38 / 68
並行な道
ああ、そう言うことか
しおりを挟む
僕はふわふわした気持ちでベッドへ転がった。翔ちゃんとキスしちゃった…。指でなぞるとそれは本当だったと自覚する。キスはキスでもいきなりディープなやつだった。いや、どうかな。びっくりし過ぎてあまり記憶がない。
僕はベッドに突っ伏して、足をバタバタさせて呻いた。マジかー!これって何のご褒美?正直五十嵐先輩とのキスは性的興奮だとか、エロいとか、好奇心で始まったキスだった。
だからさっきの翔ちゃんとのキスとは違う…。ドキドキ半端なかったな…。
僕はガバリとベッドに起き上がって顔を顰めた。
「翔ちゃんて彼女いるじゃん…。」
声に出してしまえばそれは馬鹿みたいに現実が僕をタコ殴りしてくる。そう言えば翔ちゃん言ったよね。『関係ないなら、関係ある様にする。』って。要は僕が先輩とイチャコラしてるのが心配で、口出すために僕とキスして関係者になるって事なのかな。
僕はもう一度仰向けに寝転がって呟いた。
「そっかぁ。そう言う事なのか…。」
そう言えば慶太ともお試しのキスしたじゃんね、僕。ハハ、手当たり次第だ。でも翔ちゃんとのキスは翔ちゃんからして来たんだ。僕のせいじゃないよ。翔ちゃんは僕が中学生なのに、先輩とイチャコラするのが気に入らないのかな。
男同士で妊娠もしないし、別に関係なくない?あ、…翔ちゃんて男ともキス出来るって事だよね。僕といっぱいした。どうせ彼女ともキスやそれ以上もしてるんだろうから、そう言うのって何だっけ。…バイだ。やな感じ。僕は女の子と全然そんな気になれないから、なんか…。
結局そんな事ばかりうだうだ考えているうちに、すっかり眠ってしまっていた。朝になって気がつけば、メッセージがあちこちから来ていた。
先輩からはマンションから撮った、綺麗な花火の写真。一緒に見たかったってコメントついてたけど、慶太と約束してなかったら、一緒に見てただろうし、翔ちゃんとキスも無かっただろうし、何か複雑な気持ちだな。
[綺麗だね。近くで見上げたらお腹に響いたよ。]
当たり障りのないコメントを送って、慶太のゴメンスタンプに大丈夫スタンプとコメントを送り返す。
[今度アイス奢って]
意外な人からもメッセージが届いているみたいだ。昨日連絡先を交換した青山さんだ。見たら返さなくちゃいけないから保留…。もう一つ最後に残してたメッセージを恐る恐る開いた。翔ちゃんから届いたコメントをじっと見つめた。
[無事に帰った?]
え。これだけ?僕はスマホをベッドに放ると目を閉じた。訳がわからない。関係者って何よ。どうせ幼馴染が男遊びしてるから心配したとかそう言うやつでしょ。自分がキスすればもうしないと思ってる?くそっ。やっぱり訳わかんない。
考えても分からないから返信もどう返して良いか分からない…。保留。
昨日の花火大会で、随分と振り回された。でも一生無いと思ってた、翔ちゃんとキス出来ただけ良いと思うべきなのかな。なぞる様に思い出せば、結構ちゃんとしたキスだった。気持ち良くてうっとりした。翔ちゃんキスも上手なのか。
…これから何か始まるのかな。翔ちゃんには彼女いるから、始まるわけないと本当は分かってるけど。
しばらく先輩と会うのも止めた方がいいかも。こんな気持ちで先輩とイチャイチャ出来ない。あまり振り回して受験に響いても困るし。
結局僕は先輩にとっては疫病神のような気がしてきた。先輩は大丈夫だって言ってたけど、もし僕が他の人とキスしたって知ったら、動揺する気がするし。もう、会わない方がいい?
