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スラムの子供達
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ーー スラム街に向かおう。
歩きながら串焼きなどを売っている屋台の商品をさっきもらった金貨で、買えるだけ買って歩き出した。
パン屋を見つけそこでも大量購入、酒屋があったので安酒を樽で幾つか購入した。
王城から一番遠い場所を目指す。
庶民の家が密集している地区を抜けると、ドブ臭い匂いがしてきた。
「この辺りからがスラムか」
と呟きながら歩くと、道が人一人やっと通れるほどの道幅になる。
違法建築というか道端にも小屋が建てられているようだ。
迷路のような道を進むとボロボロの建物が見えてきた、
「これは・・教会跡なのか?」
と呟くと後ろから
「そうだよ、ここは女神教の教会跡だよ。今じゃ女神教を信じる者もいないからね。」
と突然、老婆が独り言のように話出した。
「今じゃ、身寄りのない孤児が雨風をなんとか避けているが、いつ壊れるかもわからないね。」
というのを聞いて
「なら直せばいいのではないか?」
と言えば、
「誰がそんなことできる?自分が生きるのもやっとなのに。」
と呟く老婆の声は悲しく聞こえた。
◇ 壊れかけの教会。
教会の前にたどり着くと、汚れてヨレヨレの服を着た子供が10人ほど現れた。
「教会で暮らしてる子か?」
と呼びかけると
「うん。」
と頷く子供ら
「腹減っただろ?」
「うん。もう3日何も食べてない。」
「よし俺が食わしてやる、どこで食べるんだ?」
と言いながら案内されるまま、壊れかけた教会内に入ると。
辛うじてテーブルの形を備えたような家具が。
俺はそれを外に運び出すと、収納から新しいテーブルを取り出し椅子を10脚取り出して置いた。
「お前たち体が汚すぎる、それじゃ美味い飯も不味くなる。先ずは風呂だな。」
と言いながら教会の外に持ち運び用の風呂を出すと周りを衝立で仕切り、お湯を沸かし始めた。
不思議そうにその姿を見る子供ら。
先ずはと思いながら手作りバケツを5つほど出すと、水を溜め。
「手を洗え顔も一緒だ、これが石鹸だ。」
と言いながら皆の手を洗わせた、すぐに水が真っ黒になる、何度も洗わせてやっと綺麗になったとこで串焼きを皿に20本ほど取り出し
「風呂が沸くまでこれで我慢しろ」
と言いながら串を食べさせて風呂が沸くのを待った。
薪をくべるように言い付けて俺は直ぐに商会を探し、子供用の服を50着ほど買うと教会に戻った。
ちょうど風呂が沸いた頃だった。
「先ずは女の子からだ。ここに並べ!」
と言うと6人が並んだので、風呂の中に3人ずつ入れて残りは見学。
「ここで服を脱げ、このカゴに全部入れろ。そしたらそこの簀に上がれ、椅子があるだろそこに腰掛けて後ろを向け。」
と言うと風呂桶からお湯を汲みながら頭からかけ始めた。
「おいそこの3人手伝え、頭から洗うぞ。石鹸をつけて泡立つまで何度も洗え。」
と言いながら何度もお湯をかけては洗ってやった。
5回ほどで泡立ち始めて7回でやっと綺麗になった気がした。
お湯を足しながら今度は、
「体を洗うぞ、このタオルに石鹸をつけて泡立たせてから体を擦るんだぞ。」
と言いながらこれも5回ぐらい洗って、
「お湯の中に入れ。」
とお湯につからせた、
「次の3人服を脱いで同じように洗うぞ。」
と言いながら頭からお湯をかけると、頭から洗い始めて体を洗い終わると
「初めの3人は出てこれで体をよく拭いて、これに着替えなさい。どれでもいいから体に合うやつを着るんだぞ。」
と服をたくさん取り出した。
ワイワイ言いながら服を着始める子供ら、俺は外に出ると残りの男の子4人に串を1本ずつ手渡し
