強運と幸運を持ったガチャ好きな召喚者は目標が無いので最強を目指してみた

中沢日秋

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第一章 奔走冒険者編

第十六話 恐怖

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 「安心してください。あなた方から何かしない限り・・・・・・・・・・・・・、こちらも手は出さないので」

 暗に脅しをかけといた。殺気をといて席に座る。
 ドン!ドン!ドン!ドン! ボシュゥウウウウ・・・・・・
 座った瞬間に巨大な炎魔法が飛んできたので、二酸化炭素の壁で火を消しました。

 「・・・・・・死にたいのか?」

 この魔法は炎属性魔法の上級魔法。蒼い炎の回転するミサイルが数十発。
 この魔法を放ったのは大志だった。頭、大丈夫かな?こんど総合病院に連れてってやろう。
 殺気と威圧を放つ。一瞬キレそうになったからな。

 「ヒ・・・あ・・・・・・あぁ・・・・・・」

 OH。なにを垂れ流してるんだヨ。失禁なんてダセえぞ勇者。
 しょーも無い連中が多いなー。王様の護衛がこんなのでいいのか?

 「ふむ。止めだ止め、これ以上はこちらが持たない。ヒロキ殿、試して悪かったな」
 「どういうことだ?」
 「いやー、新しい王が来たらこうやって試すんだよ。そうすれば大体の力量が分かるだろう?にしても、こんなバケモノだとはわしは思わなかったぞ!」

 この狐ジジイ殴ってやろうか?
 ま、いっか。別に俺は怪我してないし。

 「な、ミカスガ国王!こんな魔王風情を認めるのか!単なる力任せの獣ではないか!」
 「誰が獣だ。寝言は寝てから言ってくれ、年増エルフさん」
 「き、貴様~!どこの馬の骨とも知らぬ奴が、我らを侮辱するか!」
 「あんたが高慢すぎるだけだろ。それに、馬の骨って、俺等がそうならあんたはネズミの骨だよ。なるべく殺しはしたくないから出来れば黙ってくれないか?」

 いま少しだけ、本物の殺意が湧きかけた。危ない危ない。
 俺はこれといっても言うこと無いからな。あーあ、来るんじゃなかった、こんな会議。
 それからは別に目立ったことは無い。アホな護衛が何度か攻撃してきただけだ。

 「あ”~づがれだ~」
 「あ!ヒロキだ!耳が生えてる!」

 ・・・・・・誰の声だ?一回だけ聞いたことがあったような・・・・・・。誰だっけ?
 ガキだ。小学一年生ぐらいか?

 「今日もよく分からない能力をバンバン使ってたねー!どういう能力なの?教えて!」
 「知らない人とは関わらないんで。サヨウナラ」

 本当に誰だろ、う!?
 ぎち ぎち ぎち ぎち ぎち ぎち ぎち ぎち

 「息が、で、出来な、い」
 「このガキャ~!あたしを忘れるたぁ~いい度胸してんじゃねぇ~か~!同じ魔王の癖に魔王のことを忘れるなんてな~!」
 「お、お前みたいな、ちっこい奴、魔王の、中、に、居た、か?」

 本当に誰だ?こんな全身黄色で統一したような奴、知らないんだけど?てか、首を絞められるようなことをした覚えもないんですけどー!!
 なんか関わってはいけないやつに絡まれたような気が・・・・・・!

 「誰がちっこいやつじゃ~~~!!!!!」
 「ギブ!ギブ!!ギブだって!!!」

 うぉえ~。死ぬ。窒息死する。酸素欠乏で死ぬかと思った。
 あれ?でも、肺の中に直接酸素を作ればよかったんじゃ・・・・・・。無駄に苦しんでしまった自分が情けない。

 「で、だれ?」
 「ラフセリヌ・ベジル・ベギタリアン。魔王の一人だよ!」

 うぉう。切り替えはやい。見た目も中身もガキになった。こいつ怖いなー。

 「あ!ヒロキ様!早く来てください!見てもらいたいものがあるんです!」
 「いたいた!ヒロキ!魔王全員の自己紹介することになったぞ!」

 ミリスとベルナの声がかぶった。なんか嫌な予感がする。

 「なんで呼び捨てなんですか?」
 「なんで様付けなんだ?」

 今のうちに逃げよう。巻き込まれないうちに、早く逃げよう。

 「一体ヒロキ様の何なんですか?」
 「一体ヒロキの何なんだ?」

 おおう、どんだけかぶってんだ。てか、どっちも親しい友人程度の関係だろ!?一体何を勘違いしてんだこいつら!?怖いわ!

 「おい、ヒロキ。止めに行け」

 ぅおい。魔王が魔王に魔王と王女を止めろって言うのかよ。
 くっ。確かに誰かが止めにいかないと終わりそうに無い。でも俺が止めに行く理由なんて無いしさー、行ったら余計にややこしいことになりそうだしさー。
 ドン!ピューーーガシャアン!
 国王様を殴り飛ばす魔王&王女。俺も行ったらああなるのかな。恐怖を感じるんだけど。
 うーん。行ったほうがよさそうだ。誰かが止めないと絶対に終わらない。

 「おい、そろそろ止め「ヒロキ様はどっちの味方ですか!?」え!?」
 「貴様!ヒロキに助けを求めるなんて卑怯だぞ!どれだけヒロキに頼ってるんだ!そんなにヒロキが好きか!?」
 「な、そ、そっちだってヒロキ様にべったりじゃない!今だって腕を掴んで放そうともしてないくせに!あなたこそヒロキ様のことをどれだけ好いてるのよ!」
 「少しは静かにしろよお前ら・・・・・・。てか人のことで騒ぐなよ・・・・・・。ハァーーー」

 本当にこいつらどうすればいいんだよ・・・・・・。

 この時、俺の後ろの方で大志が歯軋りしていたことは、本人しか知らない事実だったとか・・・・・・。
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