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ダンジョン攻略 前編
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ーー 1学年9ヶ月目
何事もなく時は流れて、学校授業に新たな課外授業が始まった。
[ダンジョン攻略]
である、辺境伯領にもダンジョンはそう言って存在する、ランクはDランク3つにCランク1つだ。
Dランクは初心者用と言われる弱い魔物が出るダンジョンで、宝箱やドロップ品もそれ程値は付かないが唯一初攻略の宝箱だけはそこそこのものが出るので、学校では授業の一環として1つから3つの攻略を課題にしている。
ー ある日の授業時間
「みなさん資料を配るのでチームで確認してください。」
と担任から配られたのはDランクのダンジョンの内容と簡易な地図だ。
「来週から皆さんにダンジョン攻略をしてもらいます。同伴に教師と冒険者が付きますが危険がないわけではありません。十分な準備と連携を訓練しておいてください。」
と説明した。
どうやらほぼ全てを生徒に任せる方針のようだ、何故か僕らの席にはCランクのダンジョンの説明書まで混じっていた。
「全部攻略しろと言うことかな。」
そしてダンジョン攻略が始まった。
ー 初日
ダンジョンはそれぞれ数字で区別されている、D-1、Cー1という具合だ。
僕らの引率はサファイア先生とBランクの冒険者だ。
「俺がお前達のお守りをするBランクのシェパードだ。あまり世話を焼かさないでくれよ。」
と冒険者が上からの目線でやる気のない自己紹介をした。
僕らが狙うのはDー3から逆回りで、最後にCー1を攻略する予定だ。
Dランクのダンジョンは、5層構造で最深部にダンジョンボスがおり、それ以外の層はそれぞれのダンジョンで違うが、ここはスライム、ゴブリン、コボルト、キラーバットのようだ。
ー ダンジョンの成長
ダンジョンに入ると不思議な明るさがあった、「光苔」が生えておりそれが淡い光を発しダンジョン内を照らしているようだ。
1階層で出て来たのはスライムだった、
「私にやらせて!」
カレンが手に持った細剣をスライムの核に突き刺すと、「どろり」という感じでスライムはダンジョンに吸い込まれ小さな魔核を残した。
僕らのチームははっきり言って過剰戦力だ、カレンはレベル160、チカも165、カミュは150でいずれも騎士団長クラスだ。
そんなことを知らない付き添いの冒険者は
「おお、上手いなお嬢ちゃん。これでレベル5ぐらいか?」
とバカにしたことを口にしていたがこの後、彼に想像もできない現実が襲ってくるのはまだ先の話だ。
その後、ゴブリンが2匹現れ始め冒険者が頭を捻り始めた。
「何でこの階層にゴブリンがそれも複数?」
ー 2階層
順調に階層を攻略し始めたチームは、2階層でゴブリンの上位種の混じったゴブリン5体と戦闘中だがほぼ1人で問題ない。
「今度は僕がやるよ」
とカミュが剣を縦横無尽に振りながらゴブリンアーチャーの矢を叩き落としながら首を切り飛ばして殲滅していく。
「・・・おかしい、こんな場所で上位種が出るなんて・・・何が起こっているんだ。」
冒険者の顔色が変わり始めた。
ー 3階層
ここではコボルトがゴブリン上位種と混じって出て来た、たまにキラーバットという蝙蝠のような魔物が混ざり上から攻撃してくる。
カレンがそんな魔物を問題なく魔法で殲滅してズンズン進んでいく。
「・・・・」
無言になった冒険者。
ー 4階層
確実に異変と気づく魔物がで始めた、オークがゴブリンとオークを連れてで始めたのだ。
この組み合わせはCランクのパーティーが対応する危険度だ。
「おかしいぜ!こんな高位の魔物が出るのは、ダンジョンが変化している。」
冒険者がそう焦り出したが、僕らは何食わぬ顔で進んでいく。
「おい、聞いているのか?ここは普通じゃねえ。」
冒険者の言葉に耳を貸すものはいなかった。
ー 5階層
オークの上位種が複数で始めた階層をものともせず僕らは攻略していく。
すると大きな扉の前に出た。
「これはダンジョンボスかな?」
というカミュの言葉を僕は否定する
「いや多分階層主だろう。」
「階層主だって、そんなはずねえだろうが。ここはDランクのダンジョンだぜ5階層で階層主が出るのはBランク以上のダンジョンだけだ。ありえね!」
