強運と幸運を持ったガチャ好きな召喚者は目標が無いので最強を目指してみた

中沢日秋

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第一章 奔走冒険者編

第四話 ギルド

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 ん?ここどこだっけ?
 ・・・・・・ああ。確か宿屋だったっけ。
 いまだ睡眠状態から戻ってこない脳を無理やり起動させる。
 えっと、今何時だ?あ、時計発見。今は9時か。元の世界と同じなんだなー。
 ・・・・・・9時!?
 ドタドタドタ!

 「あ、あぶねー。寝坊した」
 「お、昨日の客さんじゃないか。危なかったね、もうすぐ朝飯の時間は終わりだったよ。ほらほら、食べた食べた」

 昨日のおばあちゃんに出された食事をして今日は何をしようかと考える。

 「あ、そうだおばあちゃん。危険とかそういうの全部省いたら一番稼げるのはどんな職業?」

 金稼ぎするにはどうすればいいか聞いてみる。
 だって、今の俺なら多少の危険は大丈夫だろうし。

 「ハハハハハ。危険を省くと、か。なら、冒険者になってモンスターを狩って素材を売るのが一番だねえ。でも、冒険者になるには15歳以上、レベル15以上が絶対だよ。まあ普通の民間人なら15歳でレベル5~8あたりだから、相当鍛えなきゃいけないよ」
 「アハハ。今日もありがとうございます、おばあちゃん」

 俺は黒いフランスパンのようなものをかじりながら礼を言う。
 ちなみに今日の献立は黒いフランスパンに赤い味噌汁に普通のキャベツを千切りにしただけのサラダ。なぜかキャベツだけ同じなんだよな。

 「じゃ、ちょっと行ってきます。あ、そうだ。これ受け取って。お世話になったお礼だから」

 そう言って銅貨を2枚カウンターに置いて外に出て行った。
 そのとき、店のおばあちゃんはこう呟いていたそうだ。

 「あんなに優しい人は始めて見たね。こちらこそ、ありがとう」

 そのとき、広樹はつまずいて前のめりにこけていた。

 「いたかった~」

 歩きながら独り言を呟く。
 段差も無いのに転んだのは久しぶりだ。ああ。日本の整備された道がどれだけいいものか、今痛感している。
 この世界の道は、レンガを隙間無く埋め込んだ道だ。セメントとかコンクリートとかそんな物とは無縁なこの世界では、レンガが少し傾いたりしている。
 だが、そのレンガにつまずいた人を見て、前を見てなかったから何も無いところで転んだのだが。
 さてと、まずは冒険者になる為にどうすればいいか分からないな。
 ん?あれはなんだ?ギルド?どうすればいいか分からないし、小説とか漫画とかでギルドに登録すれば~とかあったから一応入ってみよう。
 扉を押し、中に入るとカウンターと、横に長い椅子がいくつか有った。
 とりあえず、空いているカウンターのところへ行く。

 「すいません。冒険者になりたいんですが」
 「なら、こちらで登録をしてもらいます。登録料として鉄貨一枚を頂戴いたします」

 え?お金がいるの?まああるから良いか。
 そう考え、鉄貨を一枚渡す。

 「では、こちらのカードに血を一滴垂らして下さい。それと、こちらの紙に名前、年齢、レベル、職業を記入してください。あ、文字はかけますか?」

 え?いや、なんかこの世界の文字は分かるし、多分書ける。
 でも、職業はどうしようかな?

 「書けました」
 「・・・・・・分かりました。少しお待ちください」

 職業は分からないので契約者テイマーにしといた。『この中のどれかに当てはまるのなら、それに丸を付けてください』とかかれていて、契約者に丸を付けた。
 だって、神獣契約と魔獣契約の能力持ってるし。

 「お待たせいたしました。こちらが証明カードになります」
 「ありがとうございます、お姉さん」

 本当に助かったので、お礼を言っておく。
 さてと、狩るか!
 そのとき、受付嬢は顔を赤くしていた。

 (お礼なんてこの仕事ではじめて言われた・・・・・・。しかも、お姉さんなんていわれたのなんか、人生初めて・・・・・・。しかもあんなイケメンに・・・・・・)

 そのとき、広樹は冒険者の仕事場である平原の手前の門で止められていた。

 「何でダメなの?」
 「お前がまだ15歳だからだ。その上武器も持ってないではないか」
 「武器なら有る」

 そういって取り出した鋼の剣を見せる。

 「それに、15歳で登録可能だろ?制限ギリギリだからって止めるのは人としてどうかと思うなー」
 「! お前、死んでもしらんぞ」
 「別に大丈夫。一応テイマーだから」

 あーやっと門を通れた。
 さてと、人気の無いところへと移動。よし、まずは実験しよう。
 まずは魔獣契約。

 「『魔獣契約』魔獣 地炎虎フレスタ!」

 そう唱えると、目の前に魔法陣が現れた。それと同時に、体から何かがごっそり持っていかれる感じがした。
 そして、魔法陣から炎を纏う虎が現れた。
 その虎は、蒼い炎を纏うカッコイイ虎だった。

 「カッコイイ!」

 感想を素直に言葉にする。

 『ふん!私は女よ!何がカ、カッコイイ、じゃないでしょ!』

 ん?何か声が。まさかこの虎が?
 でもカッコいいし。それに、言葉とは裏腹に嬉しそうな声だったしなあ。

 「へー。でも女だったんだ。模様が入ってたから雄かと思った」
 『は?何を言ってるの?オスもメスも模様はあるでしょ?』

 ああ。この世界ではそうなのか。
 とりあえず戻ってもらうことにした。ここら辺では自分はどのくらいの強さなのかよくわからないから。
 うーん。どこかにモンスターはいないかなあ。

 『おーい。左に30メートル程にバイパーの群れがいるわよ。あんたなら勝てるでしょ』

 頭の中に声が響いた。まさかの契約したことによる効果か?

 『そうよ。でも、早くしないとバイパーに攻撃されるわよ』

 まじか。ささっとやるか。
 白銀の刀を出して、バイパーという蛇型のモンスターがいる場所へ向かう。
 名前的に蛇かなーと思ったんだよね。
 とりあえず、居たから近くにいる順に胴体を切断していく。
 次から次へと湧いてくる。多いなあ。今の俺なら攻撃を一撃も喰らわずに一方的に攻撃し続けられる。

   *****

 殲滅終了。疲れたー。
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