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気持ち
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「悲しい? 怒り?」
生まれて初めてその言葉を聞いたみたいな顔で、首を傾げる男爵。
「思わないんですか?」
「ええ、私は……」
歯切れの悪い返事。
「それは、もちろん悲しくないと言えば嘘になります。でも」
全部、私が悪いのでと言い張るバーン男爵。
私はこの男の様子に、信じられない気持ちでいっぱいだった。
それと同時に、一種の哀れみを覚える。
「……エブリンさん、ほかにも同じようなことをしているとおっしゃっていましたよね?」
「ええ」
男爵は力なく返事をする。
「それって、結局解決はしたんですか?」
「ええ、まあ」
「具体的には? どんなふうに?」
「私が相手方に、少額ではありますが慰謝料を」
「ああ……」
「みなさん、たいていはそれで手を打ってくださいます」
あの女勇者――エブリンの狙う男は、私の婚約者と同じく庶民であるならば。
その婚約者である女性たちも、同じく市井出身の者たち。
バーン男爵にとっては「少額」でも、彼女たちにとっては結構な額だ。
だからこそ、被害者である彼のことを特に考えもせず、みんなお金を受け取るのだろう。
なんだか、可哀想に思ってきた。
この男は、私と一緒で被害者なのだ。
それなのに、自分で自分がそうだと自覚することが今までになかったのだと思う。
「私、お金はいりません」
私ははっきりとそう言った。
「そうですか……。では、働き口を」
「それも結構です」
「はあ」
男爵は困惑している。
「それでは、一体私は何をすれば?」
「私は施しを受けに来たわけではないので。……それより、1つ協力してほしいことがあるんです」
「協力?」
「私たち2人で、エブリンさんとフランに復讐しませんか?」
生まれて初めてその言葉を聞いたみたいな顔で、首を傾げる男爵。
「思わないんですか?」
「ええ、私は……」
歯切れの悪い返事。
「それは、もちろん悲しくないと言えば嘘になります。でも」
全部、私が悪いのでと言い張るバーン男爵。
私はこの男の様子に、信じられない気持ちでいっぱいだった。
それと同時に、一種の哀れみを覚える。
「……エブリンさん、ほかにも同じようなことをしているとおっしゃっていましたよね?」
「ええ」
男爵は力なく返事をする。
「それって、結局解決はしたんですか?」
「ええ、まあ」
「具体的には? どんなふうに?」
「私が相手方に、少額ではありますが慰謝料を」
「ああ……」
「みなさん、たいていはそれで手を打ってくださいます」
あの女勇者――エブリンの狙う男は、私の婚約者と同じく庶民であるならば。
その婚約者である女性たちも、同じく市井出身の者たち。
バーン男爵にとっては「少額」でも、彼女たちにとっては結構な額だ。
だからこそ、被害者である彼のことを特に考えもせず、みんなお金を受け取るのだろう。
なんだか、可哀想に思ってきた。
この男は、私と一緒で被害者なのだ。
それなのに、自分で自分がそうだと自覚することが今までになかったのだと思う。
「私、お金はいりません」
私ははっきりとそう言った。
「そうですか……。では、働き口を」
「それも結構です」
「はあ」
男爵は困惑している。
「それでは、一体私は何をすれば?」
「私は施しを受けに来たわけではないので。……それより、1つ協力してほしいことがあるんです」
「協力?」
「私たち2人で、エブリンさんとフランに復讐しませんか?」
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