「も少し待てよ。」
と言いつけて風呂場に戻る。
初めの子らが着替えたので、外に出すと次の子らにお前たちもこれで体を拭いたら、着替えておけよ。」
と言い残すと初めの子を連れて新しいテーブルに連れて行き、
「お前たちから食事を始めなさい。十分食べるものはあるから遠慮するな。」
と言いながら次々に料理を取り出し、それぞれに取り皿とホーク・スプーンを渡して大皿に取り分けようのトングやスプーンを置いて
「こうして食べたいものをこの器具で自分用の皿に取り分けて食べるんだぞ。いいかこぼしたり汚い食べ方はするなよ。ゆっくり食べるんだ。いいな。」
と言いながら最初は俺が取り分けて、一人一人の横に水の入ったコップを置いていった。
俺は風呂場に向かい着替えが済んだ子供を同じようにテーブルに連れて行くと、座らせて取り皿に料理を取り分け食べるように伝えた。
その後、残りの男の子を風呂に入れ始めた。
2人一組でお互いを洗い合わせて、綺麗になると湯船に浸けた。
「あ~っ。気持ちがいい。」
一人の子がそう言うと、別の子が
「お前の髪の毛そんな色だったんだ。」
とお互いの髪の色を確認していた。
体を拭かせ、新しい服に着替えさせるとテーブルに連れて行った。
女の子らは楽しそうに食事をしていた。
男の子らにも同じように取り分け
「いいか汚い食べ方や、汚すのは俺は嫌いだ、今後も食べたいならゆっくり綺麗に食べろよ。」
と言うと男の子も真剣に食べていた。
するとその様子を見ていた女性がいた
振り向くと気付いた子供の一人が
「シスターマリア、この人がご飯を食べさせてくれているの。」
と言うとマリアと呼ばれた女性は頭を下げながら
「シスターマリアです、あなたは子供をどうするつもりですか?」
と聞くので
「何もしないよ、体が汚いから洗って、腹が減っていたから飯を食べさせていただけだ。お前はこの子らの世話をしていたのか?」
と言うとこくりと頷いた。
「よしならば、お前も綺麗にならなければ飯を食わせられん。こっちに来い。」
と言いながら、風呂場に案内して
「お湯を変えてやるからお前も綺麗になれ、服は俺が持っている物で・・・これでいいだろう」
とワンピースを取り出して手渡した。
水を溜めて薪をくべると直ぐに暖まり始めたので、
「使い方はわかるか?これが石鹸だ、これが体を洗うタオルだ。これは身体を拭き上げるタオルだ。」
と説明しながら出入り口の扉を閉めて、お湯が熱くなったら教えろよ。と言うと外に出た。
1時間後綺麗になったシスターマリアがワンピースに着替えると、まだ17・8ぐらいの美少女だった。
「お前もこちに来い。」
と新たな椅子を取り出すと、お腹いっぱいになった子供らを見ながら
「取り皿だ、好きなものを取り分けて食べな。」
と言って眠くなった子供らを風呂場に連れて行くと、手や顔を綺麗に洗わせた。
「お前たちは何時もどこで寝てるんだ。」
と聞くとさっきの食事をした裏に地下に続く階段がありそこを指差し
「この下だよ。」
と言うので下に降りると、湿り気とカビ臭い地下室に布団とも毛布とも言えないものが、置いてありそこで寝ているのが分かった。
「よく病気にならないなお前たち。」
と感心しながら全てを回収し浄化の魔法をかけると、誇り埃一つない綺麗な部屋に。
「わー、凄い!」
騒ぐ子供を横目に、次々にベッドを取り出し置いていく。
5つ置いて、俺は
「お前たちはまだ小さいから、二人ずつで寝れるな。」
と言いながら毛布を敷いていく。
「さあ寝ておけ。」
と言うと俺は上に戻り。
テーブルの料理を食べていたシスターマリアが、俺を見て慌てて立ち上がったので座らせると
「しっかり食べとけ。それと後からこの教会について話がある。」
