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お友達ができた
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ーー お友達との小旅行
あの日から数日経って、一つの手紙が届いた。
~先日のパーティーではとても楽しいひと時を過ごさせてもらいました。
友人として貴方を招待したいところがあって、この手紙を書かせてもらいました。
3日後、お迎えに行きますにで一緒に別荘に行きましょう。行程は5日の予定よ。
楽しい力にしましょうね。 親友シルより ~
と言う文面で、小旅行にお誘いだった。
お母様に尋ねると
「是非言っておきなさい。うちの馬車の方がいいわね。」
と言われて返事を書いて届けてもらった。
3日後、約束通り迎えが来たが、我が家で馬車を乗り換えた。王女の馬車はそのまま後ろをついてくるが、内装と乗り心地はホワイト侯爵家の馬車にが数段いいからね。
馬車の凄さに驚くシル王女は、探検よろしく馬車を調べまくっていた。
「ベティー、この馬車どうやって誰が作ったのかしら?国宝級だわ。」
と興奮のシルに、ウエルカムドリンクで落ち着いてもらう。
「これとてもお美味しいわ。」
少し落ち着いた様子。
目的地はここから1日半と言うところ、この馬車があれば宿に泊まる必要もないからね。
置けるところまで進み、そこで野営する。
私が結界の魔道具を設置すると、警護の兵士もゆっくりとし始めた。
どうやら騎士団長から情報を聞いている様だ。
その夜、暗殺者が襲って来ていたが、私に魔道具で簀巻きにされて気絶していた。
下手に宿に泊まらず良かった様だ。
夜のうちにシル王女から、王族内で醜い争いがあっていると聞いていた。
どうも第二王妃と第三王妃とその子供たちが、第一王子と王女の命を狙っている様なのだ。
どうもそれぞれに後ろ盾が居るが、権勢争いをしておりその延長沿いで第一王妃の王女王子の暗殺に至った様だ。
その尻尾を捕まえるためのこの小旅行の様だ、考えたのは騎士団長あたりかな?
ひよっとしてお父様あたりも関係しているかも。
と思いつつも、旅行を楽しむことにした、何故って。
そこに温泉があると言うの、前世のころから、私は温泉が好きだったの。
「楽しみだわ。」
と漏らす私にシル王女は
「とてもきに居ると思うわ。」
と期待を上げてくれた。
ーー これがこの席の温泉?
目的地の王家のとある別荘に着いた。
湯気が見えるので、温泉が沸いている様だ。
今回はペットのプリチャンも連れてきている。
シル王女もプリチャンが気に入った様で、二人で可愛がっていた。
「ここのお風呂は、とても珍しいのよ。」
と言うシル王女に案内されて、温泉に早速向かう。
洞窟に入り奥に向かうと10畳ほどの広間に出てそこに6畳ほどの露天風呂があった。
「完全な洞窟風呂ね。」
と言いながら私は早速湯船に浸かる。
「ああー。」
気持ちがいい、とてもいい温泉だわ。
そこで1時間ほど堪能した後、宿に戻って食事となった。
蒸し料理がここの名物の様だ。
豚肉の様な肉と野菜の蒸し焼きに、濃いめのソースをつけて食べるのだ。
「美味しいわねここの料理。」
と感想を言えば
「そうでしょ。貴方と一緒に来たいと思ったのよ。」
と笑うシル王女。
その日の夜も、暗殺者は訪れた。
しかし私の結界と魔物用の罠に捕まり、朝には五人の暗殺者が。
「まるでゴキみたいね。」
と呟く私に
「ゴキ?それは何?」
と言うシル王女に
「居なくてもいいのにやたら夜になると目につく嫌な虫にことよ。」
と言うと
「例えてとしては最高ね。」
と笑ってくれた。
捕まった暗殺者から依頼者が判明し始めた、後は証拠を集めるだけ。
依頼者はまさかこの数の護衛で失敗するなど考えても居ないだろう。
速やかに依頼者を拘束する要諦の様だ。
「ベティー貴方、本当に強いにね。」
とシル王女が私に言うのを手で押さえて、私はシルが手にして飲もうとしたジュースを取り上げながらそれをそっと置いて。
ドアの側で様子を伺っていたメイドの一人を取り押さえた。
「この子がどうしたの?」
