐ近くに転移、そのままの流れで回し蹴りの体勢に入り、クソ野郎の鳩尾を蹴り上げる。
腹に当たる瞬間に、魔力を脚先に集め、当たった瞬間に魔力を爆発させてクソ野郎の魔力を逆流させる。
米軍式近接格闘術に魔術を組み合わせた魔術的近接格闘術だ。超近接格闘術──通称、CQCとは少し違う。少なくとも、俺はそう思っている。
「楓、大丈夫か?」
「う、うん。ありがと」
「えーと、桑乃さん、楓を助けようとしてくれてありがとな」
「い、いえっ!」
桑乃が少し頬を染めているが、今はそんな事を気にする暇はない。
「祐希君」
「ああ、これは想像以上だ。……殺すつもりで蹴ったんだがな。まだ生きているか──クソ勇者」
周りからの殺気……つい先日まで平和に溺れた国に居たとは思えない濃さ。
そんな物を生徒達が出せるはずがない。
「だけど、事実。現に、彼ら彼女らは私達に向けて殺気を放っている。計画を早める必要がある」
「そこに加筆修正をする。こいつの意思次第だが、ここで連れて行く。いいか?」
「うん、大丈夫。私もそう考えてた」
後ろで桑乃が「あわわ、お二人共通じ合っていて凄いですっ」とか、この状況で呑気な事を言っているが気にしない。
「いたた……須加原君、やってくれるね?」
「あれだけの魔力を叩き込んだのに生きてるとか、お前本当に人間か?」
「さぁね。それよりも楓さん、須加原君から離れなさい。君は彼にとってすぎた存在です」
「私は、私の隣にいる人を、私が選ぶ。私の隣に今までいたのは誰? 貴方? 違う。私の隣にいるのは、祐希以外に有り得ない。これはこの世の絶対不変の真理。例え、世界が滅びようとも、女神が地に落ちようとも変わらない。これは既に決定された事項──」
楓が珍しく怒っている。
いや、俺もキレかけているが、楓が怒っている事によってなんとか理性を保てている。
「楓」
可愛い彼女の頭に手をぽんっと乗せて少し乱暴に撫でてやる。
「怒ってくれてありがとう。流石、俺の唯一無二のパートナーだ」
「私の隣にいるのは、貴方しか居ない。私の隣に立てるのは、貴方だけ」
「まぁな。俺よりも戦闘力の強い前衛職さん?」
「むぅ……その話はやめて」
「……柚葵さん。彼から離れるんだ。彼は危険だ」
ん? 次は桑乃か?
「何故ですか! 女性に手をあげるような人は信用出来ませんっ!」
「考えてみるんだ。彼は、この三日間、一度も訓練に参加していなかった。それなのに勇者の僕を吹き飛ばしたんだ。裏で何かやっていたに違いない。例えば──魔族と取引とか」
はぁ……またありもしないことを。
王家の書庫に侵入して現状がどうなっているかを探っていたのが仇となったか。
「おい、桑乃。あいつに耳を貸すな。今から問うことにすぐ答えるんだ。お前は、俺達と一緒に来るか?」
後ろから驚いた様な魔力の揺らめきを感じる。
暫くして、彼女は声を振り絞って紡ぎ出す。
「行きます。先輩達と一緒に、連れて行ってください」
「了承だ」
その間もクソ勇者は桑乃を引き込もうと話を続ける。
「自発的に来ないというのなら、実力行使をするしか《ないよね?》」
──ッ!? 魔力!?
「《白き意識よ明瞭に》《保て我が意思よ》」
【精神防御】を仲間に付与する詠唱と自分に付与する詠唱をしてクソ勇者の【魅了】をやり過ごす。
次の瞬間、先程まで殺意を向けているだけだった他の生徒達がこちらに向かって詠唱をし始めた。
──ピュイィィィィィィィィィっ!
特定の魔術的波動をのせた指笛を鳴らす。
瞬間、月乃と春乃が俺の目の前に現れた。
「月乃、春乃、すまないが王都を脱出する」
「殿は任してや~」
「なのじゃ!」
「頼もしい限りだな。交戦しても良し。生死は問わん。だが、此奴らにお前達の手を汚す価値は無い。王女は絶対に殺すな」
「詳細な王都地図と合流予定地点は魔宝珠に送っといたさかい、そこで待っといてくれはる?」
「了解。ありがとう、月乃。楓、行くぞ」
「うん」
俺は楓の返事を聞くと、桑乃を抱き抱えて【縮地】──自身の精神体を一時的に別次元へ移動させることによって高速移動する戦闘技術の連続行使によって王宮の訓練場から脱出するのであった。
何やら騒ぎが起こっている様なので、俺は様子を見に行くことにした。
「いや、やめてッ、離してッ!!」
「佐田先輩! 初瀬先輩が嫌がっているじゃないですか!! 離してあげてください!!」
──ッ! あのクソ野郎ッ!!