と言うと俺は風呂のお湯を捨てて、風呂を収納し始めた。
そして教会を見ながら
「立て直した方が早いのか、それとも俺のところに連れていくのがいいのか?」
と悩んでいた。
食事を終えたシスターマリアが俺のところに来たので
「この教会はここに必要なものなのか?」
と聞くと
「この辺りはスラム街になっていて、あの子のような子供らが沢山います。ここで住んでいるのはあの10人ですが、スラムの中にはまだ30人くらいはいると思います。」
と教えてくれた。
「ん~。40人か多いな、どうするかな。」
と呟いていると
「貴方は・・この子たちを救おうとしてるのですか?」
「ん?ああそうだ、俺のわがままでここの子供を救おうと考えている。食べさせるだけならどうにでもなるが、それではキリがない。根本的なことから考えている。」
「そうなんですね。王国の誰もましてや教会すら見捨てているのに。」
「お前は教会の正式なシスターなのか?」
「はい私は以前ここで育った者で、教会のシスターになった後戻ってきたのですが、以前のシスターが亡くなっていて・・・。」
「そうか、ならここを立て直すか。」
と言う俺を驚きの目で見るシスターマリア。
ーー 教会を立て直し、孤児院を作ろう。
地下室の入り口の上に板を置き蓋をすると、上部の建物を収納した。
更地のなった空き地を縄張りし始める俺、基礎用の穴を掘り、ローマンコンクリートを流し込み鉄筋を立てていく。
回収した建物の残骸をブロック塀の材料と変換しながら、壁を立てていく。
その日の内に大まかな壁が出来上がった。
次の日早くから来た俺は、
ゼウスとアンゲリカを連れてきていた、アンゲリカにシスターマリアと子供たちの面倒を命じ。
俺はゼウスと屋根を作り始めた。
昼には雨風が防げる程度には、壁屋根が完成した。
その頃になると、スラムの子供たちも集まり始めた。
アンゲリカとシスターマリアに炊き出しの準備をさせ、俺は教会の子供たちに食事をさせた。
その匂いに釣られて、スラムの子供たちがほぼ全員集まったようだ。
俺はその子供たちを、綺麗にするために教会の隅に大きな風呂場を作り出す。
炊き出しができたところで、子供たちを新しくできた風呂場に並べ服を脱がせると。
次々に洗っていった。
シスターマリアやアンゲリカも手伝い、1時間ほどで洗い終わると、新しい服に着替えさせた。
「さあ、綺麗になった者から飯だ。」
と言いながら俺は、長机と長椅子を取り出して並べると。
子供一人一人に料理の入った食器とスプーンを手渡し、食事をさせ始めた。
子供らの世話は、シスターマリアとアンゲリカそれに教会の子供たちに任せ、俺は教会の完成を急いだ。
教会には寄宿舎を新しく備え、子供なら50人くらいは寝泊まりができるようにした。
新しい教会が出来上がったのは3日後だった。
家具を木工の職人に頼み運び込むと完成となった。
暫くは元冒険者のゼウスとアンゲリカを教会に詰めさせて、子供たちの面倒を見させると。
俺は森に魔物狩りとミスリル回収に向かった。
この世界で食糧と金は一つの力だ、俺は食糧と金を稼ぐ方法を持っている。
少しでも病気や怪我その他不幸で苦しむ子供らを減らすために、自分のわがままを押し通す。
ーー 変わりゆくスラム街。
俺が教会の立て直しや子供たちに炊き出しや寝床を提供し始めていることは、スラム街の住人も知っていることだった。
彼らも子供らのことを不憫と思ってはいたが、どうする力もなかったのだ。
俺は子供らを教育することにした、自分の力で生きていくにはそれなりの力がいるのだ。
頭が良さそうな子、手先が器用な子、闘争心があり体の強い子などそれぞれに特徴がある。
好きなことやなりたいものもあるようで、それを教えるために俺は教会に教師となるべき人間を雇うことにした。