と言うシルに先ほどまで手にしていた、ジュースを持ってきて
「飲んでみなさい。」
と差し出すとメイドは、泣き出しながら話し始めた。
それによると、シルの身の回りの世話をしていた次女の一人が敵陣のスパイだった様だ。
「計画が失敗した時は、これで貴方が殺しなさい。」
と言われたそうだ。
直ぐに王都に連絡を送る。
「残念だわ、彼女までが私を裏切っていたなんて。」
シルは悲しい目をしながら呟いた。
そしてそこに今回最大の敵が、彼女はもう一つ魔道具を持ってきていた様で、死を覚悟した後それを発動させた様だ。
「魔吸の笛」
と呼ばれるダンジョン産の魔道具で、魔物を呼び寄せる笛の様だその発動時に使ったものの命を吸い取るのがその名の由来といわれる。
「どうしましょう。何か嫌な予感がする魔道具だわ。」
シルが不安に陥るそれに対して私は
「大丈夫よ、たかが200ほどの魔物、私が片付けてくるわ。」
と言うと外に出ると集まり始めた魔物を、結界で囲むと中に炎の魔法を幾つも放り込んだ。
これであの時と同じ酸欠で魔物はなくなるが、前回と少し違うので制約にはかからないだろう。
次の日の朝、シルは、山の様な魔物の死骸を目にして驚いていた。
「これほどの魔物が押し寄せたら、私どころかこの辺りの領民自体無事ではいられなかったわ。」
と言うと、
「やはり許されるべきではないわね。」
と険しい表情でつぶやいた。
その後は、プリチャンをオモチャに温泉に入り放題の日を3日続けて帰り支度を始めた。
「楽しいことはあっという間ね。」
と意味深な話をするシルが、決意した顔で馬車に乗り込む。
私も乗車すると馬車は静かに王都に向けて走り出した。
ーー 粛清
王都に着くと騎士団長が出迎えてくれた。
「お疲れでした、おおよそ計画通りに進みました。」
と言うある部屋に案内してくれた。
そこに居たのはお父様だった。
「お疲れだったね、ベティー。」
と声をかけられ私は
「お父様も今回の件に関わっていたのですか?」
と聞くと
「ああ、我がホワイト侯爵家は、第一夫人の陣営だからね。家族で参加だよ。」
と笑いながら教えてくれた。
その後粛清という名の勢力争いが行われた。
一月後、夜の社交界パーティーにお母様と出ることになった。
会場に着くと直ぐに見知った顔を見つけた、
「シル王女、お久しぶりでございます。」
と挨拶をすると
「ベティーもお元気の様で、嬉しいわ。また遊びに行きましょうね。」
と答えるシル王女は、以前よりも明るく見えた。
その夜のパーティーは、第一王妃主催のパーティーであるとこを後から聞かされた私は、顔ぶれを見てなるほどと思った。
よく見かける顔が数人いない、多分よその派閥の方だったようね。
でもかなりの数の貴族が揃っているけど、これに対抗する二つに派閥て、どれほどの手駒がいたのかしら。
この日初めて王子と顔を合わせることになった。
イケメンの王子様で次の国王候補、女性が放って置かないわね。
と思っていたらシル王女が
「ベティーは、お兄様には興味がないようね。」
と声をかけられた
「ええそうね、せめて私より強い殿方でないと・・ときめかないわね。」
と答えるとシルは笑いながら
「伝えとくはね、ふたれたって。」
と言いながら席を離れていった。
ーー 忘れかけていた、学園
色々ありすぎて、学園に通う日が少なくなった最近。
学園長からは
「いつでも卒業できるわよ、でも学生の身分も煩わしさから逃げる良い理由にはなるのよ。」
と言われていた。
そんな時にクラス担任から近いうちに外国から留学してくる生徒がいると聞かされた。
「この世界でも留学はあるにね。」
と思いながら、今後の予定を立てる私。
週に3日ほど学園に通う日が続き、残りの日はというと。
騎士団との合同稽古に孤児院の視察や特産品の監督にと忙しい日々を送っている。
今回の粛清の手柄で、伯爵位をくださると言われている私、何も変わらないけど・・体面があるのね。
と納得することにした。
そして学園に留学生がきていた。
休みがちな私が知らないうちに来ていた様だ。
留学生は隣国の王子と王女、それぞれの付き人の様で、同じクラスに王子が編入されていた。
