一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!

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自然と共存する為に

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ーー 青の休み。

雪解けを感じながら私は、これから先の気候変動について最悪の予想に対する準備を行い始める。
雪解けで大量の水が川に流れ出す。

河川工事を終えている領地は問題無く轟音を立てて川の水が流れる。

まだ河川工事が終わってないまたは不完全な領地は、再度水が溢れたりしているようだが、これについては領主の対応次第だったので特に何もする気はない。

王国も判断は同じで、逆に何をしていたのかとお叱りの言葉を発していた。

私は赤の季節に地球で起こっていた、台風や竜巻が発生するのではないかと危惧していた。

建物の風に対する耐久性を上げなければ危険だ、竜巻であったら地下などに避難部屋を作っておくべきか。

魔法のあるこの世界であれば、地下を掘ることなど簡単なこと。
私は雪が消えた場所から、地下街と避難所を兼ねた大規模な工事を行い出すとともに、領民や家臣に地下室などの避難所を作るように広く情報を発信した。

伯爵領のメイン通りの地下50mほどに長さ1km、幅300mの地下街を作り上げた私は、換気用のダクトや排水用のポンプを魔道具で作り設置して、宿泊施設や商店街になるような作りの建物を建てさせた。

この世界初と思われる地下街は、赤の休みの中頃に完成した。

天気が悪くても利用できる地下の商店街は、災害だけでは無く雪で身動きができない白の季節にも役に立ちそうと、多くの商会が入居を希望し赤の季節の頃には、既に活気を見せていた。



ーー 赤の季節の、自然災害の多様化。

災害を予定した準備をしている時にメンバーらから、指導をしてとの依頼があった。
私が伯爵領の実物を見せながら指導すると、皆地下街以外の準備を終えたようだ。
「エストニア伯爵様、手が空いたら私の領地にも地下街を作って。」
ミリア嬢がお願いに来た。

ダンジョンがあるセリーナ嬢達と違い、避難所を兼ねた地下街はこれから先の発展を考えれば、必要と判断したようだ。

私は手が空き次第、地下街の基礎の穴を掘りに向かった。
と同時にお父様にも意見を聞いていた。
「公爵領にも一つ作ってもらおうか。」
と言う答えが返ってきた。

私は二カ所の地下トンネルを掘るための土魔法を改良し、3日ほどで完成させることができるようになった。
「必要は発明の母だね。」
と言いながら僕は、クロニアル君やエリス男爵にも連絡をとって、領地に地下避難壕を兼ねた地下街を掘り切った。


赤の季節の中頃、今年も炎天下のような猛暑となり、ゲリラ豪雨などがはじまり出した。
「これは竜巻も時間の問題かな」
と独り言を言っていたが、現実は無慈悲に姿を見せた。

セガール王国の各所で、ゲリラ豪雨と共に中規模の竜巻が発生したのだ。
この竜巻で被害を受けたのは、補強がされていない建物や農作物だったが、被害的にはそこまで無かった。
「来年以降はもっと規模の大きな竜巻が来るのだろうな。」
と思う私だった。

ーー 海を持つ王国に台風が上陸した。


セガール王国がゲリラ豪雨や竜巻被害が出た頃、海を持つ王国に台風が次々に上陸し始めた。

海は大荒れ、風や雨は激しいその現象を人々は、神の怒りと受け止める者も多かったようだ。
その後海の神を祀る祠や教会ができたのがその影響だろう。

海からかなり離れた村に空から大量の魚が降ってきたことも、大きな事件といえよう。

私は海の家が心配になり、転移魔法で海の家に飛んだ。
「ん!丈夫な城壁で周りを囲んでいたおかげで、海の家は殆ど被害が無いな。」
その後海岸の流木などは収納魔法で回収し綺麗に片付けた。
ここで屋敷の管理をさせていた使用人達は
「ご当主のお屋敷のおかげで、家族が避難できて助かりました。」
とお礼を言われた
「これからも同じような災害が来ることがあるでしょう、その時は避難して構いませんから。」
と許可を与えておいた。


  グスタング王国


私はグスタング王国第四王女のダイアナ。
今年今まで記録にない様な嵐が海から王国を幾つも襲った。

領民達は「海神の怒り」と口々に恐れていた、この現象が何なのか?この様なことがこれからも起こるのか?と言う問題です。

ちょうどエストニア伯爵様が海の家の様子を見にきているとの連絡を受けた私は、伯爵に面会するとその事について無駄とは思ったが質問した。
すると伯爵様は
「ああ台風のことか。今から毎年この頃になれば王国を海から襲ってくる嵐が多くなるだろう。暑さや寒さの温度差が大きくなればなるほど、気象の変化が現れ大きな災害となる台風が来るだろう。
王国はそれに備える必要が早急にいるな。」
とさも当たり前の様に答えてくれたのだ。