スラム街には色々な人間が住んでいる、教養のある者や元職人など。
それらを募集して、賃金と食事を与えると彼ら彼女らは、とても熱心に働き始めた。
そして元大工などの建設業関係のできるものを集めると、スラム街の建物の立て直しを計画し始めた。
清潔な環境で栄養にある食事、最低限の基盤を与え必要だれば仕事も与える。
これでダメなものは、腐ったリンゴだ。
排除する強い気持ちで、俺はスラム街の改革に手をつけたのだ。
当然犯罪者などが抵抗したり邪魔をしたりし始めたが、そいつらは真っ先に廃除させていった。
当然後々の問題がある可能性のある者は、死んでもらったがな。
それを知った犯罪者集団は、王都から逃げるように姿を消していった。
俺は冒険者ギルドにもそいつらの捕縛依頼を出したので、本当に王都周辺には一人もいなくなった。
「また舞い戻るだろうがその時は、隠れるとこなんぞ作らせはしないがな。」
そう言いながら俺は、改革を進める。
当然俺が黙って、家を建てたりすれば文句や邪魔をする役人も出てくるもんだが、それはそれで上役に鼻薬をたっぷり与え、下の者にも袖の下を与えると。
邪魔どころか協力までし始めた。
バラックのような建物がなくなり、綺麗で丈夫な長屋が完成するとそこにスラムの住人を、名簿を作りながら住まわせる。
次に仕事をさせなければ、またスラムに戻ることは目に見えている。
手に職のあるものを中心に、職業訓練校の様なものを作り始めた。
この世界で必要とされる、物を作り販売するのだ。
俺にはその知識と金がある。
当然、スラムに落ちた者たちは手足が不自由になったものや病気で弱った者が、多く存在した。
教会の一室でその者達を癒しては、働かせるようにすると意外と真面目に働くのだ。
スラムの改革も一段落した頃に、次の問題が別のところで起こっていた。
歩きながら串焼きなどを売っている屋台の商品をさっきもらった金貨で、買えるだけ買って歩き出した。
パン屋を見つけそこでも大量購入、酒屋があったので安酒を樽で幾つか購入した。
王城から一番遠い場所を目指す。
庶民の家が密集している地区を抜けると、ドブ臭い匂いがしてきた。
「この辺りからがスラムか」
と呟きながら歩くと、道が人一人やっと通れるほどの道幅になる。
違法建築というか道端にも小屋が建てられているようだ。
迷路のような道を進むとボロボロの建物が見えてきた、
「これは・・教会跡なのか?」
と呟くと後ろから
「そうだよ、ここは女神教の教会跡だよ。今じゃ女神教を信じる者もいないからね。」
と突然、老婆が独り言のように話出した。
「今じゃ、身寄りのない孤児が雨風をなんとか避けているが、いつ壊れるかもわからないね。」
というのを聞いて
「なら直せばいいのではないか?」
と言えば、
「誰がそんなことできる?自分が生きるのもやっとなのに。」
と呟く老婆の声は悲しく聞こえた。
◇ 壊れかけの教会。
教会の前にたどり着くと、汚れてヨレヨレの服を着た子供が10人ほど現れた。
「教会で暮らしてる子か?」
と呼びかけると
「うん。」
と頷く子供ら
「腹減っただろ?」
「うん。もう3日何も食べてない。」
「よし俺が食わしてやる、どこで食べるんだ?」
と言いながら案内されるまま、壊れかけた教会内に入ると。
辛うじてテーブルの形を備えたような家具が。
俺はそれを外に運び出すと、収納から新しいテーブルを取り出し椅子を10脚取り出して置いた。
「お前たち体が汚すぎる、それじゃ美味い飯も不味くなる。先ずは風呂だな。」
と言いながら教会の外に持ち運び用の風呂を出すと周りを衝立で仕切り、お湯を沸かし始めた。
不思議そうにその姿を見る子供ら。
先ずはと思いながら手作りバケツを5つほど出すと、水を溜め。
