蛇の魔物に転生した ~蛇なのに固有スキルでスキルが増えてく~

中沢日秋

文字の大きさ
3 / 13

3.奇襲と逃走

しおりを挟む
 俺は周りを警戒しながら木にのぼり化け猫の真上まで行った。

 よし、ここならいけるだろう。念のためステータスを確認しておこう。


   名前 無し
   種族 ハンターキャット・ウッド
   年齢 5歳
   状態 毒
   Lv 12/35
   HP 53/119
   MP 87/87
   物攻力 62
   物防力 54
   魔攻力 59
   魔防力 53
   機動力 72
   ランク E+

   究極スキル

   種族スキル
   【恒温生物Lv--】【嗅覚発達Lv--】【気配感知Lv-4-】【夜目Lv--】
   【猫族言語Lv-4-】【平衡感覚Lv-5-】【肉を裂く鋭爪Lv--】

   固有スキル

   通常スキル
   【噛み付きLv-4-】【奇襲Lv-3-】【嬲り殺しLv-6-】【丸呑みLv-2-】
   【威嚇Lv-3-】【跳躍Lv-4-】

   魔法スキル
   【ウッドハイドLv-2-】

   耐性スキル
   【衝撃耐性Lv-2-】

   称号スキル
   【森のハンターLv--】


 うん。今なら何とかなりそうだな。じゃあ、奇襲開始!

 木の枝をお尾ではじき勢いをつけて化け猫に飛びつく。そのまま【絡み付き】を発動させる。首と足を縛りつけ化け猫のHPを削っていく。

 「シャー!シャ、シャーーー!!」

 猫のイメージと少々離れた声を上げながら抵抗する化け猫。
 俺は【骨砕き】も同時に発動させて、化け猫の首の骨がミシミシと嫌な音をたてる。

 毒の効果もあり化け猫はしばらくすると化け猫から抵抗感がなくなった。

 念のため最後に首に噛み付くと、死んだフリだった用でそのままくたばった。トドメを刺していくらか肉を食べて逃げ帰った。【ウッドハイド】を継承して口で持てるだけの肉を持って帰りました。

 【称号スキル【狡猾な毒蛇】を得ました。】
 【通常スキル【絞殺】を得ました。】
 【通常スキル【奇襲】を得ました。】

 へーい。
 そういえば初めてだよな、まともな戦闘。うん、疲れた。命のやり取りする感じはあったけど、化け猫が死にかけだったこともあるしそこまで怖いとは思わなかったな。

 明日化け猫をターゲットにして襲うか。もちろん奇襲するけど。

 【経験値を得ました。】
 【レベルアップしました。】
 【レベルが10になりました。】
 【スキル所持総数が40を超えました。】
 【レベルが最大値に達していることを確認。】
 【究極スキルを保持していることを確認。】
 【レベルの限界を突破します。】
 【ステータスが大幅に補正されます。】

 うん?
 何か来た。

 訳が分からないので、自分のステータスを確認してみる。

 リミットオーバー?何かステータスも一気に上がったし、レベルの限界が20?になっているのか?

 ・・・・・・深く考えるのはやめましょう。うん。俺の頭じゃ無理だ。

 じゃあ、はい。眠たいので寝ます。【睡眠耐性】持ってるはずなんだけどなー。
 多分【変温生物】のスキルのせいだ。
 これは多分、他の生物からスキルを継承したりしないと無理だ。
 種族的なものだから。

 人間で例えるなら、水中で息が出来ないことを不便と感じてるようなものか?

 洞穴に戻り、貯蓄してた蛙を食べて寝た。
 帰りに茶色いネズミを新発見したから食べたけど、蛙よりちょっと味は劣るかな?
 肉が少し硬い。

 【俊足】スキルを継承した。足が速くなるスキルだった。



 ふう。今日も俺は日の出と共に起き、蛙と鼠を中心的に狙って食い荒らし、食料庫を広げ、少し面倒だったが【粘液】スキルで内側から補強し、蛙と鼠の死体を食料庫に溜めた。
 最近昼間も少し寒くなってきているように感じる。だからこれは、冬眠準備だ。
 レベルが13に上がり、スキルがたくさん手に入りすぎて普通に驚いてしまった。俺が狩ったのは、蛙5匹と鼠6匹だ。

 蛙からは【無表情】【脚力強化】【水属性】【レイン】【跳ぶ者】の五つ。
 鼠からは【地属性】【逃走】【逃げ足】【病耐性】【ウイルス耐性】【弱者の意地】の六つ。

 元から無表情な蛇の顔が更に無表情になった。
 【レイン】の魔法で、わざわざ水を探し出して体を水につけてからじゃないと【粘液】系のスキルが弱まるが、これでその心配はかなり減った。

 【地属性】と【水属性】はその属性に対して干渉しやすくなったり、相性が良くなったり。

 【飛ぶ者】はジャンプ力の上昇など。【弱者の意地】は自分より強い者に対してだけステータスが全て少し上昇。ほかは名前のまんま。

 そうしてそろそろ洞穴に帰って寝ようかなーと思っていると、俺の【警戒】スキルが危険を知らせてくれた。
 反射的に【跳躍】【俊足】【逃走】【逃げ足】【脚力強化】を同時発動でものすごい勢いでその場から離れた。
 振り返って、その危険の正体をその眼で確認すると、俺の選択肢は逃げの一手だけになってしまった。

 やばいやばいヤバイヤバイまずいまずいまずいマズイ無理無理無理無理!!!

 す、ステータスの確認!あいつのステータスは、あの鷲のステータスは!?


   名前 無し
   種族 ディバウアイーグル・キラー
   年齢 16歳
   状態 普通
   Lv 37/50
   HP 53/218
   MP 87/190
   物攻力 185
   物防力 163
   魔攻力 172
   魔防力 158
   機動力 211
   ランク D

   究極スキル

   種族スキル
   【恒温生物Lv--】【視覚発達Lv--】【気配感知Lv-4-】【暴食Lv--】
   【鷲族言語Lv-4-】【飛行Lv-5-】【闘争本能Lv-6-】【風属性Lv-1-】
   【高速走行Lv-3-】【風に乗る翼Lv--】【地を駆ける剛脚Lv--】

   固有スキル

   通常スキル
   【啄ばみLv-4-】【奇襲Lv-3-】【惨殺Lv-6-】【丸呑みLv-2-】
   【威嚇Lv-3-】【疾走Lv-4-】

   魔法スキル
   【ウインドカッターLv-5-】【ウインドアローズLv-3-】【クイックLv-4-】

   耐性スキル
   【物理耐性Lv-2-】

   称号スキル
   【空のハンターLv--】【陸のハンターLv--】【暴食鷲Lv-6-】
   【蛇ぐらいLv-6-】【残忍の象徴Lv--】


 かっ、えっ、あっ、無理ー。絶対ムリだねー。

 全力逃走しながらそんなことを考える俺って、どうなのかな?

 暴食鷲がニタニタ笑っているような顔をしながらどんどん追いかけてくる。確かに足長いから速いけど、空も飛べるし足も速いって、それは卑怯だと思うなあ!?

 つかまったら100%死ぬ。確実に生きたまま食い殺される。

 アイツの弱点、アイツの弱点。逃げてもあいつのほうが圧倒的に速い。なのにぴったり付かず離れずついてくる。
 隠れても空から探し出されて見つけられたら結局意味がない。
 洞穴に逃げたいけどそれは今走っている向きとは正反対。

 どうしようどうしようどうしよう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...