青い山の果てに

モンド

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第二章

拠点作り

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「拠点か・・・」
思わず独り言が口から出た。

家族や親しい友人もいない僕に・・・家が必要なのか?
まあ考えてもしょうがないか、明日は森の奥に行って金になる魔物を狩ってくるかな。

その日の僕は精神的な疲れでぐっすりと寝入っていた、既に宿の周辺には僕を見張る目があることに気づかず。

次の朝早く僕は森の深層部へ足を踏み入れていた。

サーチを使い周辺の魔物を探す、「居た!」かなり大きいが大丈夫だろう。
移動するとそこには図鑑で観た恐竜のような魔物がいた。
「何でもありの世界だな、あれはドラゴンではないのかな?」
と思いつつ鑑定すると
[地竜 特異種 年齢233歳  属性 火 土 ]
やっぱりドラゴンの仲間か、属性から言えば火を吐き土魔法で攻撃するのかな。

姿は翼がなく大きな口に牙、短い前足に鋭い爪恐竜で言えばティラノサウルスに似ている。
皮膚は硬そうで長い尾は脅威だな、後ろ足を中心に攻撃するべきか。

僕は木の影から様子を見ながら混合魔法のストローニードルを10発生成する、4発は頭部の目を中心に残りは3発ずつ両足にねらいを定めて。
「発射!」「「「シュッ」」」
軽い音が聞こえたと同時に地竜の目を中心に小さな穴が開き後頭部が弾ける、さらに両足が膝から千切れ飛ぶ。
「少し過剰だったかな」
「ズーン」と言う音と共に地竜はその場に倒れ身動きひとつしない。
討伐完了である。
[レベルが上がりました。]
何度聞いたか覚えていないメッセージが頭に響く、どのくらいレベルが上がったのやら。

それからも大きな魔物を中心に狩りを行った、多分今日の狩りの買取で家が買えるだろう。
家をもらうのは後ろめたいと言うか、引け目を感じるから断ることにして自分で拠点を求めることにしたのだ。

夕方前に街に戻りギルドで買取の手続きを行う。
「リョウマ様買取の規模はどの程度でしょうか?」
素材をここで出すか解体場でだすかの問いだ。
「今日は大物が多いので解体場で出します。」
そう言いながら担当の受付嬢と解体場に向かう。

「ルーナどうした?」
解体場の職員が受付嬢に声をかけた、と言うことは普段はついてこないのか。
「はい、こちらの冒険者が大物の素材を買取に持ってこられましたので、案内をしました。」
「・・・そうか。それならここに出してもらおうか。」
職員は僕の方を見て素材を出すよう要求して来た。
「このに出しますね、少し量が多いので下がってください。」
と言いながら10体ほどの魔物を取り出し解体場の半分を魔物で占めた。
「・・・少しがこの量かよ!」
「しかも地竜にサイクロプスにコカトリス、ワイバーン・・火竜かよ。」
驚き職員から木札を受け取りギルド内に戻る。
戻りながら受付嬢に
「家を購入しようと考えてます、何処に相談すればいいですか?」
「家ですか!確かにあの素材の質と量なら家が余裕で買えますね。ギルドの紹介する不動産屋がありますが、紹介状を用意したほうがいいでしょう。ギルマスに書いてもらいますので買取金を受け取る際に寄ってください。」
量的に買取金額を貰えるのは3日後になるようだ。

2日ほど暇になったので、今の手持ちで買える物を買い揃えることにした。
「家を管理する人・・・メイド、庭師、調理人・・・家のまとめをする人もいるのか?確か・・家令とか言ってたよな。」
秘密の多い僕にとっては奴隷がいいのかな?」

宿に戻り店主に
「近いうちに家を買って引越そうかと考えているんだが、家のことをする人がいない。奴隷商とかあるんですか?」
と聞くと
「その年でもう家持ちかよ、それなら奴隷がいいかもな。冒険者ギルドから北に行くと商業地街がある、そこに「自由の羽」と言う店がある。紹介状とかあるならそこが一番だろうな。」
と教えてくれた。
「ありがとうございます。紹介状はもらえそうなので行ってみますね。」
とお礼を言って再度街に出ると日用品を買いに商業地街へ足を向けた。


「おお、ここが「自由の羽」か。」と確認しながら家具屋などを巡り買い付けては後日取りに来ると言い付けてかなりの量の買い物をしていた。
その様子を遠くから見つめる人がいた。
帰り道奴隷商の前を通りかかると、声をかけられた。
「お客様当店にはご用はありませんか?」
執事のような格好の初老の男性だった。
「ここは「自由の羽」だよね、今日は紹介状を持ってないから・・・」
と言い淀むと
「大丈夫です、今日当店の商品を確認するだけなら紹介状は不要です。さあどうぞ」
と言われるままに店の中に。

中には広いエントランスがあり、商談用のブースが3つほどあった。
その一つに座り僕は美味しい紅茶を頂きながら、男性の説明を聞きつつ僕の欲しい奴隷の種族や特技年齢性別を尋ねられ、それに答えていたところ。
「それでは大まかな人選をしました、何人か見て行かれませんか?」
と声をかけられ別室に連れて行かれた。

その部屋は奥に客用の椅子とテーブルが置いてあり他にな何もない部屋だった。
すると扉が開き10人ほどの男女が入って来て僕の前に整列した。
「左から調理人または経験者が3人、庭師または経験者が2人、メイド経験者または適性のあるものが4人、最後は家令経験者2名です。お好きに質問などしてください。」
と言われたので僕は、鑑定をしながらいくつかの質問を行なった。

「家族は?、故郷は?、主人が僕のような子供では?、働く環境は?・・・」
などと尋ねながら受け答えで人となりを判断していった。
奴隷たちが部屋から出た後、案内の男性に
「多分3日後くらいにはこれると思うが、何人か予約してもいいかな?」
「勿論です。」
と答える男性に
「でも僕みたいな子供によく商品を見せましたね。」
と疑問を口にすると。
「ええ、貴方様が大きな買い物をしているのが見えていましたから。それに紹介状をもらえる信用もあるご様子なので、問題ありません。」
とにっこりと答えた。
予約という形で手付を1割払い店を出た僕は、宿に帰ると食事をして休むことにした。

3日後。
ギルドで買取金額と紹介状をもらい、不動産屋に向かった。
「初めまして、リョウマ様当店の責任者ギールと申します。条件をお話しください。」
既に話が通っていたようで、すぐに物件の話になった。
いくつかの希望を伝えると、5件ほどの物件があると答え今から見に行くという。

物件を見始めて3件目。
「ここが当店1番のおすすめの物件です。広い庭と3階建ての本館に2階建ての使用人ようの建物と厩と馬車保管用倉庫が付いております。」
と言いながら外観の説明の後、内覧が始まる。
「おお!お風呂じゃないですか。」
思わず興奮してはしゃいでしまったがそれはしょうがない。
この世界でお風呂は貴族や豪商が持つ程度で庶民には無縁のものなのである。

「残りの物件にはお風呂は?」
と問うと
「残念ながらありません」
との答え。
「分かりましたここにします、手続きをお願いします。」
と答えた僕。
ここに僕の拠点が決まった瞬間だった。

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