「手を洗え顔も一緒だ、これが石鹸だ。」
と言いながら皆の手を洗わせた、すぐに水が真っ黒になる、何度も洗わせてやっと綺麗になったとこで串焼きを皿に20本ほど取り出し
「風呂が沸くまでこれで我慢しろ」
と言いながら串を食べさせて風呂が沸くのを待った。
薪をくべるように言い付けて俺は直ぐに商会を探し、子供用の服を50着ほど買うと教会に戻った。
ちょうど風呂が沸いた頃だった。
「先ずは女の子からだ。ここに並べ!」
と言うと6人が並んだので、風呂の中に3人ずつ入れて残りは見学。
「ここで服を脱げ、このカゴに全部入れろ。そしたらそこの簀に上がれ、椅子があるだろそこに腰掛けて後ろを向け。」
と言うと風呂桶からお湯を汲みながら頭からかけ始めた。
「おいそこの3人手伝え、頭から洗うぞ。石鹸をつけて泡立つまで何度も洗え。」
と言いながら何度もお湯をかけては洗ってやった。
5回ほどで泡立ち始めて7回でやっと綺麗になった気がした。
お湯を足しながら今度は、
「体を洗うぞ、このタオルに石鹸をつけて泡立たせてから体を擦るんだぞ。」
と言いながらこれも5回ぐらい洗って、
「お湯の中に入れ。」
とお湯につからせた、
「次の3人服を脱いで同じように洗うぞ。」
と言いながら頭からお湯をかけると、頭から洗い始めて体を洗い終わると
「初めの3人は出てこれで体をよく拭いて、これに着替えなさい。どれでもいいから体に合うやつを着るんだぞ。」
と服をたくさん取り出した。
ワイワイ言いながら服を着始める子供ら、俺は外に出ると残りの男の子4人に串を1本ずつ手渡し
「も少し待てよ。」
と言いつけて風呂場に戻る。
初めの子らが着替えたので、外に出すと次の子らにお前たちもこれで体を拭いたら、着替えておけよ。」
と言い残すと初めの子を連れて新しいテーブルに連れて行き、
「お前たちから食事を始めなさい。十分食べるものはあるから遠慮するな。」
と言いながら次々に料理を取り出し、それぞれに取り皿とホーク・スプーンを渡して大皿に取り分けようのトングやスプーンを置いて
「こうして食べたいものをこの器具で自分用の皿に取り分けて食べるんだぞ。いいかこぼしたり汚い食べ方はするなよ。ゆっくり食べるんだ。いいな。」
と言いながら最初は俺が取り分けて、一人一人の横に水の入ったコップを置いていった。
俺は風呂場に向かい着替えが済んだ子供を同じようにテーブルに連れて行くと、座らせて取り皿に料理を取り分け食べるように伝えた。
その後、残りの男の子を風呂に入れ始めた。
2人一組でお互いを洗い合わせて、綺麗になると湯船に浸けた。
「あ~っ。気持ちがいい。」
一人の子がそう言うと、別の子が
「お前の髪の毛そんな色だったんだ。」
とお互いの髪の色を確認していた。
体を拭かせ、新しい服に着替えさせるとテーブルに連れて行った。
女の子らは楽しそうに食事をしていた。
男の子らにも同じように取り分け
「いいか汚い食べ方や、汚すのは俺は嫌いだ、今後も食べたいならゆっくり綺麗に食べろよ。」
と言うと男の子も真剣に食べていた。
するとその様子を見ていた女性がいた
振り向くと気付いた子供の一人が
「シスターマリア、この人がご飯を食べさせてくれているの。」
と言うとマリアと呼ばれた女性は頭を下げながら
「シスターマリアです、あなたは子供をどうするつもりですか?」
と聞くので
「何もしないよ、体が汚いから洗って、腹が減っていたから飯を食べさせていただけだ。お前はこの子らの世話をしていたのか?」
と言うとこくりと頷いた。
「よしならば、お前も綺麗にならなければ飯を食わせられん。こっちに来い。」
と言いながら、風呂場に案内して
「お湯を変えてやるからお前も綺麗になれ、服は俺が持っている物で・・・これでいいだろう」
