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第1章
登校 ~男子生徒視点~
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登校時。
周りの人の騒がしさが、異様に目についた。
いつものように朝起きて準備をし、ギリギリになって学園に行く。
完全寮制のおかげで、毎朝ゆっくり出来るのは気楽だ。
ただまあ、気の抜き過ぎでたまに遅刻し、家族や教師から叱られてしまうこともあるが。
今日もそんな最悪な日で、俺は朝起こしてくれなかった使用人に文句を言いながら、せかせかと学園のメインストリートを歩いていた。
俺と同じく遅刻ギリギリの奴もいるみたいで、一緒になって道を早足で歩く。
走るのは下品だと日頃から教師たちに口酸っぱく言われているから、俺たちは出来るだけ足を速く動かすことしか出来ない。
そんな、優雅でもなんでもないいつもの朝である――はずだった。
異様な騒がしさが、俺の耳に届く。
一体なんなのだろうか。
朝っぱらから。
周りを見渡すと、この時間にしてはいつもより多い生徒たちが、それぞれ固まって何か話をしているみたいだった。
「ちょっとあれ」
「どうされたのかしら?」
「一体何があったんだ?」
そんな言葉が飛び交っている。
「ごきげんよう」
「うぉっ」
突然、背中側から声をかけられる。
同じクラスの女子生徒だ。
「ごきげんよう」
「また遅刻ギリギリ? 毎日大変そうね」
「そりゃどうも」
この女子生徒は男女問わず気さくに話しかけてくる。
貴族社会では、あまりみない質。
「でも、お前だって今日ギリギリじゃねぇか」
俺は顎で校舎付近にある時計をしゃくった。
「あと5分でホームルームが始まるぞ」
「私はもう、教室に荷物置いてきたわよ」
「じゃあ、なんでここにいるんだ?」
女子生徒は、俺の問いに答えず、黙ったまま前方を指差した。
「おい、人を指差すのは辞めろよ」
「前見てよ」
「前?」
俺は前を向くが、人だかりがあるのみで、何がなんだかわからない。
「なんだよ」
「見えない? ストレートの金髪の御令嬢」
「ああ……」
目を凝らしてよく見ると、確かにいた。
綺麗なロングヘアの女子生徒が、他の生徒たちを見向きもせず、颯爽と1人で歩いている。
「確かに、見たことない生徒だな」
貴族は身分の上下とも、同じコミュニティの中で育った者が多く、基本的に学園の生徒はみんな顔見知りといった具合だった。
「転校生か?」
「いいえ、違うわ」
彼女は首を振る。
「公爵令嬢のアメリ様よ」
「アメリ嬢? ……えっ。嘘だろ?」
「嘘じゃないわ。彼女、確かにアメリ様よ」
……えっ。
あのアメリ嬢?
あの女子生徒が?
周りの人の騒がしさが、異様に目についた。
いつものように朝起きて準備をし、ギリギリになって学園に行く。
完全寮制のおかげで、毎朝ゆっくり出来るのは気楽だ。
ただまあ、気の抜き過ぎでたまに遅刻し、家族や教師から叱られてしまうこともあるが。
今日もそんな最悪な日で、俺は朝起こしてくれなかった使用人に文句を言いながら、せかせかと学園のメインストリートを歩いていた。
俺と同じく遅刻ギリギリの奴もいるみたいで、一緒になって道を早足で歩く。
走るのは下品だと日頃から教師たちに口酸っぱく言われているから、俺たちは出来るだけ足を速く動かすことしか出来ない。
そんな、優雅でもなんでもないいつもの朝である――はずだった。
異様な騒がしさが、俺の耳に届く。
一体なんなのだろうか。
朝っぱらから。
周りを見渡すと、この時間にしてはいつもより多い生徒たちが、それぞれ固まって何か話をしているみたいだった。
「ちょっとあれ」
「どうされたのかしら?」
「一体何があったんだ?」
そんな言葉が飛び交っている。
「ごきげんよう」
「うぉっ」
突然、背中側から声をかけられる。
同じクラスの女子生徒だ。
「ごきげんよう」
「また遅刻ギリギリ? 毎日大変そうね」
「そりゃどうも」
この女子生徒は男女問わず気さくに話しかけてくる。
貴族社会では、あまりみない質。
「でも、お前だって今日ギリギリじゃねぇか」
俺は顎で校舎付近にある時計をしゃくった。
「あと5分でホームルームが始まるぞ」
「私はもう、教室に荷物置いてきたわよ」
「じゃあ、なんでここにいるんだ?」
女子生徒は、俺の問いに答えず、黙ったまま前方を指差した。
「おい、人を指差すのは辞めろよ」
「前見てよ」
「前?」
俺は前を向くが、人だかりがあるのみで、何がなんだかわからない。
「なんだよ」
「見えない? ストレートの金髪の御令嬢」
「ああ……」
目を凝らしてよく見ると、確かにいた。
綺麗なロングヘアの女子生徒が、他の生徒たちを見向きもせず、颯爽と1人で歩いている。
「確かに、見たことない生徒だな」
貴族は身分の上下とも、同じコミュニティの中で育った者が多く、基本的に学園の生徒はみんな顔見知りといった具合だった。
「転校生か?」
「いいえ、違うわ」
彼女は首を振る。
「公爵令嬢のアメリ様よ」
「アメリ嬢? ……えっ。嘘だろ?」
「嘘じゃないわ。彼女、確かにアメリ様よ」
……えっ。
あのアメリ嬢?
あの女子生徒が?
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