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【番外編】キューピットストーンの粋な計らい
*16*【B】
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なおも続く愛撫に気が狂ってしまいそうなのに、さらなる刺激を――強い快感を求めている自分が存在する。もう一人別の人格があるみたいで、それが怖い。
――このままじゃ溺れてしまう……。
「や……やめて……下さい」
何故こうなってしまうのかわからない。自分の身体の反応に戸惑いながらも、これ以上のことをされたら正気を保っていられない気がして、紅は必死に訴えた。
遊輝の視線を肌で感じる。狂わされそうになっている自分を見つめる熱い視線を。
「今、僕はね、君を包む可愛らしい洋服を脱がして、薔薇色に染まる君の肌に直接触れてみたくてたまらないよ」
「そんなことしたら……あたし……訴えますからっ」
「君はしないでしょ?」
確認するように問うて、彼は紅の耳を食む。食まれた場所がじんと痺れて、また聞き慣れない声を上げそうになってしまうのをぐっと堪えた。
「そうそう。後学のために良いことを教えてあげる」
「……何ですか?」
耳元で囁かれるとくすぐったい。それでも堪えて続きを待つ。
「男が女の子に服をあげるときはね、その服を着ているのを見てみたいって気持ちの裏に、その服を脱がしてやりたいって欲望があるんだよ。覚えておいて」
そう告げると、彼はブラウスについた襟を兼ねたフリルをやや乱暴に引っ張って鎖骨の辺りを露出させ、素早く唇を寄せた。
「あっ……」
首とも肩とも言えそうな場所にチクリとした痛みが走る。噛まれたのか、強く吸われたのか、あるいはその両方なのだろうか。身動きが取れないまま、しばらくそうしていると、やがて解放される。
彼に支えられていた腰がラクになると同時に、紅はすとんとその場に崩れた。身体にうまく力が入らない。なんとか上体は起こしていられたが、まるで人形にでもなってしまったかのような気分だ。
遊輝は紅の前にしゃがみ込むと、先ほど唇を寄せていた部分に長い指先で触れる。そして嬉しそうに笑んだ。
「傷の治りが早い紅ちゃんでも、キスマークを刻むことはできるみたいだね」
彼の指先が離れたところで、すぐに手で押さえる。見える場所ではないので確認できないが、今された行為がそういうことであることは理解できた。合わせて、紅は乱れた胸元をさっと直す。なかったことにしてしまいたい。
「できるならこのまま君を僕のものにしちゃいたいところだけど、今夜のところは我慢してあげるね。抜折羅くんに縁を切られたくないし。この続きに興味があるなら、今度は一人で僕の家においで。可愛がってあげるから」
人差し指を唇に当てて、遊輝は妖艶に笑む。誘いは本気だと受け取った。
「絶対に一人じゃ近付きませんから、ご心配なく」
心臓はまだ高鳴ったままだ。遊輝相手にこんな状態になってしまう自分が恨めしい。抜折羅を好きだと言っているのに、他の男に気持ちが揺らいでいるなどとは思いたくない。だが、抜折羅から責められたら、反論できそうにないと感じているのも事実だ。
「ふふっ、頑張って」
ぽんぽんと軽く頭を叩かれると、遊輝は少しだけ距離をおく。
まもなく、抜折羅が階段を上がってくるのが見えた。
――このままじゃ溺れてしまう……。
「や……やめて……下さい」
何故こうなってしまうのかわからない。自分の身体の反応に戸惑いながらも、これ以上のことをされたら正気を保っていられない気がして、紅は必死に訴えた。
遊輝の視線を肌で感じる。狂わされそうになっている自分を見つめる熱い視線を。
「今、僕はね、君を包む可愛らしい洋服を脱がして、薔薇色に染まる君の肌に直接触れてみたくてたまらないよ」
「そんなことしたら……あたし……訴えますからっ」
「君はしないでしょ?」
確認するように問うて、彼は紅の耳を食む。食まれた場所がじんと痺れて、また聞き慣れない声を上げそうになってしまうのをぐっと堪えた。
「そうそう。後学のために良いことを教えてあげる」
「……何ですか?」
耳元で囁かれるとくすぐったい。それでも堪えて続きを待つ。
「男が女の子に服をあげるときはね、その服を着ているのを見てみたいって気持ちの裏に、その服を脱がしてやりたいって欲望があるんだよ。覚えておいて」
そう告げると、彼はブラウスについた襟を兼ねたフリルをやや乱暴に引っ張って鎖骨の辺りを露出させ、素早く唇を寄せた。
「あっ……」
首とも肩とも言えそうな場所にチクリとした痛みが走る。噛まれたのか、強く吸われたのか、あるいはその両方なのだろうか。身動きが取れないまま、しばらくそうしていると、やがて解放される。
彼に支えられていた腰がラクになると同時に、紅はすとんとその場に崩れた。身体にうまく力が入らない。なんとか上体は起こしていられたが、まるで人形にでもなってしまったかのような気分だ。
遊輝は紅の前にしゃがみ込むと、先ほど唇を寄せていた部分に長い指先で触れる。そして嬉しそうに笑んだ。
「傷の治りが早い紅ちゃんでも、キスマークを刻むことはできるみたいだね」
彼の指先が離れたところで、すぐに手で押さえる。見える場所ではないので確認できないが、今された行為がそういうことであることは理解できた。合わせて、紅は乱れた胸元をさっと直す。なかったことにしてしまいたい。
「できるならこのまま君を僕のものにしちゃいたいところだけど、今夜のところは我慢してあげるね。抜折羅くんに縁を切られたくないし。この続きに興味があるなら、今度は一人で僕の家においで。可愛がってあげるから」
人差し指を唇に当てて、遊輝は妖艶に笑む。誘いは本気だと受け取った。
「絶対に一人じゃ近付きませんから、ご心配なく」
心臓はまだ高鳴ったままだ。遊輝相手にこんな状態になってしまう自分が恨めしい。抜折羅を好きだと言っているのに、他の男に気持ちが揺らいでいるなどとは思いたくない。だが、抜折羅から責められたら、反論できそうにないと感じているのも事実だ。
「ふふっ、頑張って」
ぽんぽんと軽く頭を叩かれると、遊輝は少しだけ距離をおく。
まもなく、抜折羅が階段を上がってくるのが見えた。
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