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宇宙編

新合体!

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アクセルペダルを、目一杯踏み込んではいるものの。

魔皇帝デビルエンペラーに乗り慣れているせいか、どうしても遅く感じてしまう。

「レイ。 合流時間は、どれくらい掛かりそうだ?」

『アイザック達までの所で1分40秒。』

「結構かかるな。」

魔皇帝デビルエンペラーが早すぎるだけなの。 これが普通なんだからね。』

と、その時だった。

「うわっ!何だこいつらっ!」

「ぐっ!早い!」

「うわぁあああ。」

突然、連合チャットで、同盟プレイヤーたちが騒ぎ始める。

「なんだ! どうしたんだ!?」

悠夜ゆうやも連合チャットで問いかける。

「こちら!マグロ漁船! 新たな敵機を補足! 数100!

現在応戦中だが! こいつら! プレイヤー機だっ!」

返って来たのは意外な言葉だった。


 * * * *


「何処だっ! 悠夜ゆうやの奴っ! 出てきやがれっ!」

「ちょっと落ち着きなさいよ。 ゼクト。

私たちの目的は、オリオンサーバーのプレイヤーの邪魔が目的なのよ。」

「うるせぇよっ! 俺は!悠夜ゆうやにやり返したいだけなんだよっ!」

6本の腕に握られたレーザーブレードを振り回しながら、黒い機体がオリオンサーバーのプレイヤー達の機体に次々とダメージを与えていく。

「邪魔だあああああああ!」

黒い機体。 ゼクトの駆る阿修羅あしゅらから、幾条ものビームが発射されて、オリオンサーバーのプレイヤーの機体の数体か沈む。

『マスター! 右!』

MUGENー001の声に、とっさの判断で攻撃を受け止める。

「楽しそうだな。おぃ。 俺とも遊んでくれよ!」

ゼクトの駆る阿修羅あしゅらに攻撃を仕掛けたのはサムソンだった。

「低ランクが! うざいんだよっ!」

5本の腕が、上下左右と正面からサムソンの駆る機体サラマンダー改に襲い掛かる。

逃げ場がない攻撃に、サラマンダー改は機体を後ろに下げるしかない。

が。最後の1本の腕が、ビームライフルをサラマンダー改目掛けて撃ちだす。

「ごっうっ!」

ビームがサラマンダー改に直撃して、耐久力HPを2割ほど奪う。

「おらおらおらおらおらっ!」

サラマンダー改に詰め寄り斬撃を浴びせるゼクト。

「くっそっ! ファイアハンドッ!」

サムソンは、ゼクトからの攻撃を食らいながらも引く事はせずに。

逆に、阿修羅あしゅらに向かって距離を詰め攻撃を放つ。

「あめえぇんだよっ!」

6本中の2本の腕で、サラマンダー改の攻撃を弾いて、サラマンダー改にビームサーベルで切りつける。

サラマンダー改の耐久力HPが更に大きく減る。

サムソンは距離を取ろうとするが。

「だから、あめえぇってんだよっ!」

更に2本の腕で、サラマンダー改の腕を取り逃さないように掴む。

「終わりだっ!」

残りの2本の腕で、サラマンダー改のコクピット部分目掛けてビームサーベルを突き立てる。

ゼクトの放った攻撃は、クリティカルヒットとなり。 サラマンダー改の耐久力HPがレッドゾーンに入り。

残り僅かの所で止まる。

「ちっ!」

舌打ちをして、サラマンダー改に止めを刺そうとした時だった。

『マスター! 真上!』

MUGENー001の声に反応して上を見れば。

味方機が1機、ゼクトの方に向かって近づいてくる。

「うぉっ!」

ガインッ!

