青い山の果てに

モンド

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第二章

新たな生活を

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僕は家を購入した後、家具や日用品の搬入依頼、奴隷の正規購入などを行い、3日後に正式に入居した。
「「「お帰りなさいませご主人様。」」」
玄関を開けると購入した奴隷たちが並び僕に挨拶をした。
結局、購入した奴隷は7人。
調理人~2名(カイル 35歳 男、ゲーツ 16歳 見習い 男)
庭師兼御者~1名(カリオン 38歳 男 元冒険者)
メイド~3名(カレン 16歳 猫獣人、ソフィア 17歳 猫獣人、ユリア ??歳 メイド長 ダークエルフ(人種に変幻中))
家令~1名(セバス 40歳 男 元侯爵家家令)

奴隷になった理由はそれぞれ、冒険者や調理人は怪我や経営不振から奴隷に、メイド達は災害や重病の家族のために奴隷に、家令はあまり言いたくないようだが無実の罪を着せられて奴隷落ちしたようだ。
「今回僕が君たちを家に必要な者として買い取りましたが、僕としてが家族として扱いたいので僕が間違ったり足りない時はその都度教えてくれると嬉しいです。」
と言うと代表するように家令のセバスが
「ありがとうございます。ただ主人と使用人との立場は変わりませんのでその点はご容赦くださいませ。ご主人様に対するご意見は私が代表してお伝えいたします。」
と頭を下げると他の皆も同じく頭を下げた。

「分かった。それぞれの住まいの部屋割りや必要な道具は問題なくあるのかな?」
と質問すると
「はい。ほとんどのものは揃ってございます。後は細々とした日用品と馬車用の馬と馬車でございます。」
「ん!馬車がいるの?」
「はい。自由の羽の旦那様から聞いたお話では、ご主人様はよんどころなき立場のお方とか。馬車を準備する必要はあると考えます。」
と答えるセバスに
「分かった、でも僕には購入する馬車や馬の良し悪しや規模がわからない、教えて欲しいのだが。」
と言うと
「はい問題ありません。私が手配いたしますので当座の生活費と馬車用の代金をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
「ああそうだね、ここに金貨200枚あるこれで足りるかな?」
「十分でございます」
金貨の袋を受け取ると頭を下げた。
「それと皆には給金を出そうと考えている、標準の5割り増しで与えるのでそれもお願いしてもいいかな?」
「5割増ですか!分かりました対処します。」
という話の後僕は一旦冒険者ギルドに向かった。

「・・・と言うことで家を購入したのでギルマスに伝えておいてください。」
担当の受付嬢ルーナにこと付けて家に戻った。

その日の昼食から家でご飯が食べれるようになった僕はとても満足していた。
「この後お風呂にも入れるし、意外と楽しい生活かもしれない。」
などと呑気な独り言を呟いた。


リョウマ家家令 セバス  サイド

私はとある国の公爵家に使える家令でありました。
見習いから数えて約25年真摯に仕えておりましたが、ある不祥事が発覚した際に私がその責任を取る形で奴隷落ちしました。
今でもその事については納得がいかないのですが、一奴隷の身の私ではどうすることもできません。
残りの人生をどうすごそうかと悩んでいたところに今回のお話がありました。
奴隷商の旦那様からは、
「特別な立場の方だからお前にぜひ頼みたい。」
と言われ店に来ていたご主人様にお会いいたしましたが、その時のことは今でも鮮明に覚えております。

まだ12・3歳くらいに見える少年は客用の椅子に座り旦那様の説明を聞いておりましたが、その後私共を鑑定しながら注意深く観察しておりました。
「あのお方の何が特別なのでしょうか」
と思う私共に幾つかの質問をされましたが、それが皆の身の上のターニングポイントである事を初めから知っているような感じでした。
冒険者と思われる服装ではありましたが、高い教養と思慮深い思考それに高潔な性格に見えました。

私は思わず
「また仕えるならばこのような人物に」
と思わず思ったものです。
そして管理する家に着くと貴族と見間違えるような屋敷であり、それを購入できる財力と信用があるのだと分かりました。
私ら奴隷に対する対応も実に素晴らしくかつ非常識でありました。
これから私がご主人様を常識的に教育することが私の仕事のようです。


リョウマ家調理人  カイル  サイド

俺は長年経営していた食堂の経営がうまくいかなくなりとうとう奴隷落ちしたのだ。
料理の腕には自信があった、そのため最高の食材で最高の料理を提供するのが俺のモットーだった。
そのため安い店や流行のメニューを出す店が増えた時に、経営方針を変えることができなかったのが間違いだった。
家族を助けるために離縁して俺だけが奴隷落ちして何とかしたのだが、仕送りをすることもできず苦しい生活を送っていると思うと、やるせない気持ちになる。

今回俺を買い求めたご主人様はまだ13歳に少年のような人物だが、非常に優しい方のようだ。
調理場を見た俺はまずその調理器具に驚いた、高価な魔道具がいくつも置いてある。
「ここなら俺の腕を存分に試せる」
と思わず思ったものだ。
しかも奴隷商で質問に答えたが家族の事を考えてくれて、必要なら使用人棟に住まわせても良いと言われた。
初めは信じられなかったが、どんどん話を進めるご主人様を見て
「この方は本当に優しいお方」
と納得するしかなかった。
後数日もすれば元妻と子供らがここにやってくる、また家族で過ごせるなんて。
しかも、ご主人様は新しいレシピを沢山お持ちのようだ、今から腕が鳴る。


リョウマ家庭師兼御者カリオン  サイド

俺は元冒険者のカリオン、俺が奴隷落ちしたのは冒険者時代に大きな怪我をしたことが始まりだ。
B級冒険者としてそこそこ有名になった俺は調子に乗って森の深層に入り過ぎたのだ。
そこにいたのは地竜、Aランクの冒険者が3~5パーティ揃って戦う相手だ。
そこで相手に気付かれる前に逃げればよかったのだが、俺たちのパーティは慢心していた。
5人のパーティで倒せると思い無謀にも戦い挑んだのだ。
悪い事にその地竜は特異種だった。
俺たちの攻撃は全く通じず俺を含む3人が大怪我、2人が亡くなったのだ。
運が良かったのは地竜が俺たちに固執していなかった事だ、俺たちの前に大きな魔物を仕留めていてそのため俺たちは見過ごされたのだ。

必死の思いで帰りついた俺たちは、城塞都市の門のところで気を失った。
その後は冒険者ギルドに運ばれ手当を受けて事情を聞かれたのだ。
生きて帰った3人は誰も冒険者を続ける事ができない怪我で、俺は右脚と左手の指を失った。
教会の高位の大司教であれば治すこともできると言われているがその対価は俺たち冒険者が用意できる値段ではない。
俺はその後庭師や御者をしながら暮らしていたが、子供の病気で薬代がかかり身を売ることになったのだ。

そしてこの家のご主人様だ、俺らを買う時にそれぞれの事情を聞いていたが、何故かそれぞれの詳しい事情を知っていたようだった。
その証拠にここに来てから俺の治療と別居している家族を呼んで一緒に住めばいいと言ってくれている。
そう、俺の治療をしてくれたのだ、動かない脚が動き出し指を失った手が指を生やしたのだ、これほどの治療魔法は噂で聞いた教会の高位の大司教並みだ。
俺は一生をかけてご主人様に仕える覚悟だ。

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