「お初にお目にかかります、僕はミカエルです。よろしく。」
王子様スマイルの留学生
「私こそ初めまして、ベティーですわ。なかなかお会いできませんがよろしくお願い致すますわ。」
と答えると颯爽と去っていった。
その日の授業は、武道の稽古であった。
教師が二人で剣術を教えるのだ。
留学生のミカエルさんが、見学をしている私を見つけ
「どうされました?剣術がお得意でなければ僕がお教えいたしますよ。」
というので
「ご心配ありがとうございます。でも私の相手になる殿方がいないので・・。」
と答えると何を思ったかミカエルは
「それなら僕がお相手しますよ。僕も相手になる生徒がいないようなので、王国の騎士団にでも稽古に行こうかと思っていたのです。」
というので、お相手することになった。
木剣を持って退治対峙する二人、教師の合図で模擬戦が始まった。
すでにこの王国には、私の相手ができる人がいないというのに、と思いながら様子を見る。
大きなことを言うだけはありそうだが、それでも隊長クラスの腕前。
かなり皆んなからヨイショされていたのだろう。
無駄の多いホームからの斬撃、交わすほどでもないが木剣で軽くいなして行く。
焦り始めたミカエルが勝負に出る、得意技何だろう飛び込んでからの引き技。
この効果はそこまで無いのだが、初見殺しではある。
それでも軽くいなして、喉先に木剣を突きつける。
「まい・・参りました。」
と言うとその場に座り込んだミカエル。
私に手も足も出なかったことから、2日ほど休んでいたようだが、私自身学園をお休むしていたので、よく分からなかった。
もう一人の王女はまだ会ったことがないが、どうんな子だろう。
と思いながら、過ごしていると、元のクラスの子から
「以前ベティー様が座られていた席に今度来た王女様が座っているのよ。」
と教えてくれた。
「機会があれば会うこともあるだろうと、準備していますわ。」
と答えて元クラスメイトと分かれた。
忙しくなり、10日ほど学園を休んだ後、学園に顔を出すと
「お忙しそうですね。大森林で魔物でも狩っていたのですか?」
とジョークを飛ばしてきたので、最近倒したワイバーンを取り出して
「この様な魔物の討伐依頼を受けているので。」
と答えたら、青い顔をしていたわ。
めんどくさくなってきたので、また暫く休もうと思って学園を後にした。
あの日から数日経って、一つの手紙が届いた。
~先日のパーティーではとても楽しいひと時を過ごさせてもらいました。
友人として貴方を招待したいところがあって、この手紙を書かせてもらいました。
3日後、お迎えに行きますにで一緒に別荘に行きましょう。行程は5日の予定よ。
楽しい力にしましょうね。 親友シルより ~
と言う文面で、小旅行にお誘いだった。
お母様に尋ねると
「是非言っておきなさい。うちの馬車の方がいいわね。」
と言われて返事を書いて届けてもらった。
3日後、約束通り迎えが来たが、我が家で馬車を乗り換えた。王女の馬車はそのまま後ろをついてくるが、内装と乗り心地はホワイト侯爵家の馬車にが数段いいからね。
馬車の凄さに驚くシル王女は、探検よろしく馬車を調べまくっていた。
「ベティー、この馬車どうやって誰が作ったのかしら?国宝級だわ。」
と興奮のシルに、ウエルカムドリンクで落ち着いてもらう。
「これとてもお美味しいわ。」
少し落ち着いた様子。
目的地はここから1日半と言うところ、この馬車があれば宿に泊まる必要もないからね。
置けるところまで進み、そこで野営する。
私が結界の魔道具を設置すると、警護の兵士もゆっくりとし始めた。
どうやら騎士団長から情報を聞いている様だ。
その夜、暗殺者が襲って来ていたが、私に魔道具で簀巻きにされて気絶していた。
下手に宿に泊まらず良かった様だ。
夜のうちにシル王女から、王族内で醜い争いがあっていると聞いていた。
どうも第二王妃と第三王妃とその子供たちが、第一王子と王女の命を狙っている様なのだ。
どうもそれぞれに後ろ盾が居るが、権勢争いをしておりその延長沿いで第一王妃の王女王子の暗殺に至った様だ。
その尻尾を捕まえるためのこの小旅行の様だ、考えたのは騎士団長あたりかな?
