崖っぷちOL、定食屋に居候する

 高木 真琴(たかぎ まこと)。


 彼女の人生は現在、谷まっしぐらだった。


 職場では御局様に目をつけられ、プライベートでは結婚を約束していた恋人に振られたばかり。


 そんな彼女にとっての唯一の癒しは、同僚の兄が作るお弁当だった。

 まともに料理が出来ない彼女の代わりに、定額で毎日お弁当を作ってくれている。


 花より団子。


 ほかの何よりも食事が一番好きな彼女にとって、お手軽でとても美味しいお弁当は、まさに天の恵みだった。


 しかし、そんな日々を送る彼女に悲劇が訪れた。


 家、全焼。


 帰る場所を失った彼女に、同僚は提案する。


「定食屋の2階、格安で貸してあげるわよ」


 同僚の実家は定食屋だったのだ。

 その住み込み部屋が、どうやら空いているらしい。


 その提案を有難く受け入れ、いそいそと荷物をまとめて引越しする彼女に待ち受けていたのはーー。


「だ、誰?」


 金色長髪で目つきの悪いヤンキーの同居人だった。
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