とワンピースを取り出して手渡した。
水を溜めて薪をくべると直ぐに暖まり始めたので、
「使い方はわかるか?これが石鹸だ、これが体を洗うタオルだ。これは身体を拭き上げるタオルだ。」
と説明しながら出入り口の扉を閉めて、お湯が熱くなったら教えろよ。と言うと外に出た。
1時間後綺麗になったシスターマリアがワンピースに着替えると、まだ17・8ぐらいの美少女だった。
「お前もこちに来い。」
と新たな椅子を取り出すと、お腹いっぱいになった子供らを見ながら
「取り皿だ、好きなものを取り分けて食べな。」
と言って眠くなった子供らを風呂場に連れて行くと、手や顔を綺麗に洗わせた。
「お前たちは何時もどこで寝てるんだ。」
と聞くとさっきの食事をした裏に地下に続く階段がありそこを指差し
「この下だよ。」
と言うので下に降りると、湿り気とカビ臭い地下室に布団とも毛布とも言えないものが、置いてありそこで寝ているのが分かった。
「よく病気にならないなお前たち。」
と感心しながら全てを回収し浄化の魔法をかけると、誇り埃一つない綺麗な部屋に。
「わー、凄い!」
騒ぐ子供を横目に、次々にベッドを取り出し置いていく。
5つ置いて、俺は
「お前たちはまだ小さいから、二人ずつで寝れるな。」
と言いながら毛布を敷いていく。
「さあ寝ておけ。」
と言うと俺は上に戻り。
テーブルの料理を食べていたシスターマリアが、俺を見て慌てて立ち上がったので座らせると
「しっかり食べとけ。それと後からこの教会について話がある。」
と言うと俺は風呂のお湯を捨てて、風呂を収納し始めた。
そして教会を見ながら
「立て直した方が早いのか、それとも俺のところに連れていくのがいいのか?」
と悩んでいた。
食事を終えたシスターマリアが俺のところに来たので
「この教会はここに必要なものなのか?」
と聞くと
「この辺りはスラム街になっていて、あの子のような子供らが沢山います。ここで住んでいるのはあの10人ですが、スラムの中にはまだ30人くらいはいると思います。」
と教えてくれた。
「ん~。40人か多いな、どうするかな。」
と呟いていると
「貴方は・・この子たちを救おうとしてるのですか?」
「ん?ああそうだ、俺のわがままでここの子供を救おうと考えている。食べさせるだけならどうにでもなるが、それではキリがない。根本的なことから考えている。」
「そうなんですね。王国の誰もましてや教会すら見捨てているのに。」
「お前は教会の正式なシスターなのか?」
「はい私は以前ここで育った者で、教会のシスターになった後戻ってきたのですが、以前のシスターが亡くなっていて・・・。」
「そうか、ならここを立て直すか。」
と言う俺を驚きの目で見るシスターマリア。
ーー 教会を立て直し、孤児院を作ろう。
地下室の入り口の上に板を置き蓋をすると、上部の建物を収納した。
更地のなった空き地を縄張りし始める俺、基礎用の穴を掘り、ローマンコンクリートを流し込み鉄筋を立てていく。
回収した建物の残骸をブロック塀の材料と変換しながら、壁を立てていく。
その日の内に大まかな壁が出来上がった。
次の日早くから来た俺は、
ゼウスとアンゲリカを連れてきていた、アンゲリカにシスターマリアと子供たちの面倒を命じ。
俺はゼウスと屋根を作り始めた。
昼には雨風が防げる程度には、壁屋根が完成した。
その頃になると、スラムの子供たちも集まり始めた。
アンゲリカとシスターマリアに炊き出しの準備をさせ、俺は教会の子供たちに食事をさせた。
その匂いに釣られて、スラムの子供たちがほぼ全員集まったようだ。
俺はその子供たちを、綺麗にするために教会の隅に大きな風呂場を作り出す。
炊き出しができたところで、子供たちを新しくできた風呂場に並べ服を脱がせると。
次々に洗っていった。