ひよっとしてお父様あたりも関係しているかも。
と思いつつも、旅行を楽しむことにした、何故って。
そこに温泉があると言うの、前世のころから、私は温泉が好きだったの。
「楽しみだわ。」
と漏らす私にシル王女は
「とてもきに居ると思うわ。」
と期待を上げてくれた。
ーー これがこの席の温泉?
目的地の王家のとある別荘に着いた。
湯気が見えるので、温泉が沸いている様だ。
今回はペットのプリチャンも連れてきている。
シル王女もプリチャンが気に入った様で、二人で可愛がっていた。
「ここのお風呂は、とても珍しいのよ。」
と言うシル王女に案内されて、温泉に早速向かう。
洞窟に入り奥に向かうと10畳ほどの広間に出てそこに6畳ほどの露天風呂があった。
「完全な洞窟風呂ね。」
と言いながら私は早速湯船に浸かる。
「ああー。」
気持ちがいい、とてもいい温泉だわ。
そこで1時間ほど堪能した後、宿に戻って食事となった。
蒸し料理がここの名物の様だ。
豚肉の様な肉と野菜の蒸し焼きに、濃いめのソースをつけて食べるのだ。
「美味しいわねここの料理。」
と感想を言えば
「そうでしょ。貴方と一緒に来たいと思ったのよ。」
と笑うシル王女。
その日の夜も、暗殺者は訪れた。
しかし私の結界と魔物用の罠に捕まり、朝には五人の暗殺者が。
「まるでゴキみたいね。」
と呟く私に
「ゴキ?それは何?」
と言うシル王女に
「居なくてもいいのにやたら夜になると目につく嫌な虫にことよ。」
と言うと
「例えてとしては最高ね。」
と笑ってくれた。
捕まった暗殺者から依頼者が判明し始めた、後は証拠を集めるだけ。
依頼者はまさかこの数の護衛で失敗するなど考えても居ないだろう。
速やかに依頼者を拘束する要諦の様だ。
「ベティー貴方、本当に強いにね。」
とシル王女が私に言うのを手で押さえて、私はシルが手にして飲もうとしたジュースを取り上げながらそれをそっと置いて。
ドアの側で様子を伺っていたメイドの一人を取り押さえた。
「この子がどうしたの?」
と言うシルに先ほどまで手にしていた、ジュースを持ってきて
「飲んでみなさい。」
と差し出すとメイドは、泣き出しながら話し始めた。
それによると、シルの身の回りの世話をしていた次女の一人が敵陣のスパイだった様だ。
「計画が失敗した時は、これで貴方が殺しなさい。」
と言われたそうだ。
直ぐに王都に連絡を送る。
「残念だわ、彼女までが私を裏切っていたなんて。」
シルは悲しい目をしながら呟いた。
そしてそこに今回最大の敵が、彼女はもう一つ魔道具を持ってきていた様で、死を覚悟した後それを発動させた様だ。
「魔吸の笛」
と呼ばれるダンジョン産の魔道具で、魔物を呼び寄せる笛の様だその発動時に使ったものの命を吸い取るのがその名の由来といわれる。
「どうしましょう。何か嫌な予感がする魔道具だわ。」
シルが不安に陥るそれに対して私は
「大丈夫よ、たかが200ほどの魔物、私が片付けてくるわ。」
と言うと外に出ると集まり始めた魔物を、結界で囲むと中に炎の魔法を幾つも放り込んだ。
これであの時と同じ酸欠で魔物はなくなるが、前回と少し違うので制約にはかからないだろう。
次の日の朝、シルは、山の様な魔物の死骸を目にして驚いていた。
「これほどの魔物が押し寄せたら、私どころかこの辺りの領民自体無事ではいられなかったわ。」
と言うと、
「やはり許されるべきではないわね。」
と険しい表情でつぶやいた。
その後は、プリチャンをオモチャに温泉に入り放題の日を3日続けて帰り支度を始めた。
「楽しいことはあっという間ね。」
と意味深な話をするシルが、決意した顔で馬車に乗り込む。
私も乗車すると馬車は静かに王都に向けて走り出した。
ーー 粛清
王都に着くと騎士団長が出迎えてくれた。
「お疲れでした、おおよそ計画通りに進みました。」
と言うある部屋に案内してくれた。
そこに居たのはお父様だった。
「お疲れだったね、ベティー。」
と声をかけられ私は
「お父様も今回の件に関わっていたのですか?」
と聞くと
「ああ、我がホワイト侯爵家は、第一夫人の陣営だからね。家族で参加だよ。」
と笑いながら教えてくれた。
その後粛清という名の勢力争いが行われた。
一月後、夜の社交界パーティーにお母様と出ることになった。