激しい音と共に、そのままゼクトの機体にぶつかる。

味方の機体がぶつかっただけなので、機体にはダメージが入っていない。

味方機を押しのけると。そこには初めて見る機体が。

しかし、プレイヤーを示すネームタグには 悠夜ゆうや と表記されている。

悠夜ゆうや!」

有無を言わさずに冥王サタンに襲い掛かる。

冥王サタンは両手にビーム大鎌サイスを構えて、6本ある阿修羅あしゅらの腕の攻撃の4本の攻撃を受け流す。

残りの2本の攻撃は最小限の動きで躱す。

「ボロボロだな。サムソン。」

阿修羅あしゅらの連撃を最小限の動きで躱しながら。 さっき、サムソンに言われた言葉をそのまま返す。

「見ての通り。って事で、撤退させてもらうわ。」

耐久力HPはリペアキットを使い回復させているが。

内部ダメージが大きすぎて、機体がまともに動かなくなっている。

味方機3機が近寄って来て、サムソンと一緒に鋼の騎士団スティール・ナイツ戦艦ギルドハウスに戻っていく。



 * * * *


「しつこいっ!」

白と青のツートンカラーの機体の攻撃を躱しながら言う香織かおり

「もう。つれないなあ、香織かおりちゃんってば。」

全チャノーマルチャット香織かおりに話すツートンカラーの機体。

「せえ~っかく。 私も、機体を新調させったってのに。」

彼女の名前はミア。

駆る機体は戦女神アテネ

「ストーカー、お断りなんでっ!」

戦女神アテネの攻撃を回避しつつ、攻撃を繰り出す戦姫ヴァルキリー

「やだなぁ。 ストーカーだなんて。 私は香織かおりちゃんのファンなだけだよ。」

自慢するように胸を張って答えるミア。

その際に、ミアの分厚い胸部装甲が上下に大きく揺れる。

ビームライフルで攻撃しつつ、戦姫ヴァルキリーに接近していく戦女神アテネ

「毎回。毎回。絡んでくるっ! 面倒くさい事この上ないんですってっ!(特にデカい胸が!)」

近接戦に持ち込んで激しく切り合う戦女神アテネ戦姫ヴァルキリー

対して、香織かおりの薄い胸部装甲は悲しい事に揺れもしない。

胸部装甲対決では、ミアの圧勝である。

「「フェザーっ!」」

お互いに近接戦闘をこなしながら、両機が精神感応サイコリンク兵器のフェザーを展開する。

両機を囲むように展開するフェザー。

その数、16。

「なによ・・・。その数・・・。」

展開されたフェザー数を見て、香織かおりが唖然となる。

「どう。凄いでしょ。」

口角を吊り上げながら笑みを浮かべるミア。

香織かおりが動かしているフェザーの数は4。

そう。それ以外は、全てミアの動かすフェザー。

香織かおりの三倍の数のフェザーを動かしているのだ。

「「ファイア!」」

攻撃をしたのは。ほぼ同時。

「くっ!」

「つっ!」

しかし、圧倒的数の違いに、戦姫ヴァルキリーの右腕と左脚が部位破損してしまう。

「「香織かおりさんっ!」」

香織かおりの危機に駆けつけてきたのは健太けんた頼子よりこ

健太けんたの新機体の真狼シンロウ

頼子よりこが駆る機体は真風シンプウ

「健ちゃん!」

「頼ちゃん!」

「「真渾合体シンコンガッタイ!!」」

二体の機体が超高速変形合体して、1つの機体と為る。

「「芽緒杜メオト!!」」

「ぶっ! あっーははははっ!ひっぃひっひひっぃぃぃぃ!」

ミア。膝をバンバン叩いての大爆笑で或る。

それも、そうだろう。

新郎(真狼シンロウ)と、新婦(真風シンプウ)が、合体し一つに為って夫婦(芽緒杜メオト)になる。

完全にネタとしか思えない機体名である。

因みに、合体して複座式と為ったコクピット内での健太けんた頼子よりこ

二人は、顔どころか耳と首筋まで真っ赤である。

「しし!仕方ないだろうっ! こう言う名前なんだからっ!」

「そそ!そうです! 私たちだって恥ずかしんですからねっ!」

「もうさあ。 貴方たち。 さっさと、くっ付いたら。」

恥ずかしがる健太けんた頼子よりこを見て言う香織かおり

香織かおりさんにだけは言われたくありませんからっ!」

頼子よりこが声を大にして言う。

「そうだ!そうだ! そっちこそ悠夜ゆうやと早くくっ付いてくれよっ!」

「「見てる。こっち(私)がヤキモキするんだからですよ!。」」

息ピッタリの健太けんた頼子よりこ

その瞬間、時間ときがピシっっと固まると。

香織かおりの表情が能面のようになり。

戦姫ヴァルキリーの銃口が、芽緒杜メオトの方に向けらロックオンされる。

「ちょ!香織かおりさん! 敵はアッチ!アッチ!」

「誰と誰が、アツアツですってぇ?」

「ちげぇから! そんな事言ってねぇから! 銃口向けタゲる相手も違うから!」

「コヒュー。コヒュー。」

ミア、笑い過ぎて呼吸困難に為っている状況。
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