と事実が認められないようだ。
8人が扉を開いて入る、扉が自動で閉まると暗い部屋が明るくなるそこには
・ オークキング
・ オークナイト 2体
・ オークメイジ 2体
・ オークソルジャー 5体が待ち受けていた。
「何じゃこりゃ、これは・・Bランクのパーティーがやっと倒せるかどうかの魔物じゃないか!」
悲鳴のように口にすると冒険者は責任感か、1人オークソルジャーに挑んで行った。
1対のソルジャーを倒したがメイジの魔法で後方に飛ばされた冒険者は、意識朦朧だ。
「それじゃあ皆んな、連携を思い出していくよ。」
と僕が声をかけるとそれぞれが持ち場にスタンバイして初撃を待つ。
「ファイアーランス!」
カレンが30発の炎の矢を魔法で打ち出すのを合図に皆が動き出す。
メイジ2体が魔法攻撃して来た、それをアスカが結界魔法で防ぐ。
カミュとチカが剣と大剣でソルジャーを倒していく。
カレンは魔法でメイジを狙って風の刃を飛ばす、それを防ぐようにナイトが前に出ようとするがその足を僕が土魔法で妨害する。
大きな怪我をしたメイジを守るようにキングが前に出てナイトの拘束を破壊する。
自由になったナイト2体が襲いかかってくる。
チカが大剣で一体のナイトを防ぎながらカミュがガラ空きの胸に剣を差し入れる。
カレンがもう一体のナイトに雷撃を打ち出す、痺れて硬直したナイトにブルーがとどめを刺す。
怒り狂ったキングが孔砲をあげて威嚇しながら走り出す、しかしその孔砲が聞くほどレベルは低くない僕らは、アスカの結界で動きを止めた後チカとブルーが両サイドから斬りつける。
腕一本を切り飛ばされ腹にも浅くないて傷を負ったキングは、超回復で傷を回復しながらメイジの回復を待っていた。
メイジが回復しキングに支援魔法をしながら土魔法攻撃をして来た。
「メイジを頼むよ。」
僕は皆んなにそう言うとキングの前に出た、キングは怒りの形相で大剣を僕に振り下ろす。
僕のショートソードがその大剣をガシッと受け止めて押し返す。
タタラを踏むキングの胴を横一閃で切り飛ばす僕の魔法剣。
ちょうどその頃メイジ2体も斬り倒されていた。
「階層主の討伐を確認。」
と言うメッセージが流れた、階層主であることは間違いないようだこれでこのダンジョンがB以上のランクに進化していることが判明した。
ー 10階層
新たに強力な魔物が現れる階層を超えて僕らは10階層の扉の前に辿り着いた。
この中の魔物が何かで戦い方が変わるが。
「おい、引き上げるべきだ。ここに出るボスは多分Aランクパーティーじゃなければ太刀打ちできないはずだ。」
冒険者は少しばかり震えながらそう忠告する。
「あなたはただの付き添いなので黙ってください。」
僕がそう言うと口をつぐんだ。
扉を開けて中に入ると5対のケンタウロスが居た。
「!・・・ケンタウロス!・・もう生きて戻れない・・。」
冒険者がそう呟く。
サファイア先生も顔を青くしている。
「まずは僕が相手の動きを制限するから得意技で攻撃してね。」
と言うと
「雷撃シャワー」
と唱えると雨にように激しい雷撃がケンタウロスらを何度も襲う。
「シュー」
と言う肉が焼けるような音と燻った煙が雷撃の激しさを物語る、動きが止まったケンタウロス達を皆がそれぞれ襲う。
「一番乗りー!」
チカがケンタウロスの首を持ち名乗りを上げる。
「私が2番」
カレンもそれに続く、そしてカミュ、ブルー、アスカと続き討伐が終了する。
出て来た宝箱は金箱だった。
どうやら初討伐の報酬のようだ。
奥の部屋に転移の魔法陣が描かれた部屋があった、この先に行くかここから帰るかの判断が出来るようだ。
サファイア先生が
「これから先はとても危険だと思うの、だから戻ることを推奨するわ。」
と言う、
「先生それでは初踏破ができません、僕らはこのまま先に行きたいと考えます。」
と答えた僕に
「しかし、カレン様が・・・でもシャドー君の実力を確かめるのも・・・」
何か葛藤しているようだ、すると冒険者が
「俺は帰らせてもらう、これ以上はついていけねえ!」
というととっとと魔法陣に乗り帰っていった。
「先生もう少し行きましょう。まだ私たち実力を出し切っていないんです。大丈夫です。」
と言うカレンの言葉に頷く先生は