会場に着くと直ぐに見知った顔を見つけた、
「シル王女、お久しぶりでございます。」
と挨拶をすると
「ベティーもお元気の様で、嬉しいわ。また遊びに行きましょうね。」
と答えるシル王女は、以前よりも明るく見えた。
その夜のパーティーは、第一王妃主催のパーティーであるとこを後から聞かされた私は、顔ぶれを見てなるほどと思った。
よく見かける顔が数人いない、多分よその派閥の方だったようね。
でもかなりの数の貴族が揃っているけど、これに対抗する二つに派閥て、どれほどの手駒がいたのかしら。
この日初めて王子と顔を合わせることになった。
イケメンの王子様で次の国王候補、女性が放って置かないわね。
と思っていたらシル王女が
「ベティーは、お兄様には興味がないようね。」
と声をかけられた
「ええそうね、せめて私より強い殿方でないと・・ときめかないわね。」
と答えるとシルは笑いながら
「伝えとくはね、ふたれたって。」
と言いながら席を離れていった。
ーー 忘れかけていた、学園
色々ありすぎて、学園に通う日が少なくなった最近。
学園長からは
「いつでも卒業できるわよ、でも学生の身分も煩わしさから逃げる良い理由にはなるのよ。」
と言われていた。
そんな時にクラス担任から近いうちに外国から留学してくる生徒がいると聞かされた。
「この世界でも留学はあるにね。」
と思いながら、今後の予定を立てる私。
週に3日ほど学園に通う日が続き、残りの日はというと。
騎士団との合同稽古に孤児院の視察や特産品の監督にと忙しい日々を送っている。
今回の粛清の手柄で、伯爵位をくださると言われている私、何も変わらないけど・・体面があるのね。
と納得することにした。
そして学園に留学生がきていた。
休みがちな私が知らないうちに来ていた様だ。
留学生は隣国の王子と王女、それぞれの付き人の様で、同じクラスに王子が編入されていた。
「お初にお目にかかります、僕はミカエルです。よろしく。」
王子様スマイルの留学生
「私こそ初めまして、ベティーですわ。なかなかお会いできませんがよろしくお願い致すますわ。」
と答えると颯爽と去っていった。
その日の授業は、武道の稽古であった。
教師が二人で剣術を教えるのだ。
留学生のミカエルさんが、見学をしている私を見つけ
「どうされました?剣術がお得意でなければ僕がお教えいたしますよ。」
というので
「ご心配ありがとうございます。でも私の相手になる殿方がいないので・・。」
と答えると何を思ったかミカエルは
「それなら僕がお相手しますよ。僕も相手になる生徒がいないようなので、王国の騎士団にでも稽古に行こうかと思っていたのです。」
というので、お相手することになった。
木剣を持って退治対峙する二人、教師の合図で模擬戦が始まった。
すでにこの王国には、私の相手ができる人がいないというのに、と思いながら様子を見る。
大きなことを言うだけはありそうだが、それでも隊長クラスの腕前。
かなり皆んなからヨイショされていたのだろう。
無駄の多いホームからの斬撃、交わすほどでもないが木剣で軽くいなして行く。
焦り始めたミカエルが勝負に出る、得意技何だろう飛び込んでからの引き技。
この効果はそこまで無いのだが、初見殺しではある。
それでも軽くいなして、喉先に木剣を突きつける。
「まい・・参りました。」
と言うとその場に座り込んだミカエル。
私に手も足も出なかったことから、2日ほど休んでいたようだが、私自身学園をお休むしていたので、よく分からなかった。
もう一人の王女はまだ会ったことがないが、どうんな子だろう。
と思いながら、過ごしていると、元のクラスの子から
「以前ベティー様が座られていた席に今度来た王女様が座っているのよ。」
と教えてくれた。
「機会があれば会うこともあるだろうと、準備していますわ。」
と答えて元クラスメイトと分かれた。
忙しくなり、10日ほど学園を休んだ後、学園に顔を出すと
「お忙しそうですね。大森林で魔物でも狩っていたのですか?」
とジョークを飛ばしてきたので、最近倒したワイバーンを取り出して
「この様な魔物の討伐依頼を受けているので。」
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