シスターマリアやアンゲリカも手伝い、1時間ほどで洗い終わると、新しい服に着替えさせた。
「さあ、綺麗になった者から飯だ。」
と言いながら俺は、長机と長椅子を取り出して並べると。
子供一人一人に料理の入った食器とスプーンを手渡し、食事をさせ始めた。
子供らの世話は、シスターマリアとアンゲリカそれに教会の子供たちに任せ、俺は教会の完成を急いだ。
教会には寄宿舎を新しく備え、子供なら50人くらいは寝泊まりができるようにした。
新しい教会が出来上がったのは3日後だった。
家具を木工の職人に頼み運び込むと完成となった。
暫くは元冒険者のゼウスとアンゲリカを教会に詰めさせて、子供たちの面倒を見させると。
俺は森に魔物狩りとミスリル回収に向かった。
この世界で食糧と金は一つの力だ、俺は食糧と金を稼ぐ方法を持っている。
少しでも病気や怪我その他不幸で苦しむ子供らを減らすために、自分のわがままを押し通す。
ーー 変わりゆくスラム街。
俺が教会の立て直しや子供たちに炊き出しや寝床を提供し始めていることは、スラム街の住人も知っていることだった。
彼らも子供らのことを不憫と思ってはいたが、どうする力もなかったのだ。
俺は子供らを教育することにした、自分の力で生きていくにはそれなりの力がいるのだ。
頭が良さそうな子、手先が器用な子、闘争心があり体の強い子などそれぞれに特徴がある。
好きなことやなりたいものもあるようで、それを教えるために俺は教会に教師となるべき人間を雇うことにした。
スラム街には色々な人間が住んでいる、教養のある者や元職人など。
それらを募集して、賃金と食事を与えると彼ら彼女らは、とても熱心に働き始めた。
そして元大工などの建設業関係のできるものを集めると、スラム街の建物の立て直しを計画し始めた。
清潔な環境で栄養にある食事、最低限の基盤を与え必要だれば仕事も与える。
これでダメなものは、腐ったリンゴだ。
排除する強い気持ちで、俺はスラム街の改革に手をつけたのだ。
当然犯罪者などが抵抗したり邪魔をしたりし始めたが、そいつらは真っ先に廃除させていった。
当然後々の問題がある可能性のある者は、死んでもらったがな。
それを知った犯罪者集団は、王都から逃げるように姿を消していった。
俺は冒険者ギルドにもそいつらの捕縛依頼を出したので、本当に王都周辺には一人もいなくなった。
「また舞い戻るだろうがその時は、隠れるとこなんぞ作らせはしないがな。」
そう言いながら俺は、改革を進める。
当然俺が黙って、家を建てたりすれば文句や邪魔をする役人も出てくるもんだが、それはそれで上役に鼻薬をたっぷり与え、下の者にも袖の下を与えると。
邪魔どころか協力までし始めた。
バラックのような建物がなくなり、綺麗で丈夫な長屋が完成するとそこにスラムの住人を、名簿を作りながら住まわせる。
次に仕事をさせなければ、またスラムに戻ることは目に見えている。
手に職のあるものを中心に、職業訓練校の様なものを作り始めた。
この世界で必要とされる、物を作り販売するのだ。
俺にはその知識と金がある。
当然、スラムに落ちた者たちは手足が不自由になったものや病気で弱った者が、多く存在した。
教会の一室でその者達を癒しては、働かせるようにすると意外と真面目に働くのだ。
スラムの改革も一段落した頃に、次の問題が別のところで起こっていた。
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でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
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