昨日の夜、久しぶりに取り出したペアリングネックレスの力を使って楓の直ぐ近くに転移、そのままの流れで回し蹴りの体勢に入り、クソ野郎の鳩尾を蹴り上げる。
腹に当たる瞬間に、魔力を脚先に集め、当たった瞬間に魔力を爆発させてクソ野郎の魔力を逆流させる。
米軍式近接格闘術に魔術を組み合わせた魔術的近接格闘術だ。超近接格闘術──通称、CQCとは少し違う。少なくとも、俺はそう思っている。
「楓、大丈夫か?」
「う、うん。ありがと」
「えーと、桑乃さん、楓を助けようとしてくれてありがとな」
「い、いえっ!」
桑乃が少し頬を染めているが、今はそんな事を気にする暇はない。
「祐希君」
「ああ、これは想像以上だ。……殺すつもりで蹴ったんだがな。まだ生きているか──クソ勇者」
周りからの殺気……つい先日まで平和に溺れた国に居たとは思えない濃さ。
そんな物を生徒達が出せるはずがない。
「だけど、事実。現に、彼ら彼女らは私達に向けて殺気を放っている。計画を早める必要がある」
「そこに加筆修正をする。こいつの意思次第だが、ここで連れて行く。いいか?」
「うん、大丈夫。私もそう考えてた」
後ろで桑乃が「あわわ、お二人共通じ合っていて凄いですっ」とか、この状況で呑気な事を言っているが気にしない。
「いたた……須加原君、やってくれるね?」
「あれだけの魔力を叩き込んだのに生きてるとか、お前本当に人間か?」
「さぁね。それよりも楓さん、須加原君から離れなさい。君は彼にとってすぎた存在です」
「私は、私の隣にいる人を、私が選ぶ。私の隣に今までいたのは誰? 貴方? 違う。私の隣にいるのは、祐希以外に有り得ない。これはこの世の絶対不変の真理。例え、世界が滅びようとも、女神が地に落ちようとも変わらない。これは既に決定された事項──」
楓が珍しく怒っている。
いや、俺もキレかけているが、楓が怒っている事によってなんとか理性を保てている。
「楓」
可愛い彼女の頭に手をぽんっと乗せて少し乱暴に撫でてやる。
「怒ってくれてありがとう。流石、俺の唯一無二のパートナーだ」
「私の隣にいるのは、貴方しか居ない。私の隣に立てるのは、貴方だけ」
「まぁな。俺よりも戦闘力の強い前衛職さん?」
「むぅ……その話はやめて」
「……柚葵さん。彼から離れるんだ。彼は危険だ」
ん? 次は桑乃か?
「何故ですか! 女性に手をあげるような人は信用出来ませんっ!」
「考えてみるんだ。彼は、この三日間、一度も訓練に参加していなかった。それなのに勇者の僕を吹き飛ばしたんだ。裏で何かやっていたに違いない。例えば──魔族と取引とか」
はぁ……またありもしないことを。
王家の書庫に侵入して現状がどうなっているかを探っていたのが仇となったか。
「おい、桑乃。あいつに耳を貸すな。今から問うことにすぐ答えるんだ。お前は、俺達と一緒に来るか?」
後ろから驚いた様な魔力の揺らめきを感じる。
暫くして、彼女は声を振り絞って紡ぎ出す。
「行きます。先輩達と一緒に、連れて行ってください」
「了承だ」
その間もクソ勇者は桑乃を引き込もうと話を続ける。
「自発的に来ないというのなら、実力行使をするしか《ないよね?》」
──ッ!? 魔力!?
「《白き意識よ明瞭に》《保て我が意思よ》」
【精神防御】を仲間に付与する詠唱と自分に付与する詠唱をしてクソ勇者の【魅了】をやり過ごす。
次の瞬間、先程まで殺意を向けているだけだった他の生徒達がこちらに向かって詠唱をし始めた。
──ピュイィィィィィィィィィっ!
特定の魔術的波動をのせた指笛を鳴らす。
瞬間、月乃と春乃が俺の目の前に現れた。
「月乃、春乃、すまないが王都を脱出する」
「殿は任してや~」
「なのじゃ!」
「頼もしい限りだな。交戦しても良し。生死は問わん。だが、此奴らにお前達の手を汚す価値は無い。王女は絶対に殺すな」
「詳細な王都地図と合流予定地点は魔宝珠に送っといたさかい、そこで待っといてくれはる?」
「了解。ありがとう、月乃。楓、行くぞ」
「うん」
俺は楓の返事を聞くと、桑乃を抱き抱えて【縮地】──自身の精神体を一時的に別次元へ移動させることによって高速移動する戦闘技術の連続行使によって王宮の訓練場から脱出するのであった。
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