魔法のない異世界に転生した、唯一の魔法使い。

モンド

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プロローグ

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私は、この世界を創造した創造神カスタード。
この世界は、ある世界のファンタジーなる物語を参考にして作ってみたもの。
しかし魔法を与えたところ、最初の100年で滅亡しかけた。
そこで魔法を人種から取り上げて、技術スキルだけを使えるようにしたのだが。

ヒューマンが争いばかりしていたために、魔物が溢れてまた星の生物が滅びかけたのだ。
そこで、勇者1人を召喚して魔物を間引きし、手に負えない魔物は隔離するなどして人と魔物の棲み分けをしてもらった。
さらに勇者に人としての生活の基準と監視を依頼した。
初めはうまくいっていたが、勇者は100年ほどで寿命を迎えた。
その子孫は、魔法が使えていたが、次第に弱くなり500年以上も前に初めの頃の状態に戻ってしまったのだ。

しかしヒューマンという種族は、喉元過ぎれば熱さ忘れると何処かの民が言っていたが、またしても争いに夢中になり始めた。

今回の手助けを最後に上手く行かなければ、この世界は作り直すこととした。
最後の手助けに私が選んだのは、勇者の世界からの転生者。
特に使命を与えずに自由に生きてもらい、この世界がどう影響を受けるかを観察する予定だ。
転生者がこの世界を滅ぼすやもしれないが、それはそれで仕方の無いことだ。

そして私が今回選んだのは、強い魂を持ちながら不運にも命を落とした男の魂。
これからこの世界はどうなるのか、今から楽しみでもある。


●    転生人生の始り

 「くそー!こんな時こそ魔法があったならな。」
そんな言葉を呟きながら男は、すでに約束の時間を過ぎている取引会社へ走っていた。
点滅し始めた歩行者用信号を目の横で見ながら「まだ大丈夫。」と言い聞かせながら、男は横断歩道を渡り始めた。

「危ない!」
そんな女性の声を聞いた気がした。
男は、左折して来た大型トラックに轢かれてしまった。

目を覚ました男が初めて見たのは、医者や看護師ではなくキラキラとした目で獲物(自分)を見つめる角の生えたウサギだった。

突っ込むウサギ。
「おっと!」
叫びながらなんとか身体を捻りながらかわす男。
それでも背中の一部を鋭い角で切り裂かれた。
「痛てー!」
声を出しながらも次の攻撃に備える男。
2度3度と鋭い角で攻撃を試みるウサギ。

「絶対ここ、知らない世界だ!」
男は異世界に転生した実感をその体から流れる血液と共に体感していた。
「くそー!ファイアボール!」
ヤケクソになった男は、カメハメハの型でそう唱えた。

すると両掌の先から、炎が噴き上がりウサギ目掛けて飛び出した!
「キュー。」
可愛い声を出しながら、ブスブスと炎に焼かれるウサギは直ぐに動かなくなった。
[経験値を獲得しました。経験値が一定に達しました、レベルが上がります。]
と言う声が頭に響き、男は気を失った。


  異世界に生まれ変わったのか?


 男は初めての戦いと魔法の行使で、気力と魔力を使い果たしたようだった。
目を覚ました男が最初に目にしたのは、青い空と白い雲だった。
「ん!ここは?・・・おお!」
身体を起こし直ぐそばに倒れている黒焦げのウサギを見て、驚く男。

「・・俺は・・・。やっぱり・・・ええ!」
納得し掛けて、自分の体の異変に再度驚く男。
身体が若返っているのだ、15歳ぐらいに。

「ステータス」
何気にそう呟いた。
目の前に現れる半透明なステータスボード。
「おお。やっぱり出たか。」
そう言いながら男は、自分のステータスを確認する。

ステータス
名前  無し  15歳  男   ヒューマン  レベル 1→5
HP 10 → 200
MP 10 → 500
SP 10 → 310
魔法
 火魔法 1     水魔法 0    土魔法 0     風魔法 0     光魔法 0    闇魔法 0
 空間魔法 1      時空魔法 0     回復魔法 1     召喚魔法 0    
スキル
 錬金術 1      気配察知 1      隠匿 1     鑑定 1      収納 1     魔力操作 1
 魔力回復(大)     身体異常無効  再生 1     言語理解(全)
ユニークスキル
 魔眼(?)      アイテムボックス
称号
 唯一の魔法使い  最後の審判
加護
 ※※※の加護

「おお!これが俺のステータスか。」
男は、目の前に現れたステータスボードを見ながら声を出した。

「ん!唯一の魔法使い?最後の審判・・・どう言う意味だ?」
男は、称号の文字に引っ掛かりを覚えたが、それ以上に。
「SP・・これはスキルポイントのことだよな。」
独り言を言いながら
「スキルオープン・・・スキル・・一覧。カモーン!」
すると男のステータスボードが切り替わった。
無数のスキル表示と共に魔法や身体関係の表記が表示されている。

「・・・取得と強化の設定だな。これはスキルポイントで変化する様だ。」
男は、新たなボードに指で触れる様に操作をしてゆく。

ステータス
名前  無し  15歳  男   ヒューマン  レベル 5
HP 200
MP 500
SP  310 →0
魔法
 火魔法 1     水魔法 1    土魔法 1     風魔法 1     光魔法 1    闇魔法 1
 空間魔法 1      時空魔法 1     回復魔法 2     召喚魔法 1    雷魔法 2
スキル
 錬金術 2      気配察知 2      隠匿 2     鑑定 2      収納 2     魔力操作 2
 魔力回復(大)     身体異常無効  再生 1     身体強化 2      剣術 2
 言語理解(全)
ユニークスキル
 魔眼(?)      アイテムボックス
称号
 唯一の魔法使い 最後の審判
加護
 ※※※の加護

「レベル1で10ポイント、2で20ポイントか。また魔物を倒してレベル上げしないといけないな。」
そう男は言いながら森が見える方向に歩き出した。

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