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第1章
夕食
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みんながいなくなったように見えたのは、どうやら食べ物を買いに行っていたからのようだった。
いじけていた自分がちょっと恥ずかしい。
だが面倒くさい割に直ぐに機嫌が治る性格の私は、新しくて可愛い洋服を見に纏い、上機嫌で階段を降りる。
コトコトと煮込む音が店内に広がり、鼻歌を口ずさんでいる店長さんに導かれて厨房に入ると、お母様と雛子から、
「主役は何もしなくていいから」
と言われてしまう。
ただ何もしないのもアレなのでひたすら店内を掃除した。
彼女たちはさっき帰って来たばかりだし、結構時間のかかりそうな料理を作って居そうだったから。
結局食べ始めるのは、お風呂に浸かっていた早い夕食時間から遅い夕食になってしまった。
店長さんが中心となって雛子ファミリー全員で作った作品が、次々と一番大きなテーブルに並べられていく。
さすが定食屋。
慣れた手つきで素早い。
所狭しと並べられた皿の中には色とりどりの食材たちが、今か今かと食べられるのを待ち望んでいる。
思わず、唾を飲み込んだ。
これは……。
凄いぞ。
白菜、人参、大根、葱、豚肉のたっぷり詰まったあっさり鍋に、ごろごろとたくさんの身が詰まったトロットロのクラムチャウダー、綺麗な円盤状に並べられ、いくつかは薔薇の形に成形された餃子たち、ぐつぐつと音を立てる黄金色のグラタンに、皿いっぱいに盛られた唐揚げとポテト、新鮮なマグロ、サーモン、イカなどのお刺身。
さらにさらに、ケーキスタンドに可愛らしく乗っけられている様々なロールケーキ。
彼らの皿がシンプルなのが、増して憎々しい。
器にわざと着飾らせないことで、作品のごった返し感が緩和される。
統一性?
組み合わせ?
そんなの関係ない。
美味しいもん欲しいだけ詰め込んでやらぁ!
というような、小さな頃に夢見た宝箱が目の前に広がっている。
私は感動した。
涙が出てきそうになる。
こんなに凄い食事、初めて見た。
「はい、じゃあ手を合わせて!」
陽気な旦那さんの声に合わせて、奥さんは上品に、その子ども二人は嫌そうに手を合わせ、私も彼らに合わせた。
「「「「「いただきます」」」」」
まるで小学校の頃のように一息でそう言い、そこは修羅場となった。
がっつくというか、そもそも一般人がサバンナに一人で放り込まれた気分になった。
瞬時に消えていく料理に唖然としていると、
「マコちゃん! あなたも早く食べなさいね。すぐに無くなっちゃうわよ!」
というお母様のご忠告を受け、私は慌てて箸を動かした。
いじけていた自分がちょっと恥ずかしい。
だが面倒くさい割に直ぐに機嫌が治る性格の私は、新しくて可愛い洋服を見に纏い、上機嫌で階段を降りる。
コトコトと煮込む音が店内に広がり、鼻歌を口ずさんでいる店長さんに導かれて厨房に入ると、お母様と雛子から、
「主役は何もしなくていいから」
と言われてしまう。
ただ何もしないのもアレなのでひたすら店内を掃除した。
彼女たちはさっき帰って来たばかりだし、結構時間のかかりそうな料理を作って居そうだったから。
結局食べ始めるのは、お風呂に浸かっていた早い夕食時間から遅い夕食になってしまった。
店長さんが中心となって雛子ファミリー全員で作った作品が、次々と一番大きなテーブルに並べられていく。
さすが定食屋。
慣れた手つきで素早い。
所狭しと並べられた皿の中には色とりどりの食材たちが、今か今かと食べられるのを待ち望んでいる。
思わず、唾を飲み込んだ。
これは……。
凄いぞ。
白菜、人参、大根、葱、豚肉のたっぷり詰まったあっさり鍋に、ごろごろとたくさんの身が詰まったトロットロのクラムチャウダー、綺麗な円盤状に並べられ、いくつかは薔薇の形に成形された餃子たち、ぐつぐつと音を立てる黄金色のグラタンに、皿いっぱいに盛られた唐揚げとポテト、新鮮なマグロ、サーモン、イカなどのお刺身。
さらにさらに、ケーキスタンドに可愛らしく乗っけられている様々なロールケーキ。
彼らの皿がシンプルなのが、増して憎々しい。
器にわざと着飾らせないことで、作品のごった返し感が緩和される。
統一性?
組み合わせ?
そんなの関係ない。
美味しいもん欲しいだけ詰め込んでやらぁ!
というような、小さな頃に夢見た宝箱が目の前に広がっている。
私は感動した。
涙が出てきそうになる。
こんなに凄い食事、初めて見た。
「はい、じゃあ手を合わせて!」
陽気な旦那さんの声に合わせて、奥さんは上品に、その子ども二人は嫌そうに手を合わせ、私も彼らに合わせた。
「「「「「いただきます」」」」」
まるで小学校の頃のように一息でそう言い、そこは修羅場となった。
がっつくというか、そもそも一般人がサバンナに一人で放り込まれた気分になった。
瞬時に消えていく料理に唖然としていると、
「マコちゃん! あなたも早く食べなさいね。すぐに無くなっちゃうわよ!」
というお母様のご忠告を受け、私は慌てて箸を動かした。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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