そこで私はいくつかの対先を教えてもらい、早々に対策を行った。


ーー 黄の休み

実りの季節が近づいてきた。
まだたまにではあるが台風の被害は続いていた。
その影響で大雨の何度か降ることもあった。

水捌けを考えた街や田畑のお陰で、セガール王国の多くの地域は問題ないまたは被害が少なくて済んだ様だ。

セガール王国に来た商人達は、数カ所の地下街について大きな興味を持った様だ。
地下なら天候や気温の差が少なく、時間すらも関係なく商売ができる、さらに地下街がある領地には、多くの物資用の移転陣が接されていて、これらを使えば安全に移動ができると好評なのだ。

私は移転陣や地下で使う魔道具の動力となる、魔石のカートリッジを大量に製造を始めた。
「これから先これは商売となるし、大いに広まるだろう。」
と思いながら。


ーー 黄色の季節。

領地に実りの季節が訪れた。
私やメンバー達の領地は例年通り豊作の様だ。
ケンドール公爵地方やサンドール侯爵地方もおおむね豊作か例年並の様だ。
しかし旧イーリッヒ侯爵地方は大きな格差が出始めた、豊作と不作という。
エリス男爵領他4つの領地は大豊作で、それ以外の10の領地は不作だった。
途中までは問題なかったが、災害対策が出来ていなかった為に被害が出たのが原因だった。
新領主達は大いに戸惑った、これまでの領地経営では考えられない事が起こっていたからだ。

エストニア伯爵の情報を信じ、対策に積極的だった新領主はその恩恵を受け、それ以外の新領主は不作となったのだ。

これからの派閥の地図が大きく塗り変わるのが誰の目にも明らかだった。


  収穫祭。

不作の領地には悪いが、収穫祭を行う事にした。
空が高く青く晴れた日が続き出した、昼はメインの通りで夜は地下街のメイン通りで出店が多く出店され、多くの人が賑わっている。

その他の領地でも収穫祭が行われている様だ、しかしそれは豊作であった領地のみのこと。

祭りは3日ほど続き、人の波は途切れることはなかったと言われている。


ーー 白の休み。

各地の収穫祭が盛大に行われ、神への感謝が行われた後、領民は積雪が多くなってきた白の季節に備えるための、準備を行い始めた。

私は王国内に今年も大雪が降る可能性があると、情報を流しそれらに効果のある対策や魔道具の情報も流した。
後はそれぞれの領主や個人のすることだ。

すると反響が大きく戻ってきた、実りが少なかった領主や災害の被害のあった領主などが、積極的に私のところに依頼や対応の指導を求めてきたのだ。

あまりの多さに王国へ応援を求めたほどだ。

この世界でも自然災害が珍しい物では無く、対応をしていればある程度軽減できるもので、それをするかどうかで大きな影響が出ると皆に浸透したからなのだろう。
これは派閥がどうという状況ではなく王国の常識として、備えるべき貴族の常識となったと言える。

この状況から私は、この世界を管理する女神が、この世界を地球的な環境にしたがっていると思えてしょうがなかった。


「そのとおりよ。私はこの世界で私の子供である人々が、厳しい自然や魔物と共存しながら発展することを、望んでいるのよ。今まで神力を使い住みやすい環境にしていたがその弊害が、魔法の誕生に続いていたと分かった以上、私は自然や気候には手を加えない事にしたの。
だから頑張ってね。」
と何処かの空で声がしていた


ーー 白の季節。


今年も厳しい季節が到来してきた。
昨年よりも早くから積もり出した雪は、村から村、村から街、街まら街そして国から国の往来を大きく阻害している。

雪の準備ができていない地域は、寒さに震え。
商品の流通が出来ない地域は、飢えや品不足に悩んでいた。

セガール王国はそんな中、馬車も通れぬ地域にあっても十分な食料医薬品に日用品が届けられていた。
「此の魔法陣を使った配送は本当に便利だ。安全で短時間に多くの物を配達できるのだからな。」
と運搬係のももが言えば
「ただ、コストが掛かるのが・・でも馬車で運んでも同じことか。」
ともう1人が言う。

魔法陣を使った運搬は、遠ければ遠いほどコスト的にほとんど変わらないほど、経済的になっていたのだ。


  雪の遊びと競技

以前、雪用の移動と遊び用にスキー板やそのほかに雪のグッズを作っていた私は、どうせ仕事ができないのだから、この季節に出来ることをしようと考えた。
一つは遊びと競技だ、遊ぶだけよりも競技としてより本気で取り組んでほしかったのだ。
それによりスキーのスピードを競うものや、狩りを競うものなどが出始めた。

もう一つは冬の手仕事だ、収入がなくなる季節に手仕事で収入を確保しようと考え、縫製や木工に細工などを励行したのだ。

            ◇

競技大会。

スキーのスピードを競う大会を開くこととなった。
優勝者にはそこそこの賞金を用意している。

丘の上の教会から街の入り口までの5kmをいかに早く滑るかという競技だ。
兵士も平民も子供までが参加し、大いに見物や応援の人々を熱狂の渦に巻き込んだ。
大成功のうちに終わった競技は地下街で表彰した。
その後は繰り出した人々が、地下街で飲食を楽しみ大いに賑わったのだった。

「これも恒例の行事になるのかな。」
と呟く私の言葉に耳を傾ける者はいなかった。

この様にして意外と楽しい白の季節は過ぎていったのだった。
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