身一つで異世界に。 〜 何も持たない男が成り上がる。

モンド

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新しき仲間と過去の話

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新しい仲間セルを連れて屋敷の側に転移すると、俺の存在を感じた3人がやって来た。
「ご主人様その方は・・どなたで?」
カティーが直ぐにセルにことを聞いて来た。
「新しい仲間だよ、セルと言うんだ皆んな仲良くするんだよ。」
と紹介しながら
「セル、この3人は俺の大切な仲間だ。相談したいことや助けて欲しい的は俺や彼女らに聞くんだよ。」
と言うと
「おおそうですか、仲間ですか。セルです、皆さんよろしくお願いします。早速ですが美味しい食べ物や飲み物があれば欲しいのですが。」
と言い出したセルにコロネが直ぐに反応
「それなら私、コロネが案内するね。」
と言うとセルを引っ張っていった。

「ご主人様、今の彼は・・人ではありませんね、だからと言って魔物とも言えないような・・でもご主人の大切な仲間です、問題ありません。」
とムラサキは言うと俺の手を取りコロネの後を追った。

セルの格好は、赤いジャケット上下後は黒一色。
顔色は何処となく青白いがとてもイケメンです。
髪と瞳の色は、銀髪と黄金の瞳、如何にも異世界人だよ。

食堂に着くと、専属の料理人に既にたくさんの料理を注文していた。
料理人もはじめの1人から今では、30人ほどになっている。
理由は俺の料理がこの世界にはないもので、とても美味しいためレシピの要求もだが再現が難しく専属の料理人に、直接弟子入りをするものが増えたからだ。
各貴族家からも同じように修行に来ている料理人が常に5人はいる状態だ。
その為料理自体は非常に素早く出てくる、味は元の専属が10とすると7くらいかな。

「コレは何というか料理ですか?とても美味しいです。コレは!どうやって作るのですか?」
食べるのか質問するのか忙しいセル、楽しんでいるようで良いだろう。

その頃俺は家紋にドクロを模したイラストを書き込んでいた
「ご主人様、そのドクロがセル殿ですか?」
ムラサキの声
「ああそうだ、中々良い感じになった。」
自己満足中の俺、新作だと言う料理の味見を兼ねて軽い昼食を取る。
「○タッキーのフライドチキンとほぼ変わらない味!よくぞここまで、コレなら即メニューに追加だ。名はフライドチキンで。」
と感想を言いながら冷やしたエールを飲み込む。
「プファー!やっぱりコレだね。」
1人悦に入りながら無言で食べてるカティーを見て
「共食いの感じがするが問題何のかな。」
と小声で呟いた。

セルはその後もコロネと意気投合し、大いに食べて飲んだようだ。
夕刻に風呂に入っているとセルが入って来た。
「ほほー。コレが風呂ですか。流してから・・入ると。おお良い感じで身体がほぐれますな。」
と言いながら俺のそばまで来るとペコリと頭を下げて
「セブン殿誠にありがとうございました。私は存在そのものに嫌気が差し始めていた頃でした、コレからはあなたの側で新しき人生(?)を送りなおしたいと思います。」
と言った。
「まあ、無理せず、適当にな。」
と答えてから収納から酒とグラスを取り出しセルに渡しながら
「改めて友に乾杯だ。」
と言って酒を注ぎ合い酒を飲んだ。

その後セルが昔話をし始めた。
  数百年前セルはある貴族の3男で、自活のために学園でかなり努力をして王国の官吏と
 なったそうだ。
  5年ほどして愛する人が現れ結婚をすると、直ぐに可愛い娘が生まれたと言う。
  それから暫くして、不幸が起こり始める。
  娘が病に・・その頃では手の施しようがない難病(今でも同じようだ)で、薬や医者を探し
 て毎日歩き回ったが、その甲斐もなく娘は亡くなった。
  その後気落ちして寝込むようになった妻が、同じ病に罹るのにそれほどの時間はかから
 なかった。
  娘をなくした妻は生きる気持ちがなく、後を追うように亡くなったのだ。
 そしてその病が本当の病ではなく、セルの出世を妬んだ同僚の仕業と気づいたのは、妻の
 葬儀の時。たまたまその同僚が薬臭い男に金を渡しながら
 「俺のことは口にするなよ。」
 「それは大丈夫ですよ、あの薬は不治の病にそっくりな症状を見せるので、誰も毒殺とは
  思いませんよ。」
 と言う会話をしたのを耳にしたのだった。
 その後セルは人を信じることができなくなり、気が狂ったように研究をするようになった。
 「死者と生者について」
 戦争もあり、内戦や騙し合い酷い時代だったようだ。
 その中でセルは、ネキロマンサーの様な能力を得て、王国において強力な不死の軍団を
 作り上げたが、戦争が次第に落ち着くとセルの存在がとても怖いものとなり、王国はセル
 を殺害しようとし始めたのだ、他国に逃れたセルだが何処にいっても同じ様に命を狙われ
 始め、とうとう魔境に引き篭ったのだった。

 それから数百年いつの間にか不死王となり、永久の時間を過ごす住人となったのだ。

この話を聞いた俺は、個人であり得ないほどの力を持った者の運命だな、と思ったがそこで個人ではなく仲間が多くいればどうだったのかなと考えた。
仲間がいれば新しい国を作っても良かっただろう、個人の力は数の暴力で駆逐されるが、集団の力はその有用性で個を守ることができる。
「セルよ、此度は潰されない人生を送ろうぞ。」
と言えば、暫く沈黙していたセルだが俺の考えが分かった様で
「セブン、お前に任せる。」
と言いながら俺の手を確りと握った。

ここに4人目の仲間の真の誕生である。

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