行方不明だった元婚約者が戻ってきたので、浮気三昧な現婚約者を捨てることにしました

小倉みち

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両親

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 家に帰ると、もう既にお父様とお母様は学園から話を聞いているようだった。


「シャーロット、お父様の部屋に来なさい」

 帰ってきて早々、お母様は厳しい顔でそう言った。


 私は頷く。


 もしかすると、私は叱られるかもしれない。

 せっかくお父様たちが見つけてきてくれた婚約者だというのに、不仲どころか勝手に別れまで申し出てしまったのだ。

 怒られてしまうのも、仕方がない。


 だが、私が部屋に入ったとき、真っ先にお父様は私に向かって頭を下げた。

「すまなかった」


 謝罪するお父様に、私は慌てて、

「お父様が、どうして謝られるのですか?」

 と、返す。

「お前の気持ちを、私たちは全然気づいてなかった。お前には大変苦労させてしまった。本当にすまない」

「ごめんなさい、シャーロット。私たちのせいで、あなたはあんなに苦労していたのね」

「あれは、お父様とお母様が謝ることではありません。私が何もお伝えしていなかったのが悪いのです」

「イザベラから聞きました」

 と、お母様。

「私たちが心配するからと、あなたわざとわざと私たちには何も言わなかったのでしょう? 親失格です」


 私はイザベラの方を向いた。

「申し訳ございません、シャーロットお嬢様」


 イザベラは頭を下げた。

「旦那様と奥様から、お嬢様とリアム様の関係についてご質問をいただきましたので」

「そうだったのね」

「お嬢様とのお約束を破ってしまい、申し訳ありません」

「いいわ、気にしないで」


 どうせ、言うつもりだったのだ。


「お前は、リアムと別れたいと考えているんだな?」

 と、お父様。

「はい、もう我慢の限界です」

「わかった」


 お父様は頷いた。

「良いのですか?」

「ああ。自分の娘が困っているのに、どうして私たちがそのままにすると思うんだ」

「私たちが一番大切なのは、貴族間の関係や情勢ではありませんよ。シャーロット、あなたです」


 私の中から、何か熱いものが込み上げてくる。


 お2人は私のために、リアムの家と決別してくれるとおっしゃっている。

 この2人の子どもに生まれて、本当に良かった。

「そうと決まれば」

 お父様は言った。

「すぐにでもリアムくんの家に、婚約破棄を申し出よう」

「……ありがとうございます」

「何、気にすることはない。正直、リアムくんの家と仲良くする理由が、こちら側もあまりないのだ」

「そうなのですか?」

「ええ」


 お母様も頷いた。

「実のところ、何度か向こうから借金の申し入れが来ている。どうやら、財政的に厳しい状況らしい」

「そんな家に、大事な娘を嫁がせるなんて出来ないわ」

「そうなんですか」


 私は初耳だった。

 リアムは、そのような素振りなど、学園では一切見せていなかったからだ。

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