「分かりました、私も参戦しますね。」
と言いながらさらに奥へ歩を進めた。
何事もなく時は流れて、学校授業に新たな課外授業が始まった。
[ダンジョン攻略]
である、辺境伯領にもダンジョンはそう言って存在する、ランクはDランク3つにCランク1つだ。
Dランクは初心者用と言われる弱い魔物が出るダンジョンで、宝箱やドロップ品もそれ程値は付かないが唯一初攻略の宝箱だけはそこそこのものが出るので、学校では授業の一環として1つから3つの攻略を課題にしている。
ー ある日の授業時間
「みなさん資料を配るのでチームで確認してください。」
と担任から配られたのはDランクのダンジョンの内容と簡易な地図だ。
「来週から皆さんにダンジョン攻略をしてもらいます。同伴に教師と冒険者が付きますが危険がないわけではありません。十分な準備と連携を訓練しておいてください。」
と説明した。
どうやらほぼ全てを生徒に任せる方針のようだ、何故か僕らの席にはCランクのダンジョンの説明書まで混じっていた。
「全部攻略しろと言うことかな。」
そしてダンジョン攻略が始まった。
ー 初日
ダンジョンはそれぞれ数字で区別されている、D-1、Cー1という具合だ。
僕らの引率はサファイア先生とBランクの冒険者だ。
「俺がお前達のお守りをするBランクのシェパードだ。あまり世話を焼かさないでくれよ。」
と冒険者が上からの目線でやる気のない自己紹介をした。
僕らが狙うのはDー3から逆回りで、最後にCー1を攻略する予定だ。
Dランクのダンジョンは、5層構造で最深部にダンジョンボスがおり、それ以外の層はそれぞれのダンジョンで違うが、ここはスライム、ゴブリン、コボルト、キラーバットのようだ。
ー ダンジョンの成長
ダンジョンに入ると不思議な明るさがあった、「光苔」が生えておりそれが淡い光を発しダンジョン内を照らしているようだ。
1階層で出て来たのはスライムだった、
「私にやらせて!」
カレンが手に持った細剣をスライムの核に突き刺すと、「どろり」という感じでスライムはダンジョンに吸い込まれ小さな魔核を残した。
僕らのチームははっきり言って過剰戦力だ、カレンはレベル160、チカも165、カミュは150でいずれも騎士団長クラスだ。
そんなことを知らない付き添いの冒険者は
「おお、上手いなお嬢ちゃん。これでレベル5ぐらいか?」
とバカにしたことを口にしていたがこの後、彼に想像もできない現実が襲ってくるのはまだ先の話だ。
その後、ゴブリンが2匹現れ始め冒険者が頭を捻り始めた。
「何でこの階層にゴブリンがそれも複数?」
ー 2階層
順調に階層を攻略し始めたチームは、2階層でゴブリンの上位種の混じったゴブリン5体と戦闘中だがほぼ1人で問題ない。
「今度は僕がやるよ」
とカミュが剣を縦横無尽に振りながらゴブリンアーチャーの矢を叩き落としながら首を切り飛ばして殲滅していく。
「・・・おかしい、こんな場所で上位種が出るなんて・・・何が起こっているんだ。」
冒険者の顔色が変わり始めた。
ー 3階層
ここではコボルトがゴブリン上位種と混じって出て来た、たまにキラーバットという蝙蝠のような魔物が混ざり上から攻撃してくる。
カレンがそんな魔物を問題なく魔法で殲滅してズンズン進んでいく。
「・・・・」
無言になった冒険者。
ー 4階層
確実に異変と気づく魔物がで始めた、オークがゴブリンとオークを連れてで始めたのだ。
この組み合わせはCランクのパーティーが対応する危険度だ。
「おかしいぜ!こんな高位の魔物が出るのは、ダンジョンが変化している。」
冒険者がそう焦り出したが、僕らは何食わぬ顔で進んでいく。
「おい、聞いているのか?ここは普通じゃねえ。」
冒険者の言葉に耳を貸すものはいなかった。
ー 5階層
オークの上位種が複数で始めた階層をものともせず僕らは攻略していく。
すると大きな扉の前に出た。
「これはダンジョンボスかな?」
というカミュの言葉を僕は否定する
「いや多分階層主だろう。」
「階層主だって、そんなはずねえだろうが。ここはDランクのダンジョンだぜ5階層で階層主が出るのはBランク以上のダンジョンだけだ。ありえね!」
と事実が認められないようだ。
8人が扉を開いて入る、扉が自動で閉まると暗い部屋が明るくなるそこには
・ オークキング
