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《第二部》僕の彼氏

守ってください

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「さっきから、橘が色んな奴に絡まれて大変なんだって。これはクラスとして責任あるんじゃないかな、なぁ委員長。」

そう箕輪君が、大袈裟にキヨくん達に報告するものだから、僕は困ってしまった。キヨくんが眉を顰めて言った。

「…そうなる気がしてたんだ。三浦と違って、橘はつけ込みどころがいっぱいだからな。」

そう言いながら、ラーメンライスを食べるキヨくんはチラッと僕を見た。そっか、さっき誘ってくれたのって、この事を見越してだったんだ…。僕はキヨくんの心遣いを無碍にしてしまったんだと反省した。


「え~私も守って欲しいぃ♡」

そう言ってシナを作る三浦君に、長谷川君達がゲラゲラ笑って盛り上がった。でも三浦君はひとしきり笑った後、僕の方を向いて言った。

「でもこんな動画が拡散するくらいだから、襲われないように橘にはしばらく護衛が必要かもな、マジで。」

そう手元のスマホを見せた。それはさっき箕輪君が見せてくれたものをもう少しヤバめに加工してあって、流石に僕にもそれが何を意味してるのか分かって、顔が熱くなった。


「…じゃあ、俺が橘のガードするよ。」

そうキヨくんが眼鏡の曇りをハンカチで拭いながら言った。眼鏡を取ったキヨくんが涼やかな眼差しで僕をじっと見るから、僕は急にドキドキして、困ってしまった。箕輪君がキヨくんの顔をマジマジと見つめて言った。

「へーえ、委員長ってマジモンのイケメンなんだ。その眼鏡って度数も大した事ないだろ?何で眼鏡してんの?」

すると三浦君が言った。


「確かに委員長って、入学当初眼鏡かけてなかったよな。あれか?上級生に何かしきりに絡まれてたろ。そのせいか?」

するとキヨくんは顔を顰めて眼鏡を掛けると言った。

「関心を寄せられたくない相手から、不用意に興味持たれてもウザイだけだろ。案外眼鏡は役に立つんだ。それに実際黒板も見えにくかったし。」


すると箕輪君がニヤニヤして言った。

「さすが委員長、モテる男は違うね。じゃあ、話は戻るけど、橘の事よろしく。俺たちじゃいまいち威圧感無くって。委員長なら守ってくれそうだ。良かったな、橘。委員長から離れるなよ?」

するとキヨくんは少し笑みを含んだ口調で言った。

「だってさ。…橘どうする?」

僕は皆の視線を感じながら、キヨくんを気持ち睨みながら言った。

「…じゃあ、委員長、宜しくお願いします。」







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