強運と幸運を持ったガチャ好きな召喚者は目標が無いので最強を目指してみた

中沢日秋

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第一章 奔走冒険者編

第十五話 準備

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 あー。うん、もう諦めよう。おそらくだけど、加護とか称号とかも関わって、こんな異常な上がりかたをしてるんだと思う。

 「よし!国王であるわしは決心したぞ!!ヒロキ殿を多種族学園に通わせることを!!」

 ・・・・・・は?
 多種族学園?なにそれ、学園に通わせるって、どゆこと?

 「ハァー。お父様、権力で無理やり入れようって考えなら私は全力でヒロキ様をお父様から離します」
 「おい、なんでいきなり俺のことを様付けしはじめるんだ?一応王女なのによ」
 「いいじゃありませんか。それよりもヒロキ様、私のことは名前で呼んでくださってけっこうですよ?」
 「ハイハイ。そーさせていただきますよー、バカミリス王女さん」
 「失礼な!!バカは余計ですよー!!!」

 いや、あんたバカだろ。なんとなくだけどよ。

 「あー、とりあえず、国王さん、同じ会議に出席するんだったら一緒についていっていいか」
 「おー!かまわんかまわん。本当のことを言えば、獣人の王は私だけでな。同じ獣人ならありがたい、見方がついた気分だ。あ、お主、会議はどういうものか分かっておるのか?」

 そういえば知らないな。そもそも何をするかも知らなかった。今のうち聞いておくか。

 「いや、何も知らない。すまないが教えてくれないか?」
 「なあに、簡単なことよ。各国の現状報告。まあ、魔王は国土を持っていないものもいるので、国を持っているものだけだな。それと、他の国について感じたことだな。大抵このことで言い争いになったり、付け上がった国王とその護衛が魔王にけしかけるのだがな。まあ、そんなバカなやつは魔王に再起不能にされるのがオチだ!ワハハハハハハハ!!」

 ほう、だったらあの・・・・・・クエン?クエル?だったっけ。どっちでもいいか。あの最弱魔王みたいな奴がいたら、軽い殺気で十分か。
 ま、さっさと行くか。

 「で、どこでやるんだ?その会議は」
 「ココ」

 ・・・・・・・・・・・・聞き間違いか?さっきまで準備とか何だかんだ言ってた気がするけど。

 「此処?」
 「うん。ココだよ」

 なぜだろう、なぜかイライラする。

   *****

 「おーい。お前はここの席だぞ。先に座っておけ。にしても、その耳と眼、綺麗な色ですなー」
 「はいはい。で、いつ来るんだ?」
 「もうすぐ。あとは、もうわしも待つだけだ。いやはや、この時間が一番緊張する。ああ、あのバカ国王が何もしないといいんだが・・・・・・ヒロキ殿もいるし無理だろう」

 ちなみに、この世界には76ヶ国もあるらしい。会議に参加するのは、だいたい30ヶ国あたりらしい。
 正当な理由があり、尚且つ大きな国ではない場合は辞退できる。だが、大きな国も戦争などがある場合は辞退できる。
 普通、一つの種族につき二人以上の代表がいなければならない。国王だけではなく、エルフや小人族などの少数種族もいるため、このようなルールが不可欠となった。
 今回は34ヶ国が参加。例外が28名。一つの種族につき一人、二つ名を付けられる人物がいる。例外は全員。

  人族    9/10名  高慢王
  獣人族   1/1名  闘獣王
  魔族    1/2名  破壊王
  竜人族   1/1名  天空王
  精霊族   2/3名  法術王
  妖精族   3/3名  妖魔王
  小人族   1/2名  知之王
  巨人族   4/5名  岩力王
  エルフ族  1/1名  具術王
  ドワーフ族 5/5名  創作王
  悪魔族   3/3名  常闇王
  天使族   3/3名  陽光王

  魔王    14/14名  ***
  覇王    5/5名   ***
  剣聖    3/3名  心王 技王 体王
  六道    6/6名  天之王  人間之王 修羅之王
                畜生之王 餓鬼之王 地獄之王

 ふむふむ。あ、ちなみに、『覇王』と『魔王』の皆さんは、二つ名で呼ばれるのを嫌っています。
 ちなみに、今俺は獣人状態です。戻りかたがわからないから。

   *****

 全員揃いました。で、俺をこの異世界に呼んだ王国がエマルゴマ人間王国。その国王の護衛が、勇者(笑)の大志と、光平。それとクラス一の美人、恵美矢 知枝。
 光平は俺を見るなり驚愕の表情をしたが、すぐに前を向き眼を瞑った。

 「ふむ。全員揃ったな。では今年の会議を始めよう。まず、新しく魔王に入ったヒロキ殿に紹介をしてもらおう」
 「九尾の獣人のヒロキ・イシカワ・バルトガミルです。つい先日魔王入りしたばかりなので、知らないことも多いですが、よろしくお願いします」

 パシッ
 パキパキパキ パキン!
 エルフの護衛から放たれた、悪ふざけにしては強すぎる一撃の矢。
 ステータスが全部4桁いってるんだ。この程度の矢なら、素手でキャッチできる。で、液体窒素で凍らして砕いた。

 「エルフの挨拶って、矢を全力で射ることなのか?」

 殺気を放つ。軽い脅しのつもりで、この部屋全体に、濃密な殺気を。といっても、魔力も乗せてないし、本気でもないから大丈夫だとは思うけど。
 あれ?なんでみんな真っ青になってんの?てか、おれに矢をいってきた女エルフさん、ウォーキングデッドみたいになってるじゃん。
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