・ オークナイト 2体
・ オークメイジ 2体
・ オークソルジャー 5体が待ち受けていた。
「何じゃこりゃ、これは・・Bランクのパーティーがやっと倒せるかどうかの魔物じゃないか!」
悲鳴のように口にすると冒険者は責任感か、1人オークソルジャーに挑んで行った。
1対のソルジャーを倒したがメイジの魔法で後方に飛ばされた冒険者は、意識朦朧だ。
「それじゃあ皆んな、連携を思い出していくよ。」
と僕が声をかけるとそれぞれが持ち場にスタンバイして初撃を待つ。
「ファイアーランス!」
カレンが30発の炎の矢を魔法で打ち出すのを合図に皆が動き出す。
メイジ2体が魔法攻撃して来た、それをアスカが結界魔法で防ぐ。
カミュとチカが剣と大剣でソルジャーを倒していく。
カレンは魔法でメイジを狙って風の刃を飛ばす、それを防ぐようにナイトが前に出ようとするがその足を僕が土魔法で妨害する。
大きな怪我をしたメイジを守るようにキングが前に出てナイトの拘束を破壊する。
自由になったナイト2体が襲いかかってくる。
チカが大剣で一体のナイトを防ぎながらカミュがガラ空きの胸に剣を差し入れる。
カレンがもう一体のナイトに雷撃を打ち出す、痺れて硬直したナイトにブルーがとどめを刺す。
怒り狂ったキングが孔砲をあげて威嚇しながら走り出す、しかしその孔砲が聞くほどレベルは低くない僕らは、アスカの結界で動きを止めた後チカとブルーが両サイドから斬りつける。
腕一本を切り飛ばされ腹にも浅くないて傷を負ったキングは、超回復で傷を回復しながらメイジの回復を待っていた。
メイジが回復しキングに支援魔法をしながら土魔法攻撃をして来た。
「メイジを頼むよ。」
僕は皆んなにそう言うとキングの前に出た、キングは怒りの形相で大剣を僕に振り下ろす。
僕のショートソードがその大剣をガシッと受け止めて押し返す。
タタラを踏むキングの胴を横一閃で切り飛ばす僕の魔法剣。
ちょうどその頃メイジ2体も斬り倒されていた。
「階層主の討伐を確認。」
と言うメッセージが流れた、階層主であることは間違いないようだこれでこのダンジョンがB以上のランクに進化していることが判明した。
ー 10階層
新たに強力な魔物が現れる階層を超えて僕らは10階層の扉の前に辿り着いた。
この中の魔物が何かで戦い方が変わるが。
「おい、引き上げるべきだ。ここに出るボスは多分Aランクパーティーじゃなければ太刀打ちできないはずだ。」
冒険者は少しばかり震えながらそう忠告する。
「あなたはただの付き添いなので黙ってください。」
僕がそう言うと口をつぐんだ。
扉を開けて中に入ると5対のケンタウロスが居た。
「!・・・ケンタウロス!・・もう生きて戻れない・・。」
冒険者がそう呟く。
サファイア先生も顔を青くしている。
「まずは僕が相手の動きを制限するから得意技で攻撃してね。」
と言うと
「雷撃シャワー」
と唱えると雨にように激しい雷撃がケンタウロスらを何度も襲う。
「シュー」
と言う肉が焼けるような音と燻った煙が雷撃の激しさを物語る、動きが止まったケンタウロス達を皆がそれぞれ襲う。
「一番乗りー!」
チカがケンタウロスの首を持ち名乗りを上げる。
「私が2番」
カレンもそれに続く、そしてカミュ、ブルー、アスカと続き討伐が終了する。
出て来た宝箱は金箱だった。
どうやら初討伐の報酬のようだ。
奥の部屋に転移の魔法陣が描かれた部屋があった、この先に行くかここから帰るかの判断が出来るようだ。
サファイア先生が
「これから先はとても危険だと思うの、だから戻ることを推奨するわ。」
と言う、
「先生それでは初踏破ができません、僕らはこのまま先に行きたいと考えます。」
と答えた僕に
「しかし、カレン様が・・・でもシャドー君の実力を確かめるのも・・・」
何か葛藤しているようだ、すると冒険者が
「俺は帰らせてもらう、これ以上はついていけねえ!」
というととっとと魔法陣に乗り帰っていった。
「先生もう少し行きましょう。まだ私たち実力を出し切っていないんです。大丈夫です。」
と言うカレンの言葉に頷く先生は
「分かりました、私も参戦しますね。」
と言いながらさらに奥へ歩を進めた。
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