考えてもキリのない事をウダウダ考えているうちに、部活の時間が近づいてきた。僕は慌てて飛び起きると、シャワーを浴びて母さんにせっつかれながら玄関を飛び出した。
夏休みは、もう後残り1週間だ。
僕はベッドに突っ伏して、足をバタバタさせて呻いた。マジかー!これって何のご褒美?正直五十嵐先輩とのキスは性的興奮だとか、エロいとか、好奇心で始まったキスだった。
だからさっきの翔ちゃんとのキスとは違う…。ドキドキ半端なかったな…。
僕はガバリとベッドに起き上がって顔を顰めた。
「翔ちゃんて彼女いるじゃん…。」
声に出してしまえばそれは馬鹿みたいに現実が僕をタコ殴りしてくる。そう言えば翔ちゃん言ったよね。『関係ないなら、関係ある様にする。』って。要は僕が先輩とイチャコラしてるのが心配で、口出すために僕とキスして関係者になるって事なのかな。
僕はもう一度仰向けに寝転がって呟いた。
「そっかぁ。そう言う事なのか…。」
そう言えば慶太ともお試しのキスしたじゃんね、僕。ハハ、手当たり次第だ。でも翔ちゃんとのキスは翔ちゃんからして来たんだ。僕のせいじゃないよ。翔ちゃんは僕が中学生なのに、先輩とイチャコラするのが気に入らないのかな。
男同士で妊娠もしないし、別に関係なくない?あ、…翔ちゃんて男ともキス出来るって事だよね。僕といっぱいした。どうせ彼女ともキスやそれ以上もしてるんだろうから、そう言うのって何だっけ。…バイだ。やな感じ。僕は女の子と全然そんな気になれないから、なんか…。
結局そんな事ばかりうだうだ考えているうちに、すっかり眠ってしまっていた。朝になって気がつけば、メッセージがあちこちから来ていた。
先輩からはマンションから撮った、綺麗な花火の写真。一緒に見たかったってコメントついてたけど、慶太と約束してなかったら、一緒に見てただろうし、翔ちゃんとキスも無かっただろうし、何か複雑な気持ちだな。
[綺麗だね。近くで見上げたらお腹に響いたよ。]
当たり障りのないコメントを送って、慶太のゴメンスタンプに大丈夫スタンプとコメントを送り返す。
[今度アイス奢って]
意外な人からもメッセージが届いているみたいだ。昨日連絡先を交換した青山さんだ。見たら返さなくちゃいけないから保留…。もう一つ最後に残してたメッセージを恐る恐る開いた。翔ちゃんから届いたコメントをじっと見つめた。
[無事に帰った?]
え。これだけ?僕はスマホをベッドに放ると目を閉じた。訳がわからない。関係者って何よ。どうせ幼馴染が男遊びしてるから心配したとかそう言うやつでしょ。自分がキスすればもうしないと思ってる?くそっ。やっぱり訳わかんない。
考えても分からないから返信もどう返して良いか分からない…。保留。
昨日の花火大会で、随分と振り回された。でも一生無いと思ってた、翔ちゃんとキス出来ただけ良いと思うべきなのかな。なぞる様に思い出せば、結構ちゃんとしたキスだった。気持ち良くてうっとりした。翔ちゃんキスも上手なのか。
…これから何か始まるのかな。翔ちゃんには彼女いるから、始まるわけないと本当は分かってるけど。
しばらく先輩と会うのも止めた方がいいかも。こんな気持ちで先輩とイチャイチャ出来ない。あまり振り回して受験に響いても困るし。
結局僕は先輩にとっては疫病神のような気がしてきた。先輩は大丈夫だって言ってたけど、もし僕が他の人とキスしたって知ったら、動揺する気がするし。もう、会わない方がいい?
考えてもキリのない事をウダウダ考えているうちに、部活の時間が近づいてきた。僕は慌てて飛び起きると、シャワーを浴びて母さんにせっつかれながら玄関を飛び出した。
夏休みは、もう後残り1週間だ。
13
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
箱庭の子ども〜世話焼き侍従と訳あり王子〜
真木もぐ
BL
「他人に触られるのも、そばに寄られるのも嫌だ。……怖い」
現代ヨーロッパの小国。王子として生まれながら、接触恐怖症のため身分を隠して生活するエリオットの元へ、王宮から侍従がやって来る。ロイヤルウェディングを控えた兄から、特別な役割で式に出て欲しいとの誘いだった。
無理だと断り、招待状を運んできた侍従を追い返すのだが、この侍従、己の出世にはエリオットが必要だと言って譲らない。
しかし散らかり放題の部屋を見た侍従が、説得より先に掃除を始めたことから、二人の関係は思わぬ方向へ転がり始める。
おいおい、ロイヤルウエディングどこ行った?
世話焼き侍従×ワケあり王子の恋物語。
※は性描写のほか、注意が必要な表現を含みます。
この小説は、投稿サイト「ムーンライトノベルズ」「エブリスタ」「カクヨム」で掲載しています。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜
中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」
大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。
しかも、現役大学生である。
「え、あの子で大丈夫なんか……?」
幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。
――誰もが気づかないうちに。
専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。
「命に代えても、お守りします」
そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。
そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める――
「僕、舐められるの得意やねん」
敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。
その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。
それは忠誠か、それとも――
そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。
「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」
最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。
極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。
これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】
彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。
高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。
(これが最後のチャンスかもしれない)
流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。
(できれば、春樹に彼女が出来ませんように)
そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。
*********
久しぶりに始めてみました
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる