青い山の果てに

モンド

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第一章

スキルとレベル

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木の上の寝床に横になりながら僕は考えた。
身体に引き摺られるように一人称が私から僕に変化し始めた。
先ずは名前を決めないと困るな、それと出自についてだ。

名前は、リョウマが良いかな元々坂本だけに。
出自は・・・遠い国の名も無き小さな村の出、両親は既にいない。
これくらいで良いか、あとはこの世界の人に会ったらこの世界の常識を早めに知らなければ。
お金は大事なので、魔物や獣の換金できそうな素材は積極的に収納して何処かのギルドに売りに行こう。

そんなことを考えているうちに僕は夢の中に旅立った。
「中々上手くやっているようね。安心したわ。その調子でよろしく、そのまま進めば4・5日後には人が住む地域に到着するはずよ。」
と言う夢か現実かわからない声が頭に残った状態で朝を迎えた。

「朝か。さっきのアレは女神の神託かな。それでは今日も元気に歩きましょうか。」
と言いながら僕は寝床に使った敷物を収納して木から降りると、昨日の残りのホーンラビットの肉を齧りながら歩き始めた。

歩くこと小1時間、周囲の風景が変わって来た。
ゴツゴツとした岩が目立ち始め池のような水溜りが目の前に現れた。
「ここなら獣が水飲みに来そうだ、狩りをしようかな。」
見晴らしの良さそうな丘の上に移動し、池を見ながら魔法の練習を行う。

「サーチの範囲を広くするには・・・これはかなり魔力を喰うな。」
「遠距離攻撃の魔法を習得しないとレベル上げが進まない気がするな。」
「先ずは、水魔法での攻撃を・・・ジェット水流で切断」
水魔法の水を細く薄くして激しい流れで放出すると、約10m先の岩が切断された。
[水魔法を取得しました。]
しかし距離を30m程に取ると効果が出なくなった。

「もう少し遠くまで攻撃できる魔法が欲しいな。次は風かな。」
と思い風の魔法をイメージしながら先ずは、空気の塊を飛ばす。
5mほど先の岩が「ボン」と音を立てて欠けた。
[風魔法を取得しました。]
その風を薄く圧縮して半月のイメージで飛ばしてみる。
「ズサッ」
良い音を立てて5m先の岩は50cmの幅で深い切り込みが入っていた。
距離を取ると約30mまでなら岩が切れるほどの威力があった。
「まずまずだな、土魔法はどうかな」

僕は土の棘をイメージしながら目の前に飛ばすイメージを固めて魔法を行使する。
目の前にドリルのような捻れた岩が出来上がると、石を思いっきり投げたくらいの速度で飛び出した。
石は約50m程で地面に落ちた。
[土魔法を習得しました。]
「これって空気の魔法を重ねればもっと遠くに早く飛ばせるのでは?」
さっそく空気の通路をイメージしながらそこを通るように石のドリルをイメージして飛ばす。

「キーン」「・・・ドーン」
と言う甲高い音を残して飛び出した石は、数百m先の岩山に届いたと思ったら、岩山が半分吹き飛んだ。
「すごい威力だ。あとは一度に撃てる数を増やす工夫をしなければ。」
[複合魔法を習得しました。]

大きな音を立てたので池に集まりかけた動物などが遠くに逃げ去った。
仕方が無いので小さな小石を複数作って飛ばす練習をしながら獲物が来るのを待った。
同時に10個飛ばすことができるようになったところで、池に獲物が現れた。

大きな猪のような姿、ただ角が何本も生えてる。
これは魔物かもしれない。
距離は200m。
小さなドリル状の石を空気の通路を猪の頭に繋げて「撃つ!」
「ボフッ」
と言う重い音がして頭の半分が吹き飛んだ。
「アレでもオーバーキルなのか。」
ドサっという感じで倒れた大きな猪のような魔物?は声ひとつ上げずに倒せた。

近づいて収納しながら解体をすると魔石というのが出て来た。
「魔石、やはり魔物なのか。」
[経験値が上限に達しました、レベルが上がりました。]
「レベル!やっぱりこの世界にはレベルがあるんだ。ならば積極的にレベルやスキルを上げていこう。」
僕はゲームでもしている感覚になり、笑顔で他の魔物を探し始めたのだった。

その後僕は、2日ほど池の側で野営をした。
その間に数種類の魔物を50頭ほど倒して魔石や素材を手に入れた。
スキルについても、[気配隠匿][身体強化][剣術][体術][並行思考][再生][錬金術]を手に入れて魔法も[火魔法][飛行魔法]を新たに手に入れた。
この飛行魔法は嬉しかった、人が鳥のように空を飛ぶことがこんなに楽しいとは思わなかった。

女神の話では後3、4日も歩けば人の住む場所に辿り着くとの話だった。
ならば空を飛んでいけば・・・多分数時間で着くはずだよな。
今僕の飛行魔法は、一度に飛べる時間が約2時間。
休憩しながらなら今日のうちに着くのではないだろうか。

そう思いながら僕は飛行魔法